プレス順送金型の設計―基礎から応用まで

プレス順送金型の設計―基礎から応用まで

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  • サイズ B5判/ページ数 190p/高さ 26cm
  • 商品コード 9784526048180
  • NDC分類 566.5
  • Cコード C3053

出版社内容情報

 プレス加工で作られる製品(部品)は,多くの商品に使われています.プレス加工はモノ作りになくてはならない加工手段です.
 しかし,一慨にプレス加工といっても,いろいろな手法があります.単工程加工によるモノ作りから,材料から連続的に製品に仕上げていく順送加工まで,さまざまな手段があります.そのなかでも,順送加工は効率よくプレス加工製品を生産することのできる優れた加工方法です.
 このような加工を支えるものが金型です.金型によって加工品質や作業性などの多くの要素が決まってしまいます.また,金型は金型設計の善し悪しでできばえが左右されます.特に,加工内容を凝縮した順送金型では,金型設計,製作ともに難しいといわれています.
 本書では,難しいとされる順送金型設計をできるだけ分かりやすく解説するように努め,まとめたものです.
 順送加工の各部の要素は,単工程加工に通じるものがあります.というより,単工程加工を基本として順送加工があると考えたほうがよいと思います.
 その発想から,プレス加工の抜き,曲げといった基本要素などと,その要素加工に使用される金型を根元的な部分から解説して,プレス加工をまだ十分に理解されていない方々でも読み進めることで,プレス加工用の金型が分かるように解説しました.したがって,順送金型ばかりでなく単工程金型の理解も得られるはずです.
 特に,分かりにくいと思える専門用語には,文中で解説して,困らないようにしたつもりです.
 順送金型設計の入門書として,活用していただければ幸いです.
 本書は,日刊工業新聞社の技術専門誌「型技術」に連載したものに,加筆・修正と編集を行いまとめたものです.
 連載中はそれぞれの編集担当の方に大変お世話になりました.また今回,本書の出版に際しましては,日刊工業新聞社書籍編集部の武藤朔恵氏,日刊工業出版プロダクションの小川純子氏に大変お世話になりました.厚くお礼申しあげます.
 2001年10月 山口 文雄


<<目次>>

まえがき…I
第1章
プレス製品の加工
1-1 プレス製品とプレス加工要素…1
1-2 プレス加工要素と加工構造…1
1-3 単工程型による製品加工…1
1-4 複合型による製品加工…2
1-5 順送型による製品加工…3
第2章
2-1 打抜き加工…7
2-2 打抜き加工と金型…7
(1)直接加工に用いる金型部品…7
(2)間接的に必要な金型部品…8
(3)位置決め部品…8
(4)金型構造…8
2-3 打抜き加工条件…9
(1)送りさんと縁さん…9
(2)さん幅と材料ガイドの関係…9
(3)打抜き形状の配列…10
(4)パンチ,ダイとクリアランス…11
(5)湾曲とダイ断面…11
(6)打抜き加工力…11
第3章
3-1 穴抜き加工…13
3-2 穴抜き,切り欠き加工の条件…13
(1)製品寸法とパンチ,ダイ寸法…13
(2)穴抜き加工と変形…13
 1)側方力の影響…13
 2)曲げモーメントによる影響…14
 3)穴と穴の接近によるだれと板厚減少…14
(3)切り欠きとブランク形状…15
3-3 穴抜き加工の工程設計…16
(1)ブランクと穴抜きの関係…16
(2)多数穴の工程分解…16
(3)穴加工と曲げの関係…16
3-4 穴抜き型の構造…16
(1)固定ストリッパ構造の穴抜き型…16
(2)可動ストリッパ構造の穴抜き型…17
 イ)ストリッピング力…17
3-5 可動ストリッパ構造の詳細…18
(1)可動ストリッパ構造の刃合わせ…18
(2)ストリッパボルト…19
(3)可動ストリッパ用のばねの使い方…20
(4)ストリッパによるパンチガイドとストリッパの挙動…21
3-6 金型構成部品の機能
1 シャンク…23
2 パンチホルダ…23
3 バッキングプレート…23
4 パンチプレート…23
5 ストリッパプレート…24
6 パンチ…24
7 ダイプレート…24
8 ダイホルダ…24
9 アウターガイドポスト,ブシュ…24
10 インナーガイド…24
11 ストリッパボルト…24
12 ストリッパ用ばね…24
13 押しねじ…24
14 ダウエルピン…24
15 ダイボタン…25
16 材料ガイド…25
17 ストップピン…25
第4章
4-1 レイアウト設計…27
(1)製品図のアレンジ…27
(2)ブランクレイアウト…28
(3)ストリップレイアウト…28
4-2 材料通しの時の注意事項…29
4-3 パンチ,パイロットの設計…30
(1)パンチの設計…30
(2)パイロットの設計…31
4-4 ダイの設計…32
4-5 組立図…32
4-6 固定ストリッパ金型設計の具体例…32
(1)パンチ・パイロットの設計…32
 1)穴抜きパンチ…32
 2)サイドカット・外形抜きパンチ…32
 3)パイロットの設計…32
(2)パンチプレートの設計…33
(3)パンチバッキングプレートの設計…35
(4)パンチホルダの設計…35
(5)固定ストリッパプレート…37
(6)ダイプレート…38
(7)ダイホルダ…39
第5章
5-1 せん断加工の基本形状…41
5-2 抜き順送加工の基本…41
5-3 抜き加工と金型構造…43
第6章
6-1 曲げ型構造…45
(1)V曲げ…45
(2)L曲げ…46
(3)U曲げ…46
(4)Z曲げ…47
6-2 曲げ展開…47
(1)V・L(U)曲げの展開…47
(2)ヘミング曲げの展開…48
(3)カール曲げの展開…49
(4)Z曲げの展開…49
6-3 曲げ形状と加工上の問題点…49
(1)曲げ高さ(フランジ高さ)…49
(2)曲げ部の変形…50
(3)曲げ部の膨らみ…50
(4)鞍上のそり…51
(5)曲げ部の割れ…51
 1)曲げ半径との関係…51
 2)バリ面との関係…52
 3)曲げ線と輪郭形状の関係…52
6-4 曲げ型の構造と条件設定…54
(1)V曲げ型…54
(2)L曲げ型…55
(3)U曲げ型…56
(4)Z曲げ型…58
6-5 曲げ順送加工の基本…59
(1)曲げ加工と材料のリフトアップ…60
(2)加工のタイミング…61
(3)曲げ加工の製品回収…63
(4)曲げ加工の工程設計…63
 1)曲げ基準面を決める…63
 2)工程設計と加工構造…63
 3)金型構造と工程バランス…65
1 基準面と曲げ形状…65
2 L曲げの工程検討…66
3 Z曲げの工程検討…66
4 工程設計案1…66
5 工程設計案2…66
6 工程設計案3…67
 4)まとめ…67
6-6 スプリングバック対策…68
(1)スプリングバック…68
(2)コイルの巻きぐせ…68
(3)ウエッブの状態による変化…69
(4)パンチ・ダイのかみ合い深さの影響…69
(5)曲げ変形に伴うスプリングバック…69
(6)スプリングバック対策…70
 1)セッティングによる対策…70
1 内側セッティング法…70
2 外側セッティング法…70
 2)底突きによる対策…71
 3)ダイクッション圧の調節による対策…71
 4)オーバーベンドによる対策…72
 5)曲げ後の角度修正による対策…72
6-7 曲げ加工に伴う変形と対策…73
(1)曲げ穴と位置関係による変形…73
(2)はね上がりによる変形…74
(3)加工バランスの悪い曲げ加工…75
(4)ビード,リブの影響による変形…76
(5)順送レイアウト設計による問題と対策…76
6-8 曲げ順送金型設計例…77
(1)金型設計の着手…78
(2)製品図検討…78
 1)プレス加工が可能な形状となっているかの検討…78
 2)製品の機能,加工上のポイント理解…79
(3)製品図のアレンジ…79
(4)曲げ展開…80
(5)工程分解…80
(6)工程設計…81
(7)曲げ工程設計…81
 1)加工法の検討…81
 2)加工構造の検討…81
(8)外形形状加工…83
 1)ブランクレイアウト…83
 2)カットパンチ設計…84
 3)パイロット…85
 4)キャリア…85
(9)穴抜き加工…85
(10)ストリップレイアウト作成…86
 1)ストリップレイアウトの内容…86
 2)ストリップレイアウトの設計手順…86
(11)ダイレイアウト設計…87
 1)ダイレイアウトの詳細…89
(12)ストリッパレイアウトの設計…92
 1)ストリッパレイアウトの詳細…93
(13)パンチプレートレイアウト…95
(14)組立図の設計…96
 1)下型および上型平面図の設計…96
 2)組立断面図…96
 3)部分断面図の活用…98
(15)プレートの設計…99
(16)小部品図…100
6-9 特殊な曲げ型構造…103
(1)丸め曲げ型…103
(2)カール曲げ型…103
(3)上下同時曲げ型…104
(4)カムを使った曲げ型…106
(5)可動ダイを用いた曲げ型…106
(6)スイングパンチを利用した曲げ型…107
第7章
7-1 絞り加工の基本と絞り型の構造…109
(1)絞り加工の様子と各部の名称…109
(2)絞りの工程…110
 1)絞り工程の内容…111
(3)絞り型の構造…112
 1)初絞り型構造…112
 2)再絞り型構造(1)…113
 3)再絞り型構造(2)…114
 4)逆絞り型構造…114
7-2 円筒絞りの工程設計…116
(1)製品形状のアレンジ…116
(2)ブランク寸法を決める(展開)…117
(3)絞り回数を決める(絞り率)…119
(4)絞りクリアランス(C)を決める…120
(5)パンチR(PR)の大きさを決める…120
(6)ダイR(DR)の大きさを決める…121
(7)成形工程(リストライク)のPR, DR…121
(8)絞り高さを決める…121
(9)結果のまとめ…121
(10)レイアウト設計の考え方…121
 1)ブランクの作り方のいろいろ…122
 2)ランススリットのレイアウト…122
7-3 絞り順送りの金型の構造…123
(1)絞り順送の基本的構造…123
(2)固定ストリッパ構造…124
(3)具体的な事例…124
 1)材料の上下変化…124
 2)パイロット…125
 3)製品落とし…125
 4)リストライク…127
 5)ピッチ変化対策他…127
(4)可動ストリッパ構造…127
 1)一体式可動ストリッパ構造…127
 2)分割型の可動ストリッパ構造…128
(5)下型可動ストリッパ構造…130
 1)キラーピンの活用…131
(6)キラーピンと一体ストリッパ構造…131
(7)上向き絞りの構造…133
 1)ブランク加工…133
 2)穴抜き加工…133
 3)トリミング…133
(8)上向き絞り金型構造の作り方…134
 1)構造設計…134
(9)その他注意事項…136
 1)加工途中の材料の動き…136
 2)絞り型部品の設計上の留意点…137
7-4 絞り順送加工とプレス機械との関係…139
(1)絞り高さとプレス機械のストローク長さ…139
(2)絞り高さと材料送りタイミングの関係…140
(3)プレス機械のトルク能力と絞り加工力の関係…141
(4)絞り高さと金型に用いるスプリングの関係…141
7-5 角筒絞り加工…143
(1)角筒絞りの特徴…143
(2)角筒絞りのブランク展開…144
(3)角筒絞りの工程設計…144
(4)角筒絞りの型構造の注意点…145
1 ダイR…145
2 絞りビード…145
3 パンチR…146
4 クリアランス…146
(5)角筒絞り順送工程設計例…146
7-6 はとめ絞りと張出し絞り…146
(1)絞り加工と張出し加工…146
(2)はとめ絞り…148
(3)張出し絞り…149
(4)張出しと絞りの組合せ加工…150
第8章
8-1 バーリング加工の特徴…151
8-2 バーリング条件…152
(1)バーリング下穴…152
 1)普通バーリング…152
 2)しごきバーリング…152
(2)板厚減少とクリアランス…153
(3)バーリングの加工限界…153
第9章
9-1 リブ加工…155
(1)リブ加工の型構造…155
(2)工程によるリブ加工…156
(3)リブの位置と変形…156
9-2 ビード加工…157
(1)ビードの形状…157
 1)三角ビード…157
 2)円形ビード…157
 3)平底ビード…158
第10章
10-1 圧縮加工の種類と特徴…159
(1)据込加工…159
(2)押出加工…159
(3)しごき加工…160
(4)圧印加工…160
(5)押込加工…160
(6)ならし加工…160
(7)スエージ加工…161
第11章
11-1 ストックガイドの設計…163
(1)ストックガイドの役割…163
(2)材料の横曲がり…163
(3)材料の変動防止…166
(4)型内ガイドとの一体化…167
11-2 型内材料ガイド…167
(1)材料板ガイド…167
(2)リフター…169
(3)ストックガイドリフター…171
11-3 パイロット…171
(1)パイロット役割と使い方…171
 1)送りピッチの修正…171
 2)材料の傾き挿入防止…172
 3)材料の振れ防止対策…172
 4)パイロットの形は丸だけではない…172
(2)パイロットの型内組み付け方法…173
 1)パイロットの組み付け方法…173
1 固定式パイロット…173
2 可動式パイロット…174
(3)パイロットとリフターの関係…174
(4)パイロットの寸法の決め方…174
 1)パイロットと材料板厚との関係…174
 2)パイロット先端形状…175
 3)パイロットの径と穴の関係…175
 4)パイロットの突出し量…176
11-4 パンチの設計…176
(1)用途別パンチの形状イメージ…176
(2)パンチの長さ…176
(3)パンチの大きさと固定法の変化…177
1 かしめ(コーキング)による固定…178
2 フランジによる固定…178
3 ボルトによる固定…178
4,5 キー止めによる固定…178
6 ピンによる固定…179
(4)側方力対策…179
(5)ヒールによるパンチガイド…179
(6)パンチ強度対策とパンチガイド…180
11-5 ダイの設計…180
(1)ダイのイメージ…180
(2)用途によるダイ形状の違い…181
(3)ダイのつくり方…182
(4)ダイの固定方法…183
11-6 ストリッパの設計…185
(1)ストリッパの役割…185
(2)固定ストリッパ…185
(3)固定ストリッパでのパンチガイド…187
(4)固定ストリッパと被加工材の関係…187
(5)下型可動ストリッパ…187
索 引…189

内容説明

本書は、難しいとされる順送金型設計をできるだけ分かりやすく解説。プレス加工の抜き、曲げといった基本要素などと、その要素加工に使用される金型を根元的な部分から解説して、プレス加工をまだ十分に理解されていない方々でも読み進めることで、プレス加工用の金型が分かるように解説している。

目次

プレス製品の加工
打抜き加工と金型の構造
穴抜き、切り欠き加工と金型構造
穴抜き、外形抜き順送金型
抜き順送金型
曲げ加工
絞り加工
バーリング加工
リブ・ビード加工
圧縮成形加工
順送金型の構造設計

著者等紹介

山口文雄[ヤマグチフミオ]
1946年、埼玉県生まれ。松原工業(株)、型研精工(株)を経て1982年山口設計事務所設立、現在に至る。すみだ中小企業センター技術指導員。この間、日本金属プレス工業協会「金型設計標準化委員会」「金型製作標準化委員会」などの委員を兼務する
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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