はじめての電磁気と電気回路

はじめての電磁気と電気回路

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  • サイズ A5判/ページ数 200p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784526048081
  • NDC分類 541.1
  • Cコード C3054

出版社内容情報

まえがき 
 大自然の中での静電気や磁気の観測は17世紀に始まり,その後はクーロンやビオ・サバールやフレミングらによって研究が進展した.その後,オームやキルヒホッフは電気回路の解析に新たな道を拓き,スタインメッツは交流回路の複素計算法を確立した.また,マクスウェルは理論的に電波の存在を予測し,その存在は1888年ヘルツによって実証され,今日のデジタル放送となって表れている.さらに,八木秀次,松前重義,江崎玲於奈,嶋正利,西澤潤一氏らの斬新な発想と研究成果は世界をリードし,人々の幸福と社会の発展に大きく貢献している.
 このように,電気工学者の先駆者たちは輝かしい研究成果を残しており,我々の周りには,それらの偉大な先駆者の業績を知り,さらなる夢の実現に向かって果敢に挑む人々も多いであろう.
 本書は,そのような電気技術者を目指そうとする人々を対象としたもので,楽しく段階的に学習できるように編集したものである.その内容は我々の生活と電磁気との係わりや,主要な電子部品の特性から始まり,直流や交流回路の解析に関連する法則や定理を詳細に示している.さらに,多様な応用回路網の解析方法を具体的に示している.また本文で取り上げた80を越えた例題は,回路網解析の面白さを体験でき,かつ演習問題は理解を確実なものとし,一層高度な問題を解析するための架け橋となるであろう.
 本書が高専や大学での講義はもとより,独習書として利用され,電磁気や電気回路網の体系的な学習に有益であるならば大きな喜びである.さらに,その成果が近未来への創造的なエンジニアの育成に繋がることを期待している.
 なお著者の佐藤は,「情報処理と工学教育を融合させた一連の著書が,工学・工業教育の発展に顕著な功績があった」として,平成13年7月に日本工学教育協会から著作賞を受賞した.これは最高の喜びであると同時に十余年の執筆活動を懐古しながら,その責務と教育の重要性をしみじみと感じている.
 この執筆にあたって,心温まる励ましを賜った友人と家族に厚くお礼を申し上げます.また,熱心に原稿に目を通していただいた宮城高専学生の志村優君と,本書の発行に向けて多大のお世話をいただいた日刊工業新聞社の天野慶悟氏と横溝桂太郎氏に深甚より感謝申し上げます.
    2001年8月著 者



まえがき  i
第1章 物理現象と電磁気  1
 1.1 自然現象と電気  1
  1.1.1 摩擦電気と静電気  1
  1.1.2 電荷とクーロンの法則  3
 1.2 電池の種類  6
 1.3 磁気現象とその応用  8
  1.3.1 自然の中の磁気  8
  1.3.2 磁気に関するクーロンの法則  10
  1.3.3 ビオ・サバールの法則  12
 1.4 フレミングの法則とその応用  14
  1.4.1 フレミングの左手の法則と直流モータ  14
  1.4.2 フレミングの右手の法則  15
 1.5 電磁誘導とその応用  16
 1.6 熱と電気の変換  18
  1.6.1 ジュール熱と電力  18
  1.6.2 エネルギー変換の原理  20
  1.6.3 エネルギー変換の応用   21
 △演習問題  22

第2章 電気材料と電子部品  25
 2.1 電気材料の分類と特性  25
 2.2 導体の特性とオームの法則  28
 2.3 導線の特性と熱雑音  30
 2.4 抵 抗  31
 2.5 インダクタンス  34
 2.6 コンデンサ  36
 2.7 半導体とその応用  39
  2.7.1 原子構造と半導体  39
  2.7.2 ダイオード  41
  2.7.3 トランジスタ  43
  2.7.4 CR結合増幅器と演算増幅器  46
 △演習問題  49

第3章 直流回路の基本  51
 3.1 直流回路の電圧電流とオームの法則  51
 3.2 抵抗の直列接続と並列接続  53
  3.2.1 抵抗の直列接続  53
  3.2.2 抵抗の並列接続  55
  3.2.3 組み合わせ回路  57
 3.3 電池の直列接続と並列接続  61
  3.3.1 電池の特性  62
  3.3.2 電池の直並列接続  63
 3.4 複数のコイルの接続  64
  3.4.1 自己インダクタンスと相互インダクタンス  64
  3.4.2 和動接続と差動接続  65
 3.5 コンデンサの直列接続と並列接続  67
  3.5.1 コンデンサの直列接続  67
  3.5.2 コンデンサの並列接続  69
  3.5.3 組み合わせ回路  70
 3.6 電力と整合  71
 △演習問題  73

第4章 直流回路網の解析  75
 4.1 キルヒホッフの法則  75
 4.2 重ねの理  81
 4.3 鳳―テブナンの定理  86
 4.4 ノルトンの定理と帆足―ミルマンの定理  89
 4.5 相反の定理  93
 4.6 補償の定理  95
 4.7 ホイートストン・ブリッジ  99
 △演習問題  102

第5章 交流回路の計算法  105
 5.1 交流電圧の発生  105
 5.2 正弦波交流の大きさと波形  107
  5.2.1 平均値と実効値  108
  5.2.2 交流電力と直流電力  110
  5.2.3 波形率と波高率  110
 5.3 正弦波の複素数表示  111
 5.4 交流回路とベクトル表示  114
  5.4.1 抵抗回路  114
  5.4.2 インダクタンス回路  115
  5.4.3 静電容量回路  117
  5.4.4 RLC直列回路  118
 5.5 インピーダンスとアドミタンス  121
 5.6 電力の複素数表示  126
 5.7 インピーダンス整合と最大電力  128
 △演習問題  132

第6章 交流回路網の解析  135
 6.1 RL直並列回路  135
 6.2 RC直並列回路  142
 6.3 RLC直並列回路  147
 6.4 交流回路網解析のための法則と定理  154
  6.4.1 キルヒホッフの法則  154
  6.4.2 回路網解析のための定理  158
 6.5 応用回路網の解析  166
 △演習問題  174

演習問題回答  179
付 録  193
参考図書  194
索 引  195
著者略歴  201

コーヒー・ブレイク
〈その1〉コンピュータ発展の経緯とソフトウェア  24
〈その2〉電子回路の役割と分類  50
〈その3〉ケネリーの功績  84
〈その4〉交流回路の解析法を体系化したスタインメッツ  134
〈その5〉回路網理論学習のすすめ  178

内容説明

本書は、電気技術者を目指そうとする人々を対象としたもので、楽しく段階的に学習できるように編集したものである。その内容は我々の生活と電磁気との係わりや、主要な電子部品の特性から始まり、直流や交流回路の解析に関連する法則や定理を詳細に示している。さらに、多様な応用回路網の解析方法を具体的に示している。また本文で取り上げた80を越えた例題は、回路網解析の面白さを体験でき、かつ演習問題は理解を確実なものとし、一層高度な問題を解析するための架け橋となるであろう。

目次

第1章 物理現象と電磁気
第2章 電気材料と電子部品
第3章 直流回路の基本
第4章 直流回路網の解析
第5章 交流回路の計算法
第6章 交流回路網の解析

著者等紹介

佐藤次男[サトウツギオ]
1964年~1966年東北大学電気通信研究所。1967年国家公務員上級試験、電子通信職合格。1986年文部省内地研究員(東北大学)。1988年~1994年宮城工業高等専門学校電子計算機室長。1993年宮城工業高等専門学校助教授。2001年日本工学教育協会から著作賞を受賞。現在に至る

佐々木迪之[ササキタダシ]
1951年仙台工業専門学校電気科卒業。1951年~1962年東北大学工学部通信工学科、ならびに同大学電気通信研究所。1962年東北学院大学工学部電気工学科。1989年工学博士。1990年東北学院大学教授。現在に至る
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