出版社内容情報
《内容》 薬効を最大限かつ安全に発揮させる投与方法・投与形態の理解に必要な知識を体系的に記述.コア部分(学部生向け)と応用編(大学院生向け)に分かれている.コア部分では,薬剤師となるために最低限必要な基礎的事項を精選(国家試験関連問題収載).応用編では,高度な医療現場で医師と共に一人ひとりの患者に適正な薬物治療を行うための知識と,製薬企業で創薬・創剤に必要な情報を満載.
《目次》
【主要目次】
I. 薬剤学総論
1.総論
2.21世紀の薬剤学・製剤学 応用編
3.医薬品開発と薬剤学・製剤学
II. 生物薬剤学
第1章 生体膜透過
1 細胞膜の構造と機能
2 薬物の細胞膜輸送機構
3 トランスポーターが介在する薬物の細胞膜輸送 応用編
第2章 吸収
1 消化管吸収
2 消化管吸収機構 応用編
3 消化管吸収に影響を与える要因
4 消化管吸収の評価・予測 応用編
5 難溶解性薬物の消化管からの吸収予測 応用編
6 大腸特異的デリバリーによる経口吸収性の向上 応用編
7 消化管以外の経路からの吸収
第3章 分布
1 分布とは
2 組織移行性
3 脳移行と血液脳関門・血液脳脊髄関門
4 胎児移行と血液胎盤関門
5 トランスポーターを介した脳への移行とその回避 応用編
6 薬物の脳移行評価法 応用編
7 リンパへの移行
8 分布容積
9 薬物のタンパク結合
10 正常時・病態時における薬物のタンパク結合 応用編
第4章 代謝
1 肝臓の機能と構造
2 第I相代謝と第II相代謝
3 薬物代謝酵素と分子種 応用編
4 代謝の内的・外的変動要因
5 酵素誘導と酵素阻害、遺伝的多型 応用編
6 薬物の代謝評価・予測法 応用編
第5章 排泄
1 腎臓の構造と機能
2 腎排泄機構―糸球体濾過、再吸収、分泌
3 腎分泌・再吸収の分子機構 応用編
4 薬物の腎排泄評価法
5 胆汁中排泄
6 胆汁中排泄の分子機構 応用編
7 薬物の胆汁中排泄評価法 応用編
8 その他の排泄
第6章 薬物相互作用
1 薬物相互作用とは
2 消化管(胃・小腸など)吸収過程における薬物相互作用
3 分布過程における薬物相互作用
4 消化管や肝臓での代謝過程における薬物相互作用
5 薬物排泄過程における薬物相互作用
第7章 ファーマコキネティクス
1 コンパートメントモデル
2 1‐コンパートメントモデル解析
3 2‐コンパートメント解析
4 ラプラス変換法 応用編
5 デコンボリューション法 応用編
6 モーメント解析
7 クリアランス
8 非線形体内動態
9 バイオアベイラビリティ
10 投与計画
11 臨床薬物速度論―臨床の現場における投与計画の実際 応用編
12 ポピュレーションファーマコキネティクスとベイジアン解析 応用編
第8章 ファーマコダイナミクス
1 血中濃度推移と薬効の関係
2 効果推移の定量的予測―PK/PDモデル 応用編
3 時間薬理とファーマコキネテイクス 応用編
III. 物理薬剤学
第1章 熱力学的性質
1 熱力学の基礎
2 希薄溶液の束一性
3 酸と塩基
4 物質の状態と相平衡
5 分子間相互作用
6 分子間相互作用の医薬品への応用例 応用編
第2章 化学反応速度論と薬物の安定性・安定化
1 反応速度と反応次数
2 反応速度式
3 反応の実際
4 反応速度に影響を及ぼす因子
5 誘電率
6 複雑なpH―反応速度定数プロファイルと反応機構 応用編
7 製剤の安定化
第3章 粉体化学
1 結晶の科学
2 粒子物性
3 粉体物性
第4章 拡散と溶解
1 拡散
2 溶解
3 溶解速度
4 溶解速度に影響を与える因子
5 製剤からの薬物放出
第5章 界面化学
1 界面活性と表面吸着
2 表面張力の測定
3 界面活性剤の性質
4 分散系
第6章 レオロジー
1 弾性変形と粘性流動
2 非ニュートン流動
3 レオロジー的性質の測定
第7章 製剤とバイオアベイラビリティ
1 バイオアベイラビリティに影響を与える因子
2 生物学的同等性とバイオアベイラビリティの向上を目的とした製剤技術
第8章 各種剤形と製剤学
1 good manufacturing practice(GMP)
2 製剤の種類と特徴
3 固形製剤
4 半固形製剤
5 液状製剤
6 無菌製剤
7 製剤の品質管理および製剤試験
8 包装・容器
第9章 新しい剤形:ドラッグデリバリーシステム
1 ドラッグデリバリーシステムの概念
2 プロドラッグ
3 コントロールドリリース型のDDS製剤
4 ドラッグデリバリーシステムの今後の展望
付録:ラプラス変換法の基礎
内容説明
本書は、薬剤学を初めて学ぶ薬学生に対しては、医療や調剤など医薬品を取り扱う現場で役に立つ薬剤師となるために必要な基礎的事項についてわかりやすく記述した。また、その知識の整理と理解を探るため薬剤師国家試験問題から関連問題を抜粋して掲載した。大学院修士学生には、高度医療の現場で医師と共に一人一人の患者に適正なテーラーメイド治療に向けた医療の担い手として、また、製薬企業において創薬・創剤に活躍できる研究者となるために特に重要と思われる項目を応用編として指定し、日進月歩に進展する最新の研究成果を取り入れて記述した。
目次
1 薬剤学総論
2 生物薬剤学(生体膜透過;吸収;分布;代謝 ほか)
3 物理薬剤学(熱力学的性質;化学反応速度論と薬物の安定性・安定化;粉体科学;拡散と溶解 ほか)
著者等紹介
辻彰[ツジアキラ]
金沢大学薬学部教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。