出版社内容情報
通常の教科書・手術書では語られることのない,外科基本手技の理屈をあえて追求.「針は回すな」,「腹膜をいきなり電気メスで切ってもいい!?」 通常の教科書・手術書では語られることのない,外科基本手技の理屈をあえて追求.「なぜ」をとことん考える医師の本音が詰まった,外科系診療科にかかわるすべての医師・研修医におススメの一冊.Don't feel...THINK!
【内容目次】
まえがき 何のために、外科基本手技で「なぜなんだろう?」を考えるのか
第1章 あまり?にも当たり前な手術の基本
1 手術ってなんで立ってやるの?
2 手術前の手洗いについて考えるべきこと
3 小物の装着:手袋、マスク、帽子
4 術衣の裏側、覆布の裏側
第2章 手術器具を観察しよう
1 手術器具ってなんで曲がっているのか考えたことある?
2 持針器について:曲がりと溝と出っ張りと
3 横溝と縦溝:掴むところのギザギザなんて普段は見ないよね
4 「ケリー糸」の糸の摘み方をしっかり観察しろ
第3章 糸結びを理論で考える
1 糸を持つ指の基本姿勢は「狐の影絵」
2 糸の持ち方:糸を緩ませずに持ち替えるところから始まる
3 両手結び単結紮:わざと理論的にややこしく書きます
4 人差し指法と親指法はどっちが先か?:「バッテンと輪」に注目
5 結び目を作った糸を180°開くことに意義はあるのか?
6 2重結紮:結紮法なんか自分で作れる、理屈が分かっていれば
7 糸結びのコツは手首にある
8 指の押し込み:「自分の距離」を知ること
9 糸結びの練習はゆっくりやれ
10 弱く縫いたいための外科結紮もある
第4章 縫合の常識は本当?
1 針は回すな
2 バックスイング、インパクト、フォロースルー
3 皮膚の端をわざと合わせない縫合もある
4 持針器は2次元で動かすとは限らない
5 有鉤鑷子で針を持つのは大変だ
6 真皮縫合なのになぜ表皮を持つの?
第5章 切開と剥離
1 皮膚切開、金属メスか電気メスか
2 脂肪のためらい傷
3 筋層のためらい傷:電気メスは掃除機だ
4 腹膜を電気メスで切ったって良いじゃないか
5 剥離は細かくやりゃ良いってもんじゃない
6 刺し込んで開く、刺し込んで開かない:ケリー鉗子の動かし方
第6章 止血、鉤引き、洗浄、ドレナージ
1 止血技あれこれ
2 鉤の引っ張り方、引っ張られ方
3 洗浄と吸引管の使い方
4 ドレーンは赤字で当然である
第7章 点滴、注射、穿刺、ついでに麻酔
1 駆血帯はどこに巻くかって考えたことある?
2 採血は針先じゃなく、針の根部を見ろ
3 勢いよく刺せ
4 伝達麻酔はカッコ良いけど
第8章 術後の創傷処置
1 「消毒しない」のはなぜなのかを考えなかった問題
2 keep wetには時代背景がある
3 その創洗浄、いつまでするの?
4 外科感染症の防止道具:ディスポ手袋とかシュアプラグとか
5 テープの下でドレーンが動く
6 抜鉤器がない
第9章 外科系の診察手技
1 パンペリを作るな
2 マンマの触診は分からん
3 直腸肛門診:やりたくない、やられたくない
4 正常エコーを見ておけ
第10章 医学用語ってやつは
1 内鼠径輪と内鼠径ヘルニアの「内」は違う
2 胃小網動脈…って言いたくもなるよね
3 言葉だけ覚えるんじゃない:コーヒー残渣、タール便、米の研ぎ汁
4 標準的とスタンダードは意味が逆!
5 良性は良性とは限らない、悪性も悪性とは限らない
6 ModifyじゃないModifiedの話
第11章 手技じゃない臨床業務もろもろの思考法
1 その患者、そもそも手術すべきなの?
2 患者の権利、患者の義務
3 「低侵襲だから腹腔鏡」じゃ時代遅れ
4 チーム医療:理論的に正しいことがベストとは限らない
5 コスト意識を持つのは良いことだが
あとがき 「水な月」の話
ホントのあとがき なんでこんな本を書いたのかの言い訳
索引
稲葉 毅[イナバ ツヨシ]
著・文・その他
目次
あまりに~にも当たり前な手術の基本
手術器具を観察しよう
糸結びを理論で考える
縫合の常識は本当?
切開と剥離
止血、鉤引き、洗浄、ドレナージ
点滴、注射、穿刺、ついでに麻酔
術後の創傷処置
外科系の診察手技
医学用語ってやつは…
手技じゃない臨床業務もろもろの思考法
著者等紹介
稲葉毅[イナバツヨシ]
東都文京病院第二外科部長。1960年神奈川県生まれ。1986年東京大学卒。東京大学医学部附属病院第一外科、大森赤十字病院、シンシナティ大学、帝京大学医学部附属病院外科などを経て2017年より現職。臨床の専門は上部消化管外科、ヘルニア外科だが、学術的には外科感染症管理や周術期栄養管理など、外科の中では基礎系の仕事が多い。博士号もgrowth factorの研究で取る。肩書きは日本外科学会指導医、日本消化器外科学会指導医、日本外科系連合学会評議員、日本静脈経腸栄養学会学術評議員、日本外科感染症学会評議員、日本ヘルニア学会理事など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。