出版社内容情報
《内容》 第一線の乳癌専門医によって執筆された手術手技の解説書.乳房円状部分切除術,乳房扇状部分切除術といった乳房温存術と,各種の乳房切除術を,イラストを中心に平易に解説した.今改訂では,近年の術式選択の多様化に対応するため,ほぼすべての項目を新たに書き起こし,イラストも刷新.乳房形成術,センチネルリンパ節生検の章を新たに設けた.
《目次》
【主要目次】
1 解剖
◇乳房の構造
乳腺の構造
乳房の筋膜
乳房内のリンパ流
所属リンパ節
乳房を支配する血管
内胸動・静脈貫通枝
腋窩動・静脈
胸壁の神経
胸壁の筋肉
胸壁と腋窩の筋膜
2 手術総論
乳癌手術の基本
心身安定の重要性
求道
感性
毎日の精進とは
失敗と再生
手術を受ける患者はいつもかわいそうである
◇乳癌の手術の実際
乳癌の手術は何人で行うか
患側乳房側の徹底的確認
消毒
手術体位
皮切線および色素注入,マーキング
乳癌の手術におけるメスの役割
器具
血管の処理
◇乳癌の手術手技向上のまとめ
◇乳癌の手術の極意
3 麻酔・術前評価・処置
華岡青洲と「麻酔の日」
術前評価
肺疾患合併患者の注意点
心疾患合併患者の注意点
肝障害
高血圧,糖尿病
貧血
禁煙
注意すべき術前使用薬剤
就眠薬
禁飲食(NPO)
麻酔前投薬
手術室入室
麻酔法
麻酔の維持・術中管理
術中出血量の節減
低血圧麻酔の目的
低血圧麻酔と使用薬剤
体位
低血圧麻酔のコツ
止血確認
麻酔覚醒
術後管理
早期離床
4 乳房温存術
1.乳房円状部分切除術(1)
適応
術前
乳房円状部分切除
腋窩郭清
術後処置
2.乳房円状部分切除術(2)
適応
乳房円状部分切除術の標準術式
体位
皮膚切開
皮弁形成
乳房円状部分切除
腋窩郭清
3.乳房扇状部分切除術(1)
適応
体位,麻酔,消毒
皮膚切開のデザイン
乳房扇状部分切除
腋窩郭清
センチネルリンパ節生検
圧迫,包帯,術後管理
切除標本の扱い
4.乳房扇状部分切除術(2)
適応とインフォームドコンセント
乳房形成と整容性の予測
マーキング
体位
乳房扇状部分切除
センチネルリンパ節生検と腋窩郭清
乳腺の縫合
ドレナージと皮膚縫合
5.充填法,Lateral tissue flap
背景
適応
手術の要点
5 乳房切除術
1.全乳房切除術,皮下乳腺全摘術,乳頭抜芯術,腋窩下部郭清術
適応
体位
皮切線と剥離範囲
消毒と覆布
皮膚切開
乳房の胸壁からの剥離外翻
腋窩下部リンパ節の郭清
排液管(ドレーン)の設置
皮膚縫合
2.Auchincloss-Madden法
適応
術式手順
体位
手術の実際
3.児玉法
体位
手術の実際
術後管理
6 乳房形成術
1.インプラントを用いた乳房再建術
乳房再建の術式の選択
インプラントを用いた再建の時期
インプランテーションの概念
インプラントの選択
◇二期再建の場合
組織拡張器の挿入
組織拡張器挿入後の管理
乳房インプラントへの入れ替え
◇同時再建の場合
術後管理
2.広背筋を用いた乳房再建術
人工材料との比較
拡大広背筋皮弁による乳房再建の適応とその利点・欠点
術前デザイン(マーキング)
手術手技
術後管理
乳癌手術の縮小手術との関係
3.腹直筋皮弁乳房再建術
腹直筋皮弁移植法の歴史
腹直筋皮弁の血行・構造・特徴
腹直筋皮弁の種類
腹直筋皮弁の利点・欠点
適応
筆者の経験と成績・合併症
腹直筋皮弁の手術
乳房再建第2回目の手術
乳房再建後の経過
7 センチネルリンパ節生検
1.一期的(術中の)センチネルリンパ節生検
理論的背景
適応
術前準備
手術術式
術後
2.二期的(外来で行う)センチネルリンパ節生検
術前準備
手術術式