出版社内容情報
《内容》 古今東西の名画を多数フルカラーで掲載し,それぞれを痛みの科学的側面から解説.名画に描かれた痛みの精神的,文化的エピソードも添え,楽しみながら痛みを総合的に理解できるようにまとめた.痛みの科学性については最新の知見を取り込み,前著『名画の医学』より一歩踏み込んで名画をとらえた本書は,医療関係者にとってより興味深い内容になっている.
《目次》
【内容目次】
1.フリーダ・カーロ<折れた背骨>
痛みと人間
2.ウィリアム・ブレイク<ヨブに煮え湯を注いで苦しめるサタン>
ヨブ記
痛みの定義
痛みとは何か
3.シャルル・ル・ブラン<人相の習作・激しい痛み>
痛みの生物学的意義
疼痛患者の苦しみ
原因不明の非心因性慢性疼痛の苦しみ
4.ピーター・ブリューゲル<子どもの遊び>
痛みの学習
5.アントニオ・ポライウォロ<聖セバスチアヌスの殉教>
痛みを伴う恍惚
6.ソシアスの大杯<パトロクレスに包帯を巻くアキレス>
7.一勇斎国芳<華陀骨刮関羽箭療治図>
注意転換による痛みの克服
8.マックス・エルンスト<3人の目撃者の前でキリストを懲らしめるマリア>
侵害受容線維
侵害受容線維自由神経終末のエネルギー変換
侵害受容線維の興奮伝導
侵害受容情報の伝達
9.ローマ彫刻<瀕死の剣士>
急性炎症の初期反応
炎症初期の痛みの媒介物質
軸索反射
“Walling Off”効果
10.ジョン・エヴァレット・ミレイ<除隊>
白血球の反応
脊髄後根神経節ニューロンのBDNF遺伝子発現
神経成長因子の関与
11.地獄草紙<函量所地獄>
熱傷
熱傷の痛み
小児の熱傷
12.ルーカス・クラナッハ<ヴィーナスと蜂蜜を盗むキューピッド>
ハチ毒の痛み
死亡事故
13.ルーベンス<キリストの割礼>
割礼の歴史
ユダヤ教の割礼
現代の割礼
新生児の痛み
包皮環状切除術の痛み
14.リューク・ファイルズ<ザ・ドクター>
白血病の痛み
15.大蘇芳年<見立多以尽おしてもらいたい>
疝痛の種類
腸疝痛
胆石症の疝痛
腎性疝痛
中間痛
急性間欠性ポルフィリン症
鉛中毒
疝痛の薬物療法
痛みの表現の人種差
16.ヒエロニムス・ボス<聖アントニウスの誘惑>
聖アントニウスの火
17.ゲェルスドルフの外科書<聖アントニウスの火>
身体の幻影
痛みを感じない幻肢
身体図式
幻肢痛
幻肢痛のトリガー
幻肢痛の治療法
18.ピーター・ブリューゲル<乞食たち>
ハンセン病への偏見
ハンセン病の病態
ハンセン病の痛み
19.ダヴィッド<マラーの死>
電気治療の歴史
経皮的電気刺激法
TENSの適応症
内容説明
本書は3年前に上梓した『名画の医学』の続編である。本書も前回と同様に、名画を楽しみながら医学を学べるようにした。
目次
フリーダ・カーロ「折れた背骨」
ウィリアム・ブレイク「ヨブに煮え湯を注いで苦しめるサタン」
シャルル・ル・ブラン「人相の習作・激しい痛み」
ピーター・ブリューゲル「子どもの遊び」
アントニオ・ポライウォロ「聖セバスチアヌスの殉教」
ソシアスの大杯「パトロクレスに包帯を巻くアキレス」
一勇斎国芳「華陀骨刮関羽箭療治図」
マックス・エルンスト「3人の目撃者の前でキリストを懲らしめるマリア」
ローマ彫刻「瀕死の剣士」
ジョン・エヴァレット・ミレイ「除隊」〔ほか〕
著者等紹介
横田敏勝[ヨコタトシカツ]
1931年生まれ。1954年北海道大学医学部卒業。1955年北海道大学医学部第二生理学教室助手。1962年ロックフェラー財団フェローシップを得てオーストラリア国立大学留学。1965年米国NIH研究員。1967年アムステルダム大学助教授。1969年北海道大学助教授(歯学部口腔生理学講座)。1975年滋賀医科大学教授(生理学第一講座)。1996年滋賀医科大学名誉教授、聖徳栄養短期大学教授、現在に至る。日本生理学会評議員、日本疼痛学会名誉会員、国際疼痛学会副会長(1981~87年)、米国神経科学会会員
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。