出版社内容情報
《内容》 概念的な学問で理解するのがむずかしいといわれている疫学について,初心者を対象にわかりやすく解説したテキスト.内容は基本的事項にとどめ,実践的な流れを理解,修得できる構成とした.文章による説明はできる限り避け,図表,イラストによって視覚的な理解ができるよう配慮した.2色刷.
《目次》
【内容目次】
1.疫学とは何か
定義
疫学的な考え方と疫学が取り扱う分野
歴史上の疫学の業績に学ぶ
● コレラ伝播様式の解明
● 脚気予防対策の解明
● 喫煙と肺がんの因果関係の解明
2.疾病の発生原因解明の追及までの流れとその関連事項
3.疫学で用いられる指標
頻度の測定
● 率と比の違い
● 罹患率と累積罹患率
● 有病率
● 罹患率と有病率の関係
● 致命率
● 死亡率と年齢調整(標準化)
● 相対頻度
頻度の比較
● 相対危険と寄与危険
● オッズ比
4.疫学研究を始める前に
調査対象の選択に関する基本的条件
● どの範囲(集団)の者の,何について知りたいかを明確に
分母の選定方法
● 分母となる集団が備えるべき条件
● 対象の選定方法
標本の抽出方法と問題点
分子(患者)の把握の方法について
● 分子となる集団が備えるべき条件
● 分子の把握方法
● 調査法の種類とその比較
疫学研究方法の種類
5.スクリーニングについて
目的・定義
● 定義
● 目的
● 意義
スクリーニング実施上の原則
スクリーニングの妥当性の検討
● 有効性の指標
● 妥当性の指標
スクリーニングの評価
● 評価の種類
● 評価時のバイアス
6.疫学研究方法の種類とその原因究明の手順
疾病の発生原因究明のための一般的な手順
7.記述疫学
目的
主な記述要因とその目的
実例
仮説の設定方法
8.分析疫学
定義
種類と特徴
症例対照研究とコホート研究の比較
9.横断研究と生態学的研究
横断研究
生態学的研究
● 生態学的研究の例
10.症例対照研究(後向き研究)
定義
症例の選定
対照の選定
● 病院対照
● 健康者対照
情報の収集
● 直接的な方法
● 間接的な方法
症例対照研究で生じやすいバイアス
● 選択バイアス
● 情報バイアス
● 交絡バイアス
症例対照研究の利点と欠点
コホート研究を利用した症例対照研究
11.コホート研究(前向き研究)とは
概要
研究の進め方
研究遂行上考慮すべき条件
解釈における注意点
12.介入研究
定義と特徴
研究参加者に関する留意事項
● インフォームド・コンセント
● 研究参加者の条件
無作為割り付けとブラインド法(目隠し法)
● 無作為割り付け
● ブラインド法(目隠し法)
効果判定
● 疾病の罹患率(死亡率)
● プログラムの実行状況・危険因子の変化
地域介入研究
介入研究の例
● multiple risk factor intervention trial(MRFIT)
● North Karelia Project
13.因果関係
関連の種類
因果関係の判定
14.交絡因子
交絡因子とは
交絡因子の調節方法
15.疫学で用いられる統計学的方法とその解釈
疫学データの整理
● 疫学データの性質
● 母集団と標本
● データの分布
● データを要約する
● 割合と率
推定と検定
● 点推定と区間推定
● 検定
2種類のデータの関連
● 相関係数
● 回帰分析
● 分散分析(一元配置分散分析)
● 2×3分割表以上のχ2検定
高度な分析方法
● 重回帰分析
● 二元配置分散分析
● 共分散分析
● 多重ロジスティック分析
● 生存分析
16.疫学研究と倫理
研究者が守るべき基本原則
個人情報保護
● 個人情報保護のための体制づくり
● 情報収集
● 情報管理
● 情報破棄
インフォームド・コンセント
● 質問票
● 検診データ
● 既存データ
● 診療記録
● 血液などの生体由来試料
● 以前に採取された血液などの生体由来試料
● 公的に収集された資料の目的外使用
研究結果の発表
がん登録
介入研究
倫理審査委員会
内容説明
本書は、図や表をできるだけ多く使い、具体的な事例を示し、やさしい表現を用い、「誰にでもわかる疫学」を志向した。しかも、疫学の研究者でない限り、保健・医療従事者にとって必要にして十分な知識と技能を学べるようにした。
目次
疫学とは何か
疾病の発生原因解明の追究までの流れとその関連事項
疫学で用いられる指標
疫学研究を始める前に
スクリーニング
疫学研究方法の種類とその原因究明の手順
記述疫学
分析疫学
横断研究と生態学的研究
症例対照研究(後向き研究)
コホート研究(前向き研究)
介入研究
因果関係
交絡因子
疫学で用いられる統計学的方法とその解釈
疫学研究と倫理