出版社内容情報
《内容》 アメリカ医学教育の良さを取り入れながら日本独自のシステム構築を目指す総合診療教育に携わる著者が,臨床現場で必要とされる臨床能力:医療面接,身体診察の仕方,診療録の書き方など,また良好な医師患者関係を築くための考え方・その方法,EBM,臨床判断学などについて具体的にわかりやすく解説.臨床能力の向上に最適なガイドブック.
《目次》
【内容目次】
第1章 臨床能力
1 臨床能力の構成
2 知識
3 情報収集能力
4 総合的判断能力
5 技能
6 態度
第2章 Evidence-based Medicine(EBM)
1 EBMの定義
2 EBMの手順
3 眼前の患者での臨床上の問題点を抽出
4 問題点を扱った最新最良の情報を検索
5 得られた情報の批判的評価-妥当性の評価-
6 得られた情報の批判的評価-重要性の評価-
7 その情報を眼前の患者に適用できるか?
第3章 医療面接
A 医療面接とは
1 医療面接の構成
B 患者から正確なデータを得るための技能
1 患者から正確なデータを得るためには
2 自由質問法(open-ended questions)
3 促進(facilitations)
4 明確化と方向づけ(clarification,direction)
5 確認(checking)
6 「ほかに何か?」(“What else?”)
7 正確なデータを得るための医療面接の流れ
C 医師患者関係
1 よい医師患者関係による効果
2 医師患者関係をよくする方法
3 患者とのよいラポールを確立する
4 患者中心の医療
5 患者教育
D 医師患者関係をよくするための技能
1 医師患者関係をよくするための医療面接技能
2 患者に共感(empathy)する医療面接
3 患者を尊敬(respect)する医療面接
4 誠実さ(genuineness)のある医療面接
5 患者中心の医療を行うこと
6 患者教育と治療への動機づけ
E 非言語的コミュニケーション
1 非言語的コミュニケ-ションとは
2 触れること
3 身体の位置,姿勢
4 外見
5 顔
6 眼
7 手,腕,足
8 どのように話すか
第4章 身体診察
1 バイタルサイン
2 頭頸部の診察
3 肺の診察
4 心臓の診察
5 乳房の診察
6 腹部の診察
7 神経の診察
8 身体診察の流れ
第5章 診療録の書き方
1 Problem-Oriented Medical Record(POMR)
2 POMRの構成要素
3 包括的な病歴(comprehensive history)
4 身体診察(physical examination)
5 臨床検査や画像の結果
6 問題リスト(problem list)
7 アセスメント(assessment)
8 プラン(plan)
9 経過ノート(progress note)
10 POMR記載のうえで注意すべきこと
第6章 臨床判断学
A 診断にいたるまで
1 診断にいたるまでの流れ
2 疾患の確率
3 第一に検証すべき仮説は?
4 その他の検証のコツ
5 医療面接における臨床判断
6 身体診察における臨床判断
B 臨床判断を揺るがす心理規制
1 代表を使ったヒューリスティック(representativeness heuristic)
2 利用できやすさによるヒューリスティック(availability heuristic)
3 固定と補正によるヒューリスティック(anchoring and adjustment heuristic)
C 検査の臨床判断学
1 事前確率と事後確率
2 事前確率と事後確率の関係
3 検査の感度と特異度について
4 行いたい検査が複数ある場合
5 治療閾値(treatment threshold probability)
6 検査すべきか否か
7 期待効用値(expected utility)
8 治療をするまたはしない期待効用値に影響を与える因子
9 検査をする期待効用値に影響を与える要因
D 臨床判断分析
1 臨床判断分析の原則
2 臨床判断分析の手順
3 判断樹の作成
4 各選択肢の期待効用値の算出
5 期待効用値がもっとも大きくなる医療行為を選択
6 結論を評価するための感度分析を実施
第7章 心理社会的アプローチ
A 心理社会的アプローチとは
1 なぜ心理社会的アプローチか
2 心理社会的リスクのモデル
3 心理社会的リスクの評価方法
4 心理社会的リスクの対処方法
B 家族へのアプローチ
1 家族への4段階のアプローチ
2 家族にアプローチするための基礎的用語
3 ステップ1「家族図を書く」
4 ステップ2「家族のライフサイクルから,ストレスを予想する」
5 ステップ3「家族機能をスクリーニングする」
6 ステップ4「家族への基礎的な介入をする」
C 地域医療
1 行動科学的立場からの地域医療
2 Community-Oriented Primary Care(COPC)とは
3 COPCの対象
4 COPCにおける情報収集方法
5 COPCの問題解決方法
6 COPCのために必要なこと
第8章 臨床倫理
1 インフォームド・コンセント
2 患者の治療拒否
3 守秘義務
4 臨床倫理的思考
5 その他の臨床倫理的問題
第9章 患者教育
A 患者教育とは
1 情報の伝達
2 患者の考えを理解すること
3 交渉
4 LEARNの5段階
5 行動変容の原則
6 行動変容に向けての心の準備の段階
B 患者教育の実例
1 食生活について
2 運動について
3 肥満予防について
4 喫煙について
5 アルコールについて
6 ストレスについて
7 その他気をつけること
目次
第1章 臨床能力
第2章 Evidence‐based Medicine(EBM)
第3章 医療面接
第4章 身体診察
第5章 診療録の書き方
第6章 臨床判断学
第7章 心理社会的アプローチ
第8章 臨床倫理
第9章 患者教育
著者等紹介
竹村洋典[タケムラヨウスケ]
1961年東京都に生まれる。1982年早稲田大学理工学部中退。1988年防衛医科大学校卒業。1988~1990年防衛医科大学校病院卒後臨床研修(総合臨床医学)研修医。1991~1994年米国テネシー大学医学部家庭医療学科レジデント。1998~2001年防衛医科大学校病院総合臨床部助手。2001年~現在、三重大学医学部附属病院総合診療部助教授。米国家庭医療学会認定専門医(ABFP、FAAFP)、日本プライマリ・ケア学会指導医、日本内科学会認定内科専門医、米国ミシガン州医師免許・ペンシルバニア州医師免許。1998年医学博士(疫学)。1994年米国家庭医療学会・研究優秀賞。2000年日本プライマリ・ケア学会・学会誌優秀論文賞
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