出版社内容情報
《内容》 非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)は,解熱,鎮痛,抗炎症作用を併せもち,様々な領域で使用されている.各種疾患におけるNSAIDsの選び方と使い方を処方例を示して解説.また,歯科,副作用対策から新たに適応となった血栓予防,癌とアルツハイマーへの適応が模索中のCOX-2阻害薬まで言及.NSAIDsを使いこなせるようになる1冊.
《目次》
【主要目次】
1.作用機序
(1)薬理作用の基礎
(2)シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害
(3)COX-1とCOX-2
(4)COX阻害以外の機序
2.分類
(1)作用機序による分類
(2)化学構造による分類
(3)血中半減期による分類
(4)DDS(drug delivery system)による分類
3.選び方と使い方
A 適応症
(1)リウマチ性疾患・運動器疾患
a.リウマチ性疾患
b.運動器疾患
(2)疼痛性疾患
a.癌性疼痛
b.歯科領域
(3)発熱性疾患
a.感染症におけるNSAIDsの使い方
b.悪性腫瘍に伴う発熱に関するNSAIDsの使い方
(4)血栓性疾患
a.血栓性疾患における血栓
b.血小板血栓の形成機序
c.血栓症における抗血小板療法-アスピリン療法
B 適応外使用とそのエビデンス
(1)消化器疾患(大腸癌,家族性ポリポーシス)
a.大腸腫瘍発生に対するNSAIDsの影響
b.大腸腫瘍におけるCOX-2発現
c.大腸癌の発生と進展におけるCOX-2の関与の機構
(2)アルツハイマー病
a.なぜNSAIDsが注目されたのか
b.ADの脳内炎症仮説
c.NSAIDsによるAD治療
d.COX-2阻害薬によるAD治療
C 小児科領域の注意点
(1)解熱作用
(2)抗炎症作用-小児期のリウマチ性疾患への適用
(3)血小板凝集抑制作用-小児期の循環器疾患への適用
(4)動脈管閉鎖促進作用
D 高齢者での使用
(1)高齢者のPK・PDの特徴
a.PK
b.PD
(2)NSAIDs投与の留意点
E 妊婦・授乳婦での使用
(1)危険度の分類基準
(2)妊婦・授乳婦での使用の留意点
4.副作用の種類と対策
(1)上部消化管障害
a.NSAIDs潰瘍の危険因子
b.NSAIDs潰瘍の予防と治療
(2)小腸および大腸の粘膜傷害
(3)腎障害(急性腎不全・間質性腎炎)
(4)電解質への影響
(5)血圧と心不全への影響
(6)血球系への影響
(7)肝機能障害
(8)呼吸器系の障害
(9)皮膚症状
(10)その他
5.他薬との薬物相互作用
(1)薬物相互作用の分類
a.同じ作用
b.相反する作用
c.吸収阻害または促進
d.結合蛋白
e.薬物代謝/排泄
f.その他
(2)相互作用の対策