出版社内容情報
《内容》 上位頸椎部は,脳神経外科と整形外科の境界領域にあたり,その他にも神経内科や放射線科などの臨床各科が綿密に連携して治療を行う必要があるだけに,複雑な問題が存在する部位である.本書では,上位頸椎部に起こる多様な症候,疾患,外傷について,その病態のとらえ方を各科の役割分担を明確にして解説.この分野における治療の明確な指針となる一冊である. 《目次》 【主要目次】■1.総 論A.解 剖 1.ヒト脊髄の発生とその分子機構:実験動物からの外挿 2.上位頸椎の骨,筋,関節,靭帯,生体力学 3.脳・延髄と脊髄B.診 断 1.診断に必要な神経学,臨床症候学 2.画像診断 3.電気生理学C.治 療 1.上位頸椎疾患のインフォームド・コンセント 2.保存療法 3.手術療法 4.上位頸椎固定後の日常生活動作■2.各 論A.先天性疾患 1.後頭骨 2.環 椎 3.軸 椎 4.Down症候群 5.骨系統疾患 6.神経系疾患B.外傷性疾患 1.後 頭 2.環 椎 3.軸 椎 4.脊髄損傷 5.神経根損傷 6.軟部損傷C.炎症性疾患 1.慢性関節リウマチ 2.強直性脊椎炎 3.Grisel症候群 4.化膿性脊椎炎 5.結核性脊椎炎D.腫瘍性疾患 1.原発性脊髄腫瘍 2.脊椎腫瘍E.変性疾患 1.環椎後頭関節症および環軸関節症 2.透析性脊椎症(透析アミロイドーシスにともなう脊椎症) 3.歯突起後方偽腫瘍
内容説明
本書は総論で、上位頸椎部の発生解剖学、関連支持組織の生体力学、神経組織の解剖学的特徴を詳述している。診断に関しては、特異な神経学、臨床症候学および非外傷性病変と外傷性病変に分けられた画像診断、さらには電気生理学的検査法について詳細に述べている。また治療に関しては、一般的な保存的治療と手術的治療の概念と適応を紹介し、手術計画の立て方および除圧法と固定法を個々に説明している。各論では、先天性疾患、外傷性疾患、炎症性疾患、腫瘍性疾患、変性疾患に5大別し記述され、近年クローズアップされてきた上位頸椎部の椎間関節症、破壊性脊椎関節症および歯突起後方偽腫瘍についても言及している。いずれもイラストを多用しての視覚に訴える形式でat a glanceで理解しうるように工夫されている。
目次
1 総論(解剖;診断;治療)
2 各論(先天性疾患;外傷性疾患;炎症性疾患;腫瘍性疾患;変性疾患)
著者等紹介
戸谷重雄[トヤシゲオ]
慶応義塾大学名誉教授
冨永積生[トミナガセキオ]
前島根県立中央病院整形外科部長。島根県身体障害者更生相談所所長
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