目次
最初の声
元気の声
「斜め」の声
生の歌
動物をうたう
風土をうたう
季節をうたう
愛・恋・性
詩心をうたう
死
著者等紹介
亀井俊介[カメイシュンスケ]
東京大学名誉教授、文学博士。著書に『近代文学におけるホイットマンの運命』(1970年、日本学士院賞受賞)、『サーカスが来た!アメリカ大衆文化覚書』(1976年、日本エッセイストクラブ賞、日米友好基金図書賞受賞)『アメリカン・ヒーローの系譜』(1993年、大佛次郎賞受賞)、『アメリカ文学史講義』全3巻(1997‐2000年)、『有島武郎 世間に対して真剣勝負をし続けて』(2013年、和辻哲郎文化賞受賞)、『日本近代詩の成立』(2016年、日本詩人クラブ詩界賞受賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nobi
58
教員生活最後の1年間の大学院での講義を元にした英詩集。「魂の声」とは無論詩が放つ声だけれど、学生の前で講義する楽しみが無くなる寂しさを抱えた筆者自身の声とも感じる。誕生から死へとテーマ別14章32編の解説に、英詩と苦闘し醍醐味を味わってきた筆者の深い読みと想いが凝縮。最も多いのがE.Dickinsonの5編。その密やかでも奥行きと意外性のある詩とか、E.St.V.Millayの官能的な導入部から「孤影悄然」へと展開するような詩に惹かれる。付録の朗読聴くと、詩は黙読より声なんだと再認識。E.A.Poeとか。2021/07/31
ロビン
16
著者が勤めていた大学院の授業での講義を基にした英詩読本。ウィリアム・ブレイクからアレン・ギンズバーグまで多彩な英米の詩作品をメジャーなものからマニアックなものまで対訳で紹介している。タイトルに「魂の声」とはあるものの著者自身が詩人というわけではないからか、萩原朔太郎『詩の原理』にみられるような本質的な詩論ではなく、詩の理屈や技巧に拘泥せずに感覚的なものを大事にして詩を読もう、というくらいの主張であった。収録している詩の内容も熱い類のものやヒューマニズムを感じるものはなく、軽め。あくまでも英語で詩を読む本。2024/07/25