内容説明
本書は、さまざまな分野の人に語る文学史の入門であるから、専門家相手の本とはわけが違う。いろんな「見直し」運動にもかかわらずなお残るアメリカ文学の伝統を形成した作家や作品を系統的にとりあげ、社会や文化の展開と合わせながら、面白味や意味合いを具体的に伝えている。
目次
1 「金めっき時代」 リアリズムの勃興―産業化大陸国家のダイナミズム(「金めっき時代」の文化;詩心の内向エミリ・ディキンソン;地方色の文学;マーク・トウェイン;ウィリアム・ディーン・ハウェルズ;ヘンリー・ジェイムズ)
2 危機と革新 リアリズムの展開―世紀末とアメリカの危機(自然主義の先駆者;世紀の転換シオドア・ドライサー;シャーウッド・アンダソン;シンクレア・ルイス、その他)
3 アメリカ、世界へ向けて モダニズムの文学―繁栄と解放の文化(新しい詩、新しい劇;ロースト・ジェネレイション)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tieckP(ティークP)
4
米文学がヨーロッパに追いつき追いこす時代の作家を描いているので、前巻以上の迫力。それらの作家について伝記的知識を十分に紹介しつつ、軽快な語り口で、しかし個人の印象を述べる形で説明しているので、たんに気軽に手に取れる文学史として成立しているだけでなく、ある米文学者が生涯一冊のかたちでまとめた印象批評集として高く評価できる。アメリカの特徴を文明と自然の相克と定義し、人間性が描かれているのが傑作だとする陳腐な評価基準なのだが、その読みを亀井氏が生涯つらぬいたことでのノンフィクションの重みがそれを受け入れさせる。2018/03/12
さえきかずひこ
1
たいへんおもしろかったが、3週間以上かけて読み終えたので、内容をほとんど忘れた。しかしヘミングウェイを久しぶりに読みたくなった。読もう。2008/12/03
まろ
0
ほんとに面白い。第3巻を読むのも楽しみです。2013/04/13
慧
0
★★2002/08/07