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内容説明
若手論者たちを中心に時代をリードする若手作家にスポットをあてた作家論、ジャンルから探偵小説を読み解くテーマ論、それらの二つの論点から二十一世紀の探偵小説を精緻に辿り、探偵小説の転換点を論考する。
目次
第1部 作家論(構造を擬態する―西尾維新論;ファンタジー・プラグマティズム・見立て―辻村深月論;トリック・スタイル―北山猛邦論;How to do things with MAPs or unconsciousness.―米澤穂信論;プロット・スタイル―道尾秀介論;『ひぐらしのなく頃に』の二つの顔―竜騎士07論;ほんとうの出雲―桜庭一樹論;モナドロギーからみた“涼宮ハルヒの消失”―谷川流論;サバイバル・ゲームと本格ミステリの融合―矢野龍王論)
第2部 テーマ論(一九九六年以降の探偵小説ジャンル新人の輩出と動向;小説分析の地殻変動―『ファウスト』と文学的想像力;ライトノベルミステリの輪郭)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
トリプルアクセル
2
約10年前の評論集だが、色褪せていない論が多い。特に矢野龍王論は貴重。渡邉氏の評論の書き方だけが残念。2017/07/02
たなと
1
北山猛邦論が目当て。最初の4ページ北山猛邦関係ないし。それはともかく、ネタバラシするならどの作品についてどれくらいネタバラシするってあらかじめ書いておくのがミステリ批評のお約束じゃないの?この本はそれが守られていないのが不満。2012/08/19
まっち
0
『刀語』という題名からparadigmaticな対立として「刀ではないもの」を登場させる西尾の魅力という点でいえば、ルイス・キャロルが「笑わない猫はいるが、猫がいない笑いはない」ということから造形したチェシャ猫も同じものかなとふと思った。神話AI。■米澤穂信論でのフロイトの援用は、正当な論理なのか濫用なのか僕には理解しかねたが、面白い記述が多かった。ただ「キャラには癒し効果があり快感原則が機能しているから、キャラと無意識は関係性が深い」というのは色々語ったあげく、結局内容がないのと一緒ではないだろうか。2015/12/07
fantamys
0
ゼロ年代に大きな変容を見せたミステリー小説について。勇気をもってこのジャンルの批評に挑んだ各著者に脱帽。2013/04/17
あんすこむたん
0
「桜庭一樹論」「矢野龍王論」など興味のあるものもあったが、全体としては退屈。それでも「批評をめぐる諸問題」で笠井潔さんがうまくまとめている。2012/10/25