内容説明
わが国独占禁止法がその地位を確立したのは、寡占化等を規制し、法の運用強化を意図した昭和52年の改正である。本書は、この法律の真の目的を理解するため、人類史上「私有財産」をめぐる「競争」と「独占」の葛藤がいかに解決されてきたかを、第1編で解明。第2編各論においては、現行規定の中から、特に重要と思われるものをとりあげ、その解釈をめぐる学説を概観し、公正取引委員会および裁判所の立場に言及し、その評価を試みた。
目次
第1編 反独占法制の背景(競争と独占;経済と法規制;ヨーロッパの反独占法制史;アメリカの反独占法制史;独占禁止法制の沿革と変遷)
第2編 各論(独占禁止法の目的・基礎概念;私的独占および企業集中の規制;カルテルの規制;不公正な取引方法の規制;適用除外;独占禁止法の実現手段)