内容説明
『日本交通学会賞』受賞論文集に大幅な加筆補正を行い、「第二次世界大戦後、とりわけ1950年後期から1990年半ばまでのおよそ40年間にわたる、アメリカ合衆国の都市間1級諸鉄道を中心とする鉄道業および鉄道政策」の政治経済学的研究をまとめたものである。
目次
序章 研究の視角
第1章 第二次大戦後における全米都市間1級諸鉄道の衰退
第2章 マス・トランジットの経営問題
第3章 都市間1級請鉄道の経営危機と資本蓄積・輸送サービス
第4章 連邦政府の都市間旅客鉄道輸送政策
感想・レビュー
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bunbunsakusan
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「アメリカ鉄道業の衰退の原因は、何よりもまず、鉄道経営自体に求めなければならない。(中略)鉄道業はその輸送サービス供給能力の相対的な非柔軟性のため、有効な輸送水準を提供することができなかった。鉄道業衰退の第2の原因は、同国の経済諸政策、とりわけ国家独占資本主義的財政スペンディング政策と、それがもたらすインフレーション政策によるものである。(中略)鉄道の輸送原価が増大し、それは、主として道路輸送諸機関との競争のために強いられる低位の運賃水準と相まって、鉄道の経営を脅かすことになったのである」(p.58)2021/12/08