出版社内容情報
条件付保守主義にかんして、よく使われるBasuモデルを批判の対象とし、分析手法の統計的、計量経済学的問題に関心を向けつつ、バイアスの影響を受けにくい結論を導いた。
内容説明
本書が主題とする条件付保守主義の計測にかんして、巷間広まっているBasuモデルを疑うことから、本書の研究はスタートする。条件付保守主義の計測手法は、「株式リターンを被説明変数、会計利益を説明変数とする価値関連性(Value Relevance)の研究」をふまえつつ、被説明変数と説明変数を入れ替えるところから始まった。Basu論文の公表からすでに四半世紀が経っているが、私はこの間、一度たりともBasuモデルによる条件付保守主義の計測に納得したことがない。Basuモデルによる計測値はバイアスの影響を受けている。このバイアスの正体をつきとめたことが、本書をまとめる重要な契機となった。
目次
序章 本書の概要
1 BasuモデルによるOLS推定値の歪み(Basuモデルにおける条件付保守主義の前提;Basuモデルに批判的な先行研究 ほか)
2 屈折した回帰線とバイアス(ノイズのある独立変数;Skewedノイズの影響―歪んだ鏡 ほか)
3 Basuモデルの妥当性(問題意識と研究主題;構造方程式モデルによる反応係数の推定 ほか)
4 保守主義の計測(問題意識と研究主題;先行研究の問題点(その1) ほか)
著者等紹介
大日方隆[オビナタタカシ]
1990年東京大学大学院経済学研究科単位取得退学。2008年東京大学大学院経済学研究科教授となり、現在に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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