出版社内容情報
税理士が税法と向き合うために条文の「書き手」の約束ごとを知り、「読み手」としての自らを客観視する視点を学び、「使い手」の思考を辿ることでその解釈力を鍛える一冊。
内容説明
税法は、世間で、「一読して難解、二読して誤解、三読して混迷」といわれているように、各種の法令の中でも、最もむつかしいものの一つとなっている―四読するのを諦め、解説書に頼りたくもなるところですが、租税法律主義のもとでは、条文と正面から向き合うことを避けて通ることはできないといえます。もし、税法条文の解釈力を高める方法があるとすれば、それは、(1)条文の「書き手」の約束ごとを知り、(2)条文の「読み手」が自らの読み方を客観視する視点を学び、(3)条文の「使い手」の思考を追体験することではないかと考えるに至りました。このような考えのもと、本書は、第1章 租税法における概念、第2章 法令解釈の方法、第3章 最高裁判決にみる税法解釈のあり方、第4章 法令用語のルールという構成で、「税法解釈の作法」を解説します。
目次
第1章 租税法における概念(総論;借用概念 ほか)
第2章 法令解釈の方法(総論;文理解釈 ほか)
第3章 最高裁判決にみる税法解釈のあり方(住所国外移転事件―規定の文理を忠実に解釈したもの;ホステス報酬計算期間事件―規定の文理を忠実に解釈したもの ほか)
第4章 法令用語のルール(「及び」「並びに」「又は」「若しくは」「たすき掛け」;「推定する」「みなす」 ほか)
著者等紹介
稲見誠一[イナミセイイチ]
デロイト トーマツ税理士法人 テクニカルセンター シニアアドバイザー。税理士。デロイト トーマツ税理士法人に入社後パートナーとして事業承継部門長、テクニカルセンター長、審理室長、東京事務所長、副理事長を歴任し、2016年12月1日よりテクニカルセンターのシニアアドバイザーとして、税務訴訟研究を通じて教育研修業務に従事している
梅本淳久[ウメモトアツヒサ]
デロイト トーマツ税理士法人 テクニカルセンター シニアマネジャー。元国税審判官・公認会計士・米国公認会計士。司法書士試験合格。デロイト トーマツ税理士法人に入社後、税務申告業務、国際税務コンサルティング業務を経験し、現在は、法令解釈や判例分析に基づく相談業務や教育研修業務などに従事している。民間専門家として、国税審判官(特定任期付職員)に登用され、審査請求事件の調査・審理を行った経験を有する。京都大学理学部卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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