出版社内容情報
非財務情報開示の基準化へ向けたプロセスが進む中、E(環境)、S(社会)、G(ガバナンス)の視点から開示すべき非財務情報の候補について実証分析を通じて探究。
内容説明
本書は、非財務情報開示の基準化へ向けたプロセスが進んでいる現状を前提に、開示すべき非財務情報の候補について、実証分析を通じて探究することを目的としている。その手がかりとして「ESG投資」という用語に着目し、E(環境)分野の情報として温室効果ガス排出量および関連する活動に関する情報、S(社会)分野の情報として従業員給与および租税回避の程度に関する情報、そしてG(ガバナンス)分野の情報として定時株主総会の活性化、について分析をおこなっている。研究者・大学院生に有益であることはもちろん、開示制度の設計に携わる方々、開示に携わる実務家やその情報を利用する投資家の方々にも示唆が得られるように、分析結果の解釈においてできる限り平易な表現を用いて究明している。
目次
企業価値評価における非財務情報の有用性
第1部 実証分析の準備―非財務情報開示制度の変遷と現状、分析モデル、予備的分析(非財務情報の開示基準の変遷と現状;会計情報の役割、検証モデル、予備的分析)
第2部 E(環境)に関する非財務情報(温室効果ガス排出量と企業価値;企業の環境対策へのコミットメントと企業価値 ほか)
第3部 S(社会)に関する非財務情報(従業員関連情報と企業価値;給与水準と企業価値 ほか)
第4部 G(ガバナンス)に関する非財務情報(定時株主総会の役割と現状;長時間総会を開催した企業の特徴とその後の収益性―1990年代の定時株主総会に関する分析 ほか)
本書のまとめと残された課題、そして非財務情報開示の基準化へ向けて
著者等紹介
大鹿智基[オオシカトモキ]
早稲田大学商学学術院教授。博士(商学)(早稲田大学)。1976年東京生まれ。1998年早稲田大学商学部卒業、2000年早稲田大学大学院商学研究科修士課程修了。2000年より早稲田大学メディアネットワークセンター助手、2001年より2002年までシカゴ大学経営大学院留学、2004年早稲田大学大学院商学研究科博士後期課程単位取得、2016年2月早稲田大学より博士(商学)受領。2004年より早稲田大学商学部専任講師、2007年より同准教授、2014年より現職。2010年9月~12月香港理工大学客員研究員、2011年1月~3月南洋理工大学客員研究員、2017年4月~9月INSEAD客員研究員、2018年2月~2022年6月エジプト日本科学技術大学客員教授、2022年10月~2023年3月國立政治大學客員研究員を務める。日本管理会計学会常務理事、学会誌常任編集委員、中小企業診断士試験委員を歴任。現在、日本会計研究学会評議員、国際交流委員会副委員長、日本経済会計学会理事、学会誌編集委員など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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