出版社内容情報
利益最大化経営がかえって経済成長を阻む成熟経済社会のアポリアとは何か。持続可能な成長のための新たな会計モデルとは何か。岸田政権分配政策に影響を与える著者渾身の書。
内容説明
失われた30年で「利益」は急増している。―問題は生産性にあるわけではなく、株式市場(制度)の逆機能にある。成熟経済社会が深化する日本では、個別企業の“株主”利益最大化は、費用カットの名の下で、他のステークホルダー“役員・従業員・事業(再投資)等”への分配を削り取る。その結果、国全体で生産される付加価値合計(GDP)は増加せず、持続可能な成長が阻害されている。旧来の資本主義モデルにおける利益最大化経営で「ヒト」への投資が犠牲となり、行き過ぎた株主還元により、成長の原資もままならない状態に陥っているのだ。この構造上の問題=アポリアを打破するために「新しい資本主義」はどうあるべきか。この問題に、長年オックスフォード大学で教鞭を執り、帰国後も岸田政権等に影響を与える筆者が真正面から答え、新しい会計(Account+ing)=DS経営モデルを提唱し、付加価値の適正分配による日本再興の実現を説く。
目次
第1章 「新しい資本主義」の意味:本書の目的と方法
第2章 「新しい資本主義」はなぜ「分配」に注目するのか
第3章 「分配」戦略の前提としての「成熟経済社会」とは
第4章 DS経営・経済モデル:「付加価値分配計算書」の活用
第5章 シミュレーション1 マクロ・経済社会へのインパクト
第6章 シミュレーション2 就活生―従業員・投資家・役員・事業の行動変化
第7章 DS経営の実践に向けて:関係者の役割・動向
終章 成熟経済社会のアカウンティング:次世代のウェルビーイングのために
著者等紹介
スズキトモ[スズキトモ]
オックスフォード大学博士・元教授。早稲田大学教授/一般財団法人アライアンス・フォーラム財団公益資本主義研究部門エグゼクティブフェロー。公認会計士第3次試験合格。大手監査法人にて監査や上場準備を経て、LSE(London School of Economics and Political Sciense)にて「社会科学哲学(修士号)」、オックスフォード大学にて「会計・経済の哲学(博士号)」を取得。そのまま同大学主任教授(サステナビリティ・マネジメントと会計学)を務めた。在英20年後、特殊疾病手術のために渡日、早稲田大学にて復職。現在、成熟経済社会における市民のウェルビーイングと持続可能な発展についての研究を進める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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