内容説明
地球温暖化防止は、政府の呼びかけだけでは達成されず、企業や市民の活動・協力・意識改革が必要である。そうした社会を実現するための活路として非営利組織活動が期待される。しかし非営利組織の多くは財務的基盤の脆弱性という問題を抱えている。非営利組織の会計は法人の形態によって会計基準や財務報告手法が異なり、比較可能性や理解可能性を阻害し、各非営利組織の資金獲得を困難にしている主な要因の1つとなっている。本書では、企業会計と非営利組織会計の最大の違いである“純利益”と“純資産”に関する概念を明確にして、一般化することへの道筋を検討・提言するものである。
目次
序章 研究の意義・目的・方法と研究対象
第1章 提供すべき情報と純資産の区分
第2章 拘束概念の適合性評価
第3章 アンソニー概念フレームワークと非営利組織会計観
第4章 非営利組織における純利益測定の意義
第5章 非営利組織会計における利益測定法―アンソニー概念とFASB概念を融合した2段階分類法の提案
第6章 JICPA非営利組織会計概念・モデル基準の検討
第7章 非営利組織財務報告の基礎概念―JICPAモデルとアンソニー・FASB融合モデルとの比較検討
結章 総括および今後の課題と展望
補章 アンソニー会計概念を取り入れた営利・非営利統一の会計制度構築―利子コストの会計処理を中心として
著者等紹介
日野修造[ヒノシュウゾウ]
中村学園大学流通科学部教授。1963年福岡県生まれ。福岡大学商学部商学科卒業。北九州大学大学院経済学研究科修士課程修了。京都大学大学院経済学研究科経済学専攻博士課程後期修了。京都大学博士(経済学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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