内容説明
金融商品取引法は「分かりづらい」法律だと言われます。それは、金融機関向けの条文と、一般的な事業会社に向けた条文が混在しているからです。本書は、金融商品取引法のうち、一般的な事業会社が、企業法務として日常業務で必要な箇所のみを抽出し、シンプルに解説しています。第2版では、「フェア・ディスクロージャー・ルール」導入や大量保有報告制度の改正などを反映しています。
目次
第1章 金融商品取引法の全体像
第2章 発行開示規制
第3章 継続開示規制
第4章 公開買付規制
第5章 大量保有報告規制
第6章 フェア・ディスクロージャー・ルール
第7章 インサイダー取引規制
第8章 課徴金
第9章 民事責任
著者等紹介
宮下央[ミヤシタオオ]
2004年弁護士登録。TMI総合法律事務所パートナー弁護士。主な取扱分野はM&A・組織再編、コーポレート・ファイナンス、課徴金・インサイダー取引規制をはじめとした法令違反事件の対応、会社法・金融商品取引法全般。2007年から2010年まで任期付公務員として金融庁に在籍し、公開買付制度、課徴金事案等を担当。著作多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ざぼ
12
読む時期、難易度、全て今の自分にピタリの本。仕事上、短信や適時開示は1日何十社と目を通す。金商法も会社法も毎日お世話になっているが、今般体系的に学ぶことで抜け漏れを上手くカバーできた。金商法開示と取引所開示の重複感は確かに煩雑。一本化できないものか。しばらく手元に置いてバイブルとして読むことになると思う。高評価は以下3点。①企業法務に特化して条文が抜き出されるので理解すべきポイントが明確 ②法律と実務のズレについて指摘がなされ、その成立背景の説明も豊富 ③現行法律の問題点やどう変えていくべきかの示唆も的確2021/10/24
nekozuki
8
金商法について、企業法務向けに主に開示規制にフォーカスしてまとめた本。業規制についてはこれまで触れる機会が多かったものの、開示規制について実務で確認することがなかったためほとんど理解できていなかったが、本書で全体感が理解できた。2022/06/13
ちくわ
5
事業会社の人が金商法を学ぶ際の入門書。金商法というと条文の構造や条文それ自体がかなりややこしく、一読して内容を理解するのはかなり厳しいと個人的には思う。そのような中で、本書は、「事業会社における法務」のためとそのターゲットを絞り、それに応じて、学ぶ対象もかなり絞っている点が大きな特徴だと思う。構成としては、発行開示規制、継続開示規制、公開買付規制、大量保有報告規制、FDルール、インサイダー規制の大まかな内容を掴むというものになっている。まず全体像を知るという用い方として読む本だと思う。2021/09/09