出版社内容情報
子会社が舞台の企業不祥事が頻発している。本書では、グループ経営における親会社取締役の義務・責任および近年の会社法改正で創設された多重代表訴訟の諸問題を論究する。
内容説明
現代の経済社会では、規模の大小を問わず、親会社・子会社・兄弟会社からなる企業グループによる経営が主流となっている。反面として大企業の不祥事では、国内外の子会社が舞台となり発生する事例が、次々と明らかになっている。本書では、特に親会社取締役の義務・責任を中心のテーマとし、法改正のプロセスにおける議論の分析から最新の判例の検討までを行う。「企業価値向上」「子会社の少数株主・債権者保護」「内部統制システム」「競業避止義務」「利益相反」「多重代表訴訟」など、各章ごとに主要論点を取り上げる。
目次
第1章 企業価値向上に対する親会社取締役の責任
第2章 子会社の少数株主・債権者保護と親会社・取締役の責任
第3章 内部統制システムに関する親会社取締役の責任
第4章 企業グループにおける取締役の競業避止義務と責任
第5章 会社間の取引における取締役の利益相反取引と責任
第6章 完全子会社の役員等の責任の免除
第7章 企業グループにおける多重代表訴訟の概括的検討
第8章 多重代表訴訟における最終完全親会社等の損害要件
著者等紹介
畠田公明[ハタダコウメイ]
1953年福岡県生まれ。1976年福岡大学法学部法律学科卒業。1982年福岡大学大学院法学研究科民刑事法専攻博士課程後期単位取得満期退学。1998年福岡大学法学部教授。2004年福岡大学大学院法曹実務科法務専攻(専門職学位課程)教授。現在、福岡大学法学部教授、博士(法学)。米国カリフォルニア大学バークレー校ロー・スクール客員研究員(1991~92年)、米国コロンビア大学ロー・スクール客員研究員(2001~02年)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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