内容説明
本書では、平成31年度税制改正により我が国の移転価格税制において導入されることとなった無形資産取引への所得相応性基準を背景とした価格調整措置について、移転価格税制に係るBEPS最終報告書の勧告を確認し、米国における独立企業原則との整合性の議論と、我が国での導入における論点を分析した上で、今後の課題としての包括的な救済措置の要請について検討しています。
目次
第1章 所得相応性基準を背景とした価格調整措置の導入(無形資産取引に係る移転価格税制の改正;BEPS対抗措置としての無形資産取引への移転価格税制の適用)
第2章 無形資産取引に係る移転価格税制と価値創造の一致(BEPSにおける超過利益の移転に係る問題提起;移転価格税制と価値創造の一致)
第3章 移転価格税制における所得相応性基準に係る議論(米国における無形資産取引への移転価格課税;BEPSへの対抗措置としての所得相応性基準に係る議論)
第4章 評価困難な無形資産取引に係る価格調整措置の導入における論点(所得相応性基準を背景とした価格調整措置に係る議論;移転価格税制上の対象となる無形資産の明確化;独立企業間価格の算定方法の整備;評価困難な無形資産取引(特定無形資産取引)に係る価格調整措置の導入)
第5章 今後の課題(包括的な救済措置の要請)(二重課税の可能性;二重課税の排除;BEPS防止措置実施条約によるマルチでの救済)
著者等紹介
角田伸広[ツノダノブヒロ]
KPMG税理士法人パートナー。法学博士、経営法博士、税理士。国税庁において国際業務課長及び相互協議室長等、東京・大阪国税局において課税第1部長、調査第1部長及び国際情報課長等を歴任し、二重課税回避、情報交換、移転価格調査及び事前確認等の企画・立案・実施・管理等を行う。OECD租税委員会及びUN国際租税協力専門家委員会においてOECDモデル租税条約、移転価格ガイドライン、UNモデル租税条約及び移転価格実務マニュアル等の改訂・策定の議論に参画。2013年KPMG税理士法人に入所(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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