内容説明
格付機関が行う格付は、投資家の判断要素の一つとして定着したものとなっている。しかし、2008年にリーマン・ブラザースが破綻を迎えるまで高い格付を維持していた事実もある。そのような現実に目を向けて、本書では格付機関の役割と誤った格付に起因する投資家の損失に対する民事的な責任について論究するものである。米国における格付機関の発生・発展から説き起こし、著者が比較法の対象とするEU・ドイツでの法規制と紛争への司法判断について検討する。
目次
第1編 序論
第2編 格付機関の歴史的生成過程
第3編 格付機関の役割と法的規制
第4編 EU法における格付機関の民事責任規制の法的根拠
第5編 EUの主要構成国における格付機関に対する民事責任規制
第6編 格付機関に対する損害賠償の訴えと国際裁判管轄
第7編 格付機関の格付に対する信頼と金融機関の取締役の責任―ドイツにおける経営判断原則との関係において
第8編 結語
著者等紹介
久保寛展[クボヒロノブ]
1973年生まれ。1996年京都産業大学法学部卒業。2000年ドイツ学術交流会(DAAD)の奨学生としてドイツ・ハンブルク大学法学部に留学(2001年9月まで)。2003年同志社大学大学院法学研究科博士後期課程修了。博士(法学)(同志社大学)。現在、福岡大学法学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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