内容説明
本書は、会計情報の役割を共通の分析モデルを用いて体系的に説明しようとするものである。ただし、情報有用性の視点を基軸にしているからといって、昨今の時価会計や公正価値会計の有用性を主張しようとするものではない。取得原価をベースとする発生主義会計によってこそ会計本来の情報伝達機能が発揮でき、そこに他の情報源に対する会計の比較優位性が求められるというのが、本書の基本的スタンスである。著者たちの発生主義会計へのこだわりは、情報内容パースペクティブ、換言すれば、情報伝達を会計目的と認識し、会計を数ある情報源の1つとして捉える考え方から生まれており、価値測定を会計目的とする考え方と一線を画する会計目的観である。
目次
第1部 基礎(報告を行う組織;古典的な基礎;会計の基礎;情報のモデル化;個人レベルでの情報の利用;情報チャネルとしての会計システム)
第2部 情報内容(価値評価の設定における情報;価値評価の設定における会計情報;価値評価の設定における会計情報と非会計情報;経営者との契約における情報;経営者との契約における追加情報;利用目的間の対立)
第3部 比較優位性(認識;監査された発生項目の情報内容;条件付認識;異時点間の発生項目;1期間内の発生項目)
第4部 エンド・ゲーム(制度的考察;専門家としての機会と責任)
著者等紹介
クリステンセン,ジョン・A.[クリステンセン,ジョンA.][Christensen,John A.]
現在、南デンマーク大学(オーデンセ)の会計学教授。オーフス大学(デンマーク)で数学と経済学のM.Sc.学位を取得し、スタンフォード大学でPh.D.学位を取得。Decorated Knight of the Order of Dannebrogの勲位をもち、ヨーロッパにおけるPrice Waterhouse Coopers Doctoral Colloquiumのチェアマンを務めている
デムスキ,ジョール・S.[デムスキ,ジョールS.][Demski,Joel S.]
現在、フロリダ大学の会計学のFrederick E.Fisher Eminent教授。ミシガン大学でB.S.E.とM.B.A.の学位を取得し、シカゴ大学でPh.D.学位を取得。著書に、Managerial Uses of Accounting Information(1994)など。1986年にAAA Outstanding Educator Awardを受賞し、1994年にはAAA Seminal Contribution Awardを受賞。オーデンセ大学から名誉博士を受ける。2000年には会計殿堂入りし、2001‐2002年にアメリカ会計学会会長を歴任
佐藤紘光[サトウヒロミツ]
早稲田大学社会科学総合学術院教授。公認会計士第2次試験委員(平成15年~17年)
奥村雅史[オクムラマサシ]
早稲田大学商学学術院教授
川村義則[カワムラヨシノリ]
早稲田大学商学学術院助教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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