内容説明
資本は、会社法の成立により、資産と負債の差額である「純資産の部」へと大きく変貌した。負債は、経済的便益との交換関係にあるとされるが、その認識・測定は非常に難しい領域である。また最近では、オプションを組み込んだ負債・証券や持分証券が増え、新株予約権というコール・オプションが企業買収の手段として、インセンティブ報酬のストック・オプションとして、貨幣の代用として使われ始めている。本書の目的は、このような状況にある資本と負債とデリバティブについて、ともすればバラバラになりがちな会計3要素の関連性を見出すことにある。第1部では資本会計の制度と実務を、第2部では負債会計の基礎概念と実務を、第3部ではデリバティブ会計の基礎からヘッジ会計、外貨換算会計、ストック・オプション会計を扱っている。最後に終章では、資本と負債の区分問題に触れ、資本・負債・オプションの新たな関連性について総括している。
目次
「実学」としてのアカウンティング
第1部 資本の会計(会社法による資本会計;資本会計の実務課題)
第2部 負債の会計(負債会計の基礎概念;負債会計の実務課題)
第3部 デリバティブの会計(デリバティブ会計の基礎;ヘッジ会計の有用性とその限界;外貨換算会計;ストック・オプション会計の進展と論点)
資本と負債とオプション
著者等紹介
藤田敬司[フジタタカシ]
1963年京都大学経済学部卒業。三井物産(株)、日本ユニシス(株)を経て、2002年立命館大学経営学部教授、2006年より、同大学専門職大学院経営管理研究科教授。京都大学博士(経済学)。元企業会計審議会幹事・臨時委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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