内容説明
2002年8月に公表された『固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書』は、デフレ経済下で多額の含み損を抱える企業の経営に大きなインパクトを与えるものである。本基準においては、将来キャッシュ・フローの見積り、割引率の算定、資産のグルーピングなど実務的に難しい判断を迫られるものが多く盛り込まれており、その取扱いが注目されていたところ、2003年10月に公表された『固定資産の減損に係る会計基準の適用指針』により具体的な処理方法が示され、制度の詳細まで明らかになった。本書は、本基準および適用指針について図解・設例を交え、国際的動向まで踏まえ体系的に解説する。
目次
減損会計の基本的な考え方
減損会計基準設定の経緯
減損損失の認識と測定
将来キャッシュ・フローの見積りと割引率
資産のグルーピング
共用資産の取扱い
のれんの取扱い
減損処理後の会計処理
財務諸表における開示
ファイナンス・リースの取扱い
著者等紹介
辻山栄子[ツジヤマエイコ]
1971年早稲田大学商学部卒業。1976年東京大学大学院経済学研究科博士後期課程修了。博士(経済学・東京大学)。茨城大学人文学部助教授、武蔵大学経済学部教授等を経て2003年4月から早稲田大学商学部教授。現在、金融審議会委員、企業会計審議会委員、企業会計基準委員会委員、国税審議会税理士分科会長、国際会計基準審議会(IASB)基準諮問会議委員、政府税制調査会特別委員などを務める
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