内容説明
本書の特徴のひとつは、原価企画研究の包括的な文献レビューを通じて、残された課題を明らかにするとともに、その重要課題のひとつである原価企画の成功要因について実証的に検証することである。また、その際に、組織能力という概念に注目している。もうひとつの特徴は、原価企画能力が設計担当エンジニアのバーンアウト(燃え尽き症候群)に及ぼす影響にも焦点を当てたことである。持続的競争優位のためには、原価企画能力を高めることで開発・設計業務を支援し、創造的な活動を通じて設計目標を達成していく必要がある。このことを実証的に示すために、製品開発業務に携わる393名の設計担当エンジニアの方を対象にした郵送質問票調査を実施した。
目次
第1章 原価企画研究の系譜(原価企画の生成・発展と研究意義;80年代までの原価企画研究 ほか)
第2章 組織能力研究の展開(組織能力研究の背景;資源ベース・アプローチ ほか)
第3章 原価企画に関する組織能力モデルの構築(概念的フレームワーク;原価企画に関する組織能力 ほか)
第4章 原価企画に関する組織能力の分析(分析フレームワークと仮説の提示;概念の操作化 ほか)
著者等紹介
吉田栄介[ヨシダエイスケ]
1968年大阪府に生まれる。1995年龍谷大学経営学部卒業。2000年神戸大学大学院経営学研究科博士後期課程修了。博士(経営学)の学位取得。同年、近畿大学商経学部講師。2002年慶応義塾大学商学部専任講師、現在に至る。1998‐2000年日本学術振興会特別研究員
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。