内容説明
政府会計の改革は、企業会計の適用による効率化とか、ストック情報を含む財政情報開示による住民へのアカウンタビリティの向上とされ、両者の方法論と解説を中心に語られることが多い。しかし、なぜ企業会計を適用すると効率が改善するのか、また、財政情報の開示が住民や議会の意思決定の改善にどのように寄与し、資源配分の改革に結びつけるかの説明がない。会計と目的の「失われたつながり」を回復し、新しい政府会計像を打ち立てようとするのが本書のねらいである。
目次
第1部 政府会計改革の理論(政府会計の発展の多様性と共通性;会計システムの変革モデル;会計システム改革の国際的動向 ほか)
第2部 政府会計と経理(ストックの管理と政府会計;政策評価と予算・会計;政府の経営と管理会計 ほか)
第3部 政府会計と監査・評価(政府監査の機能と効果;政策評価と会計監査;政府監査と行政改革―米国のGAOを例にして ほか)
著者等紹介
山本清[ヤマモトキヨシ]
1953年生まれ。京都大学工学部卒業後、会計検査院に勤務。東京工業大学大学院に研修派遣。その後学界に転じ、小樽商科大学、岡山大学を経て現在、国立学校財務センター研究部教授。専攻は政府の経営学・会計学、大学財務運営論。学会・社会活動として、地方自治研究学会理事、国際公会計学会常務理事、総務省政策評価・独立行政法人評価委員会専門委員など
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