内容説明
エフェクチュエーションの概念は、「原因と結果」の性質について、社会科学において長らく持たれていた信念に対しての挑戦であり、社会現象についての新しい洞察を産み出す源泉でもある。この概念は特に、最善を尽しても、「原因と結果」の関係を理解することが全くできないような状況におかれている起業家的行動の分析に適したものとなっている。
目次
1 経験的探訪起業家的熟達(研究対象は何なのか、そしてなぜそれが研究対象となるのか;何を、どのようにして発見したのか;私の発見についての解釈)
2 理論的探訪エフェクチュエーション(エフェクチュエーションを理解する:問題空間と問題解決の原則;エフェクチュエーションを理解する:エフェクチュアル・プロセスの動学;エフェクチュエーションを成果に結びつける)
3 通過地点(「人工物の科学」としてのアントレプレナーシップ;競争優位と起業家的機会;エフェクチュエーションに基づく経済学の哲学と方法論;人々の希望の中に存在する市場)
4 進むべき方向(エフェクチュエーションを教える;進行中の研究;新たな研究のベンチャー)
著者等紹介
サラスバシー,サラス[サラスバシー,サラス] [Sarasvathy,Saras D.]
インド生まれ。ボンベイ大学卒(統計学)、カーネギーメロン大学、Ph.D(情報システムとアントレプレナーシップ)。1978年ノーベル経済学受賞者であるハーバート・サイモン教授の最晩年の弟子にあたり、熟達した起業家の意思決定についての研究で博士論文を執筆した。現在、バージニア大学ビジネススクール教授(戦略・倫理・アントレプレナーシップ部門)。MBAプログラムのみならず、博士課程プログラムでは、バージニア大学以外にも、デンマーク、インド、クロアチア、南アフリカでも指導している
加護野忠男[カゴノタダオ]
甲南大学特別客員教授、神戸大学経営学大学院名誉教授。1947年大阪に生まれる。1970年神戸大学経営学部卒業。1975年同大学大学院経営学研究科博士課程修了。神戸大学経営学部講師、助教授を経て、1988年教授に就任。同学部長などを経て2011年より現職。経営学博士。専攻は、経営戦略論、経営組織論。企業統治論
高瀬進[タカセススム]
山口大学大学院技術経営研究科准教授(特命)。アジア・イノベーションセンター。1970年東京に生まれる。1994年神戸大学工学部システム工学科卒業、2013年同大学大学院経営学研究科博士課程修了。博士(経営学)。専攻は、アントレプレナーシップ、ハイテク・大学発ベンチャー。在学中から黎明期のラクロスの普及、大学運営支援会社のスタートアップを手掛ける。現在は、レスキューロボットの事業化のアクションリサーチの他、京都大学デザインスクールFBL/PBL「ロボットと社会のデザイン」「ロボットとベンチャーのデザイン」等を担当
吉田満梨[ヨシダマリ]
立命館大学経営学部准教授。1980年岩手に生まれる。2003年立命館大学国際関係学部卒業、2009年神戸大学大学院経営学研究科博士課程修了。首都大学東京都市教養学部経営学系助教を経て、2010年より現職。博士(商学)。専攻は、マーケティング論、製品開発論、特に、新たな製品市場の形成プロセスに関心を持つ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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