内容説明
本書は、多国籍企業における法人税の課税方法について、独立企業原則に換えて「定式配賦法」(Formulary Apportionment)を用いることとした場合の基礎的な検討を行っている。まず、定式配賦法の利用において豊富な実績を有するアメリカ合衆国の州法人所得税についてその誕生時まで遡って考察し、その後、国境を越えた定式配賦法導入に向けた取組みを行っているEUでの展開を考察する。さらに、今日の企業経営において無形資産の重要性がますます高まるなか、多国籍企業と無形資産のかかわりについて考察し、これを定式配賦法に反映する方法について提案している。
目次
第1章 アメリカ合衆国州法人所得税創成期の展開―ビジネス・タックスの誕生(1900年代初頭の時代背景;財産税と課税管轄 ほか)
第2章 アメリカ合衆国州法人所得税統一期の展開―定式配賦法の統一にむけて(マサチューセッツ方式の確立;マサチューセッツ方式に対する州政府と企業の反応 ほか)
第3章 定式配賦法適用のための連結・合算範囲の検討(合算の目的と機能;州による合算制度導入の類型 ほか)
第4章 欧州連合における定式配賦法導入に向けた挑戦(定式配賦法に関するこれまでの議論の経緯;欧州委員会による指令案 ほか)
第5章 多国籍企業の全世界所得への定式配賦法適用の提案(配賦の対象;任意適用か強制適用か ほか)
著者等紹介
伊藤公哉[イトウキミヤ]
博士(国際経済法学)(横浜国立大学)。大阪経済大学経営学部・大学院経営学研究科専任講師。大手監査法人勤務を経て、2014年4月より現職。所属学会:租税法学会、法と経済学会、International Fiscal Association(日本支部)等。第25回日税研究賞奨励賞受賞(日本税理士会連合会、(財)日本税務研究センター)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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