内容説明
経営の健全性確保・預金者保護の要請から、融資決裁における銀行取締役の注意義務の特殊性を明らかにする。
目次
第1部 融資業務の執行と銀行取締役の注意義務(銀行業と株式会社としての銀行の特徴;銀行取締役の注意義務をめぐる議論の現状;銀行取締役の注意義務‐その基礎的展開;銀行取締役の注意義務‐その具体的展開)
第2部 取締役の職務執行と「信頼の原則」(アメリカ法の検討;わが国における学説および判例;わが国における解釈論を展開するための基礎作業;わが国における解釈論)
著者等紹介
神吉正三[カンキショウゾウ]
1978年同志社大学法学部法律学科卒業。協和銀行(現りそな銀行)入行。1999年筑波大学大学院博士課程経営・政策科学研究科企業科学専攻修了。博士(法学)。2001年あさひ銀行(現りそな銀行)退職。流通経済大学法学部専任講師。2007年龍谷大学法学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
SY_SH
1
法律系専門書ゆえに感想を書いたところで意味があるかどうかわからないですけれど、銀行取締役に課せられている善管注意義務が他の業を営む取締役と比べて重い注意義務が課せられているべきである事について丁寧に書かれており、勉強になりました。2015/01/07
koji
1
専門書ですし、読書メーターには誰も投稿していないので、少し書くことが憚られましたが感想を書き残しておきます。金融機関の融資・審査現場に身を置いていると、その置かれた責任の重さに押し潰されそうになる場面に度々でくわします。本書は「銀行取締役の責任」となっていますが、決裁権限を有する役職員全員に当て嵌まる原則が書かれています。一般の事業会社以上の善管注意義務を負い、信頼の原則も厳格に適用するという著者の結論は潔さを感じさせるものです。それだけに個人の責任を補完するガバナンス力・組織力が求められると実感しました2013/07/30