出版社内容情報
序論 三つの通史-花と日本人とのかかわり 日本文学史のなかの花 キクの日本文化史概説 ウメとサクラの植物文化史 第一部 日本的自然観の古代的枠組み 花の思想-その相対化のために 歳時記-中国起源の《政治的思考》 サクラと白楽天詩集 平安王朝びとのサクラ美学 「やまとだましい」と日本的自然観 古代日本児童文化史序論 第二部 中世,そして近世へ-日本的自然観の変化過程 「いけばな」成立期の時代精神と背景社会 芭蕉と元禄期社会文化 サクラと近世本草学者三人 近世社会の植物文化交流史 第三部 明治時代-日本的自然観を相対化したひとびと 《進歩的》思想家としてのラフカディオ・ハーン像 正岡子規「写生」説の精神的基盤 若き牧口常三郎と現代 山村暮鳥『鉄の靴』の神話的思考
目次
序論 三つの通史―花と日本人とのかかわり(日本文学史のなかの花;キクの日本文化史概説;ウメとサクラの植物文化史)
第1部 日本的自然観の古代的枠組み(花の思想;古代日本人の天空観;サクラと白楽天詩集;平安王朝びとのサクラ美学;古代日本児童文学史序論;古代文芸史の基礎知識)
第2部 中世、そして近世へ―日本的自然観の変化過程(桜博士による「サクラの公理」を手がかりにして;美しいサクラは、鎌倉期、関東農民により開発された;日本禅文化を再点検する;「いけばな」成立期の時代精神と背景社会;花を立てる―近世初期管理社会のなかで;芭蕉と元禄期社会文化;サクラと近世本草学者三人―貝原益軒・新井白石・小野蘭山のサクラ理解について;近世社会の植物文化交流史―「バラの歴史」を読みなおす;「とりあわせ」の近世美学;「きまり」の記号学的考察;菅江真澄における絶えざる内部変革)
第3部 明治近代―日本的自然観を相対化したひとびと(E・S・モース『日本人の住まい』訳者解説;《進歩的》思想家としてのラフカディオ・ハーン像;若き南方熊楠における《自然研究》の意味;正岡子規「写生」説の精神的基盤;牧口常三郎の教育思想家像;若き牧口常三郎と現代;山村暮鳥話『鉄の靴』の神話的思考)