出版社内容情報
WorldWideWebについて人からあれこれ聞いたことがありますか.もしあるのなら,この新しいエキサイティングなメディアについて,この数年間で除々に理解が深まったことでしょう.一般的には,次のような流れがあります.
1.このWebってやつは一体なんなんだ?
2.線香花火のように一過的なもんさ.
3.Webは実にクールだよ.
4.ふうむ,Webって金儲けできるかもな.
5.Webはニューエコノミーの基盤となるものさ.
6.ニューエコノミーなんてないよ.
7.あのWebってやつは一体なんなんだ?
物事が今日のように速く変化すると,人間は現在進行していることに順応し,遅れずについていき,そして,はっきり理解するするのに四苦八苦します.しかし,人々のWebに対する反応はあまりに速く変化しました.私たちの中で,一体Webとは何なのか本当に理解している人がほとんどいなかったからです.実際,私たちの多くは,Webサイトが真に有用で良いものになる可能性があることや,そのようにWebサイトを制作するためには適切なデザイン原理がどれほど重要であるかをじっくり考える暇がありませんでした.
狂騒的な不安が,私たちを,自分らはわかっていないという不安を助長する「エキスパート」の集団の元に走らせました.やたらと生み出されたビジネスモデルは言うまでもなく,誇大宣言や専門用語によって,この集団は私たちを,私たちが現在いる場所,すなわち振り出しに押し戻したのです.
Webや私たちのWebサイトをどうすべきかを計画するために白紙に戻ったとき,最初から私たちが必要としていたものが明瞭になりました.すなわち,私たち自身とそのユーザーのためのデザインを考える助けとなるような原則と,基本的に適切なアドバイスです.
幸い,この素晴らしい小冊子は,今なお私たちに,このような原則を示してくれています.パトリック・リンチとサラ・ホートンは,読者を誇大宣言や専門用語で脅そうとはしていません.彼らはただ,ペースを落とし,深呼吸し,自分で考えるようにしようとしているだけです.彼らは基本的なデザインの原則と,インタラクションデザインからタイポグラフィーまでに及ぶこの職業の秘訣を教え,あなたが自分のWebサイトを制作したり,あなたのためにWeb制作を行う人々をより理解し,気持ちを伝え合えるようにします.さらに重要なこととしては,彼らは,あなたがWebデザインというものの全体像を理解するのを助ける広範囲なフレームワークを提示してくれます.彼らのアドバイスのすべてには同意しないとしても,そこからあなたのアイデアや実装を発展させるための出発点に立つことができるでしょう.
あなたがWebについて知識がないのなら,本書はあなたのための本です.本書により非常に込み入った話題を概観し,正しい方向から着手することができます.また,Webチームとの会議の場に本書を持ち出せば,あなたは非常にスマートに見えることでしょう.
そして,もしあなたが戦いに傷つき,疲れきっていて,再び戦うために精神的に武装しなければならないとすれば,本書はあなたのための本です.本書は,あなたが過去数年間に学んできたことを総括し,より筋の通った実際的な視点からWebサイトのデザインに対するあなたのアプローチを検討し直す助けとなるでしょう.また,あなたのWebチームの会議の場に本書を持ち出せば,あなたは非常にスマートに見えることでしょう.
さあ,巻き返しを図ろうじゃありませんか.
第1章 プロセス
始める前に
サイト開発プロセス
第2章 インターフェースデザイン
基本的なインターフェースデザイン
ナビゲーション
第3章 サイトデザイン
情報の組織化
サイト構造
サイトデザインのテーマ
サイトの要素
インターネットデザインとイントラネットデザイン
第4章 ページデザイン
視覚的な階層
一貫性
ページサイズ
ページの長さ
Webページ用のデザイングリッド
ページヘッダーとフッター
ページレイアウト
フレーム
一般的なデザイン上の配慮
クロスプラットフォームの問題
アクセシビリティ
第5章 タイポグラフィ
Web上の文字の特徴
コンテンツ構造と視覚的な論理
可読性
一貫性
クロスプラットフォームの問題
アクセシビリティ
画像化されたフォント
第6章 編集スタイル
文章を整理する
オンラインのスタイル
見出しと小見出し
リンク
第7章 Webグラフィック
Webグラフィックの特徴
グラフィックファイルフォーマット
画面上での画像
HTMLとグラフィック
アクセシビリティ
第8章 マルチメディア
マルチメディア用のアプリケーション
Webマルチメディア戦略
マルチメディアの準備
デザインとマルチメディア
アクセシビリティ
索引
内容説明
立ち返るべき原則と真に有益なサイトの構築を考え直すためのデザインガイドライン。基本設計から文字、グラフィック、アクセシビリティまでを考える。
目次
第1章 プロセス
第2章 インタフェースデザイン
第3章 サイトデザイン
第4章 ページデザイン
第5章 タイポグラフィ
第6章 編集スタイル
第7章 Webグラフィック
第8章 マルチメディア
著者等紹介
リンチ,パトリック・J.[リンチ,パトリックJ.][Lynch,Patrick J.]
イエール大学のウェブデザインやウェブ開発を始めとしたメディア全般を手がけるチーム「MedMedia Group」にて、36人のメンバーのディレクターとしてイエール大学医学部やイエール大学などのサイト開発に携わる。書籍や雑誌への寄稿を始め、トレーニングやワークショップなどで、ウェブデザインや情報デザインに関する講演を数多く行っている
ホートン,サラ[ホートン,サラ][Horton,Sarah]
ダートマス大学の教養コンピュータ科における教育工学の専門家。主にマルチメディアやAVを包含したウェブサイトを活用して、教育カリキュラムに応じたコンピュータ技術の応用方法などを研究している
篠原稔和[シノハラトシカズ]
ソシオメディア(株)代表取締役。情報デザインのコンサルタントとして、情報デザインやユーザビリティの各種手法の研究、人間中心の設計アプローチなどを実践している。現在、多摩美術大学美術学部情報デザイン学科、武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科の各非常勤講師、財団法人日本科学技術連盟・ソフトウェア品質管理研究会(ウェブの品質管理)にて主査を兼任
石田優子[イシダユウコ]
大阪大学文学部卒業後、セールスプロモーション会社などを経て、1989年より株式会社ダイナウェアのマーケティング・編集部門に所属。2000年にKeiYu HelpLabとして独立。ウェブアクセシビリティ、ユーザビリティ関連の調査、執筆、オンラインドキュメントの制作、翻訳などを行っている。電気通信アクセス協議会ウェブアクセシビリティ作業部会委員。Microsoft MVP
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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