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利益をもたらすISO9001:2000解釈と運用

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  • サイズ B5判/ページ数 231p/高さ 26cm
  • 商品コード 9784501534103
  • NDC分類 509.66
  • Cコード C3058

出版社内容情報

 外国のゴルフ場でプレーしてみて感じることに,日本人の使用しているゴルフクラブがその国のプレーしている人と比較して高価で立派であるということがある。しかしながら,クラブが立派なこととスコアーがよいことは必ずしも比例していないという現実がある。もちろん高価なクラブが悪いわけはなく,使用している人の注意力や技量がそのクラブの投資価値に達していないことを理解するのにそう時間はかからない。これが現実にISO9000シリーズに取り組んでいる多くの会社の現実の姿であると考えられる。これは米国でISO9000シリーズの歴史的な発展のきっかけとなった米軍ミル規格Q-9858での苦い経験と一致する。ISO9001の展開でも,品質マネジメントという良好なクラブ以上の適切な活動が必要になる。この品質マネジメントでは明確な達成目標を掲げ,組織がそれに密着して経営が実施されなければならないものである。この経営ではすべての業務や取引が一度で正しく行われ,顧客,社員と供給者の関係のどこをとっても常に「勝ち」を感じられる良好な状態にある。そのために是非肝に銘じなければならない4つの基本的なマネジメントのやり方がある。
 (1) 品質方針――組織が欠陥ゼロの製品やサービスを,次工程や顧客にスケジュールや納期どうりに提供するという正式の決意声明である。この趣旨はもちろん関係者に周知徹底する。
 (2) 教育――品質に関する共通の概念を,会社の「遺伝子」として社員に徹底的に教育しなければならない。それは,品質の意味を単に「できるだけよい」というような抽象的に良好な状態におくのではなく,要求事項へ適合させることである。品質の達成は検出や是正によらず,予防処置によって行われる。品質の基準は許容品質レベルを認容することではなく,ゼロ欠陥を目標にする。その判定は要求事項を満たさないことによるコストとして表すことができる。
 (3) 要求事項――ここでISO9001:2000の仕組みや,組織内での業務の達成に必要な要件,やり方を明確化する。これは時の経過と共に改善され,更新される。例えば,立派なゴルフクラブを持っているだけではゲームには勝てないのと同じでである。
 (4) 継続的強要――経営者は自らの態度と実行力によって上記のような社風の姿勢を会社に染み込ませて,信頼できる組織を構築し,それに協力する者を正当に評価することが重要になる。
 従って,ISO9001:2000は会社のために品質を運用管理する上での大事な役割を担っている。その導入を誤り,例えば膨大な文書の山を築いた場合には,有効に使用したり,改定したりできない宝の持ち腐れになる恐れがある。現実に大量の文書手順のファイルが整然と保管棚にならび,あたかもISOを書類の目方で売るような状態で具体的にビジネス上の成果に結びついていない場合をよく見かける。ISO9001:2000の導入は船にたとえると羅針盤にあたり,マネジメントの現状の位置を正確に把握できる。つまり,それをもとに今後の進路を決定することができなければならない。
 ISO9000シリーズの品質マネジメントシステムを構築し,認証・登録した会社の多くがその後,認証・登録までの活気やエネルギーをなくし,バインダーに入れられた大量の各規定類にもほとんど改訂などの手を付けずそのまま保管し,第三者機関により行われる維持審査でも,内部監査での是正処置のみを実施している姿はよく見かけるものである。また,新規にISO9000の取得を希望する会社でも,いま現在コストダウンに忙しくて,取りたくても手が回らないという会社のトップにはよく出くわすものである。
 本書の構成はISO9000シリーズ(1994年・第2版)とISO9001:2000(第3版)の相違を明確にして,すでに認証・登録済みの企業や機関がスムーズに第3版への移行ができるように編集した。もちろん新規に第3版に挑戦する企業や機関が利用しやすいように,チェックリストによって運用後の適合性を検証できるようにした。また,顧客満足とコストダウンを目指している企業を対象として,フローによる文書表現で明確に現状認識し,是正処置・予防処置を行えるように内部監査,是正処置,予防処置を実例をあげて解説した。併せて,問題の影響を減らし,現状で問題の取り込み状態の把握,および予防処置の推進のための欠陥モード影響解析も詳細に説明した。
2001年10月
著者しるす

第1章 ISO9001:2000とは
A ISO9001:2000の歴史的発展
 B ISO9001:2000の特徴
 C ISO9001シリーズ:1994での問題点とISO9001:2000との比較
 D ISO9001:2000の認証・登録での運用
 E ISO9000:2000で使用の主な用語
 F 8大品質マネジメント原則
第2章 ISO9001:2000の解釈
 A 序文…セクション0
     一般(0.1)
     プロセスアプローチ(0.2)
     ISO9004との関係(0.3)
     他のマネジメントとの両立性(0.4)
 B 適用範囲…セクション1
     一般(1.1)
     運用(1.2)
 C 引用規格…セクション2
 D 定義…セクション3
 E 品質マネジメントシステム…セクション4
     一般要求事項(4.1)
     文書化に関する要求事項(4.2)
 F 経営者の責任…セクション5
     経営者のコミットメント(5.1)
     顧客重視(5.2)
     品質方針(5.3)
     計画(5.4)
     責任,権限とコミュニケーション(5.5)
     マネジメントレビュー(5.6)
 G 資源の運用管理…セクション6
     資源の提供(6.1)
     人的資源(6.2)
     インフラストラクチャー(6.3)
     作業環境(6.4)
 H 製品実現…セクション7
     製品実現の計画(7.1)
     顧客関連のプロセス(7.2)
     設計・開発(7.3)
     購買(7.4)
     生産とサービス提供(7.5)
     監視機器と測定機器の管理(7.6)
 I 測定,分析と改善…セクション8
     一般(8.1)
     監視と測定(8.2)
     不適合品の管理(8.3)
     データの分析(8.4)
     改善(8.5)
第3章 ISO9001:2000の運用
 A 21世紀での品質の要求
     1 新たな世界市場
     2 成功条件として重要性を増してきたあらたな技術
     3 新たなビジネス環境の圧力
     4 より強力で効果を上げることを要求するマネジメントスタイルへの変更
 B ISO9001:2000の運用
     1 ISO9001:2000の導入展開の方法
     2 トップマネジメントの役割
     3 情報の監視
     4 品質マネジメントシステムの継続的改善
     5 必要な資源の明確化と提供
     6 文書管理
     7 新たに定義された用語
     8 内部監査のやり方
     9 品質マネジメントシステムとプロセスの評価
     10 顧客満足に関する要求事項
     11 成果改善の指針,戦略目標とデミングサイクルでの改善のやり方
     12 方針や手順の適合を検証する手法
 C ISO9000シリーズ:1994に基づくISO9001:2000対応のチェックリスト
     マネジメントの責任(4.1)
     品質システム(4.2)
     契約の見直し(4.3)
     設計管理(4.4)
     文書とデータの管理(4.5)
     購買(4.6)
     顧客支給品の管理(4.7)
     製品の識別とトレーサビリティ(4.8)
     工程管理(4.9)
     検査・試験(4.10)
     検査,測定と試験装置の管理(4.11)
     検査・試験状態(4.12)
     不適合品の管理(4.13)
     是正処置と予防処置(4.14)
     取り扱い,保管,包装,保存と引越し(4.15)
     品質記録(4.16)
     内部監査(4.17)
     トレーニング(4.18)
     付帯サービス(4.19)
     統計的手法(4.20)
 D ISO9001:2000対応のチェックリスト
     一般要求事項(4.1)
     文書化に関する要求事項(4.2)
     経営者の責任(5)
     資源の運用管理(6)
     製品実現(7)
     測定,分析と改善(8)
 E ISO9000シリーズ:1994との比較でのISO9001:2000の要求事項
 F 文書の表現方法
 G 購買管理
 H 内部監査
 I 是正処置と予防処置

付録 FMEA(欠陥モード影響解析)
 1 FMEAの概要
     1.1 欠陥によるリスクの生まれる分野
     1.2 FMEAの分析の考慮事項
     1.3 FMEAの実施
     1.4 FMEA実施のメリット
     1.5 緊要特性
     1.6 重要特性
     1.7 FMEA実施の時期
     1.8 FMEA完了の時期
     1.9 FMEAの実施者
     1.10 チームの必要性
     1.11 FMEAのための情報源
 2 FMEAの運用
     2.1 FMEAの解釈
     2.2 FMEA結果の評価
     2.3 FMEA実施のプロセス
     2.4 FMEA完成に必要な時間
     2.5 FMEAの完成後
 3 4種類のFMEA
     3.1 システムFMEA
     3.2 設計FMEA
     3.3 工程FMEA
     3.4 サービスFMEA
 4 まとめ
     4.1 効果的なFMEA
     4.2 FMEAの使用のメリット
     4.3 FMEAの使用上の注意事項

あとがき
索  引

内容説明

本書はISO9000シリーズ(1994年・第2版)とISO9001:2000(第3版)の相違を明確にして、すでに認証・登録済みの企業や機関がスムーズに第3版への移行ができるように編集。もちろん新規に第3版に挑戦する企業や機関が利用しやすいように、チェックリストによって運用後の適合性を検証できるようにしている。また、顧客満足とコストダウンを目指している企業を対象として、フローによる文書表現で明確に現状認識し、是正処置・予防処置を行えるように内部監査、是正処置、予防処置を実例をあげて解説。併せて、問題の影響を減らし、現状で問題の取り込み状態の把握、および予防処置の推進のための欠陥モード影響解析も詳細に説明した。

目次

第1章 ISO9001:2000とは(ISO9001:2000の歴史的発展;ISO9001:2000の特徴 ほか)
第2章 ISO9001:2000の解釈(序文…セクション0;適用範囲…セクション1 ほか)
第3章 ISO9001:2000の運用(21世紀での品質の要求;ISO9001:2000の運用 ほか)
付録 FMEA(欠陥モード影響解析)(FMEAの概要;FMEAの運用 ほか)

著者等紹介

高林貞夫[タカバヤシサダオ]
東京電機大学工学部応用理化学科卒業(1965年)。防衛大学校研究科(修士)電気工学専攻修了(1970年)。ユニオンカーバイトサーヴィシズイースタンリミテッド工場長。日本セレクトロン株式会社代表取締役。フィリブスクロスビージャパン株式会社副社長。現在、アメリカンシステムズレジストラー日本支社長を兼務し、RAB、IRCA、JAB、リードオーディターとしてISO9001、QS9000、TE9000、ISO14001の啓蒙に、日本、米国、東南アジアで広く活躍
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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