出版社内容情報
「Mathematicaによる電磁気学」を刊行した当時,MathematicaのバージョンはVer2.2でしたが,いまやVer3.0を経てVer4.0になりました。この間,コマンド名の変更やパッケージのオートロード機能の採用により,わざわざ設定する手間がいらなくなったものもあります。また,コマンドSimplifyや不定積分の演算機能が拡大し,出力形の表記が変わりました。その結果,出力形を式の置換に利用している箇所では,Ver2.2の原稿のままでは不都合が生じることとなりました。 この改訂にあたり,CD-ROMのデータには,Ver2.2とVer3.0(Ver4.0でも動作します)のノートブックファイルを収録し,あわせて式の出力グラフィックスに多様な表現を追加しました。したがって,CD-ROMの内容はかなり改善してあります。 なお,CD-ROMにはバージョン毎にMathReaderを用意してありますので,正規のMathematicaのソフトウェアがなくても,CD-ROMのデータを読むことができます。 電磁気学を学習するにあたり,各種の現象をビジュアルに理解する一助として,本教材を利用していただければ幸いです。
平成12年2月
著者しるす
Mathematicaの使い方
第1章 静電界(電位,電界)
第1章で扱う要項
Mathematicaコマンドと標準パッケージの一覧表
1.1 電位分布の描き方
1.2 電気力線の描き方
1.3 等電位線の描き方
1.4 有限長線電荷の電位分布
1.5 導 体 系
1.6 真空中の電気影像法
1.7 境界値問題
1.8 誘電体中の電気影像法
第2章 電気回路
第2章で扱う要項
Mathematicaコマンドと標準パッケージの一覧表
2.1 直流回路
2.2 交流回路
2.3 波形のフーリエ級数展開
2.4 過渡現象とラプラス変換
第3章 磁界
第3章で扱う要項
Mathematicaコマンドと標準パッケージの一覧表
3.1 電磁界中の荷電粒子の運動
3.2 電流による磁界
3.3 ベクトル・ポテンシャル
3.4 分布電流による電界
3.5 磁界中磁性体
3.6 インダクタンス
第4章 物質と電磁界
第4章で扱う要項
Mathematicaコマンドと標準パッケージの一覧表
4.1 磁性体と電磁波
4.2 誘電体と電磁界
4.3 導体の表皮効果
4.4 電磁放射
4.5 高速電子からの電磁放射
CD-ROMの使い方
付録 Mathematica3.0のバグ対応について
参考文献
索 引
内容説明
本書は、第1章で静電界、第2章で交流回路や過渡現象、第3章で静磁界と電流磁界、第4章では物質と電磁界の相互作用を扱っている。各章ごとに電磁気学に関する要項とそこで使うMathematicaコマンドを紹介したのち、例題へと進んでいく。例題の配列は、まず平易な問題で解法を学習したのち、すべての例題においてその解答の式をグラフィックス化し、最終的にそのグラフィックスを通して電磁気現象を詳細に理解することを目的とする。そのためグラフィックスを数多く使っている。また、解答時に遭遇する特殊関数は、その都度、その関数の性質をグラフィックスで解説している。
目次
第1章 静電界(電位、電界)(電位分布の描き方;電気力線の描き方;等電位線の描き方 ほか)
第2章 電気回路(直流回路;交流回路;波形のフーリエ級数展開 ほか)
第3章 磁界(電磁界中の荷電粒子の運動;電流による磁界;ベクトル・ポテンシャル ほか)
第4章 物質と電磁界(磁性体と電磁波;誘電体と電磁界;導体の表皮効果 ほか)