12週間でマスター PCシーケンス制御

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  • サイズ B5判/ページ数 216p/高さ 26cm
  • 商品コード 9784501108700
  • NDC分類 548.3
  • Cコード C3054

出版社内容情報

プログラマブルコントローラ(PC)は,複雑化する産業設備の自動化の中で,演算制御・情報処理・ネットワーク化に対応できる,高機能・高性能なシステム構築のキーコンポーネントであり,単なるシーケンスコントローラではありません。PCを利用する上での第一の目的は,PCを"シーケンスコントローラ"として使用することです。
 今までのシーケンス制御には設計からそのシステムの保守・運用まで,電気技術者が中心になって深くかかわってきましたが,いまでは,シーケンス制御の知識はシステムの設計や運用にかかわる"すべての制御技術者"に要求されており,重要コンポーネントであるPCを使いこなすことは,制御技術者の必須条件となっています。
 PCは,マイクロエレクトロニクス技術の急速な発展に伴い,高機能・高性能化と同時にユーザの利用環境も改善され,どの分野の技術者にもたいへん扱いやすい制御機器となっています。また,取扱説明書などのマニュアル類も充実しており,電気や電子の専門知識がなければ扱えないような,特別な制御機器ではなくなってきました。特にプログラムの開発環境は非常に改善され,専用の開発ツールを必要としていた制約からも解放されて,パソコンを使って手軽に作成できるようになりました。
 反面,今でもシーケンス制御の伝統的な考え方や手法は引き継がれており,パソコンの取り扱いには慣れていても,シーケンス制御を初めて経験する人にとっては,なじみにくい面があります。
 筆者は,制御技術者養成の研修会や通信教育講座,書籍と雑誌連載などを通じて,多くの技術者の方々とかかわってきましたが,初めてシーケンス制御を学ぼうとする人にとって,共通した"つまずきやすいポイント"がいくつかあることを知りました。本書はこの経験に基づき,これまでの教材や説明の例題などを見直し,本当に必要と思われる内容を段階的に扱うことにより,小さな障害を乗り越えながら,12週間(3ヶ月)程度でPCの重要なことが無理なく効率的に習得できるように工夫してみました。また,全体を通じて特別に電気や電子の知識がなくても理解できるように心がけました。
 前半の第5週までは,PCのハードウェアを中心に解説し,PCの仕様書を理解すると共に,PCにセンサーやアクチュエータなどの入出力機器を正しく接続できるようにします。
 後半からは,PCシーケンス制御のメインテーマであるプログラム(ソフトウェア)について,基礎から実務に近いプログラムの作成までを解説しました。第6~第7週では,PCの基本命令と基本回路(プログラム)を取り上げ,ここでプログラム作成の基礎が習得できるようにします。第8~第10週では,具体的にいろいろなプログラムを作成しながら,プログラム作成の過程や考え方を詳細に説明すると共に,プログラムテクニックなども学びます。第11~第12週では,PCのデータ処理とデータ通信の例を示しました。最後の"advance"ではプログラムの作成テクニックのほか,他人が作成したプログラムの読解力向上をねらいました。
 本書のねらいは,シーケンス制御をはじめて手がける技術者,あるいは高等学校や専門学校生がシーケンス制御の実務に従事しようとする際,誰もが経験するわかりにくいところを,スムーズに解きほぐしながら学習することです。この目的が十分に達せられるかどうか,いささか心もとない気もしますが,PCにはじめて接する学生諸君や現場の技術者の実務に,本書が少しでも役立つことを願っています。
 おわりに,本書の刊行に際し東京電機大学出版局編集課 石沢岳彦氏にご尽力いただきました。ここに記して,深く感謝の意を表します。
 2000年早春
CASテクノロジー研究所 吉本久泰

第1週 PCはどのような制御機器か
1.1 PCの正体
 1.1.1 PCの仲間
  1.1.2 シーケンス制御が専門のマイコン
 1.2 PCの構成
  1.2.1 PCの全体構成
  1.2.2 PCと機械装置の接続
 1.3 PC制御の利点とリレー制御との違い
 ミニ解説 a接点とb接点
 1.4 今週のトライアル

第2週 PCの仕様とプログラム処理
2.1 PCの内部構成とカタログの読み方
 2.1.1 内部構成と仕様区分
  2.1.2 PCの仕様書に書かれている主要項目
  2.1.3 PCのメモリ
  2.1.4 リレーシンボルと内部メモリの関係
 2.2 PCの動作とプログラム処理
  2.2.1 リレー回路と論理回路の比較
  2.2.2 プログラムの記述と演算処理の順序
 2.3 プログラミング装置とプログラム格納手順
 2.4 今週のトライアル

第3週 PCの入力回路と入力機器の接続法
3.1 PCの入出力部と入出力機器
  3.1.1 入出力機器を正しく接続するために
  3.1.2 PCの制御規模と入出力点数
 3.2 PCの入力回路と入力機器の接続法
  3.2.1 入力回路の形式
  3.2.2 入力機器の接続例
 3.3 今週のトライアル

第4週 PCの出力回路と出力機器の接続法
4.1 PCの出力回路と出力機器の接続法
4.1.1 PCの出力機器とその役割
  4.1.2 出力回路の形式
  4.1.3 出力回路の仕様例と接続例
 4.2 今週のトライアル

第5週 入出力機器の割付けと使用上の注意
5.1 入出力の割付け
  5.1.1 入力の割付法
  5.1.2 出力の割付法
 5.2 使用上の注意と対策
  5.2.1 入力部の問題点と対策
  5.2.2 出力部の問題点と対策
  5.2.3 PCシステムの電源対策
 5.3 今週のトライアル

第6週 PCのプログラム(基礎1)
6.1 プログラム言語
 6.2 PCの基本命令とプログラムの基本回路
  6.2.1 PCの基本命令
  6.2.2 プログラムの基本回路
 6.3 プログラムの重要回路
  6.3.1 自己保持回路
  6.3.2 セット優先とリセット優先回路
  6.3.3 オールタネイト回路
 ミニ解説 安全な回路
 6.4 今週のトライアル

第7週 PCのプログラム(基礎2)
 7.1 PCのタイマとカウンタ
  7.1.1 タイマ
  7.1.2 カウンタ
 7.2 よく使う便利な命令
  7.2.1 微分出力命令[PLS,PLF]
  7.2.2 セット/リセット命令[SET,RST]
 7.3 今週のトライアル
 ミニ解説 プログラムのスキャン処理

第8週 プログラムの設計例(1)
8.1 プログラムの設計例
  8.1.1 早押しクイズのランプ表示装置
  8.1.2 ファンヒータの送風機制御
 8.2 今週のトライアル

第9週 プログラムの設計例(2)
 9.1 プログラムの設計例
   9.1.1 単相誘導電動機の正転/逆転制御
   9.1.2 シリンダの1サイクル運転
   9.1.3 三相誘導電動機の正転/逆転制御
   9.1.4 移動テーブルの連続往復制御
9.2 今週のトライアル
 ミニ解説 単相誘導電動機とリバーシブルモータ

第10週 プログラム演習(1)【エレベータの運転プログラム】
 10.1 制御仕様
 10.2 プログラム設計
10.2.1 サイクル運転のプログラム
  10.2.2 サイクル運転の中断と再開
  10.2.3 非常停止と手動復帰(原点復帰)
  10.2.4 まとめ
 10.3 今週のトライアル

第11週 算術演算とデータ処理
11.1 データ形式
  11.1.1 2進表現
  11.1.2 8進表現
  11.1.3 16進表現
  11.1.4 BCD表現
  11.1.5 符号つき2進数
11.2 算術演算の関連命令
  11.2.1 データ形式変換命令
  11.2.2 比較演算命令
  11.2.3 データ転送命令
 11.3 算術演算
  11.3.1 BCDデータの四則演算
  11.3.2 BINデータの四則演算
 11.4 小数を含む計算例
 11.5 今週のトライアル

第12週 プログラム演習(2)【PC間のデータ送受とデータ処理】
12.1 PC間の接続
 12.2 プログラム仕様
  12.2.1 データ送受の方法
  12.2.2 制御仕様
 12.3 プログラム設計
  12.3.1 PC1のプログラム
  12.3.2 PC2のプログラム
 12.4 今週のトライアル

advance プログラム演習(3)【電気洗濯機の制御】
13.1 洗濯機モデルと動作の概要
 13.2 制御仕様
  13.2.1 自動洗濯動作
  13.2.2 工程の中断と再開
  13.2.3 表示
 13.3 プログラムの設計(作成)
  13.3.1 自動洗濯動作
  13.3.2 自動洗濯動作プログラムのチェック(机上デバッグ)
  13.3.3 一時停止と再開
  13.3.4 脱水時の非常停止
 13.4今週のトライアル

解答 今週のトライアル解答

索引

内容説明

本書では、まず前半の第5週までは、PCのハードウェアを中心に解説し、PCの仕様書を理解すると共に、PCにセンサーやアクチュエータなどの入出力機器を正しく接続できるようにします。後半からは、PCシーケンス制御のメインテーマであるプログラム(ソフトウェア)について、基礎から実務に近いプログラムの作成までを解説しました。

目次

PCはどのような制御機器か
PCの仕様とプログラム処理
PCの入力回路と入力機器の接続法
PCの出力回路と出力機器の接続法
入出力機器の割付けと使用上の注意
PCのプログラム
プログラムの設計例
プログラム演習―エレベータの運転プログラム
算術演算とデータ処理
プログラム演習(PC間のデータ送受とデータ処理;電気洗濯機の制御)

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