出版社内容情報
ニューギニアで少年期を過ごしたオーストラリア人著者の
「かつて僕らの郷土の上空で行われた航空戦の様子を知りたい」という知識欲からはじめられた
台南空VS連合国軍航空兵力との激闘についての研究を、イタリア人日本機研究家とともに上梓した
”EAGLES OF THE SOUTHERN SKY THE TAINAN AIR GOURP IN WWⅡ VOLUME ONE: NEW GUINEAが
邦訳版となって登場。
最後を看取られることなく「未帰還」とのみ記録された台南空の勇者たちの戦いの様子が、
相手国資料から鮮烈に浮かび上がります。
今回の編集にあたっては日本人研究者の最新考証も盛り込み、原書以上に資料性の高い内容となっています。
内容説明
日本海軍の中にあって精強を誇った台南海軍航空隊。緒戦の快進撃ののちにたどり着いたのはラバウルをホームベースとし、ラエを前進基地とするニューギニア戦線だった。本書はニューギニアで少年期を過ごしたオーストラリア人著者の「かつて僕らの郷土の上空で行なわれた航空戦の様子を知りたい」という知識欲からはじめられた台南空VS連合国軍航空兵力との激闘についての研究を、イタリア人日本機研究家とともに上梓したもの。最後を看取られることなく、日本側では「未帰還」とのみ記録された台南空の勇者たちの戦いの最期の様子が、相手国資料から鮮烈に浮かび上がる!
目次
台南空の進出以前
始まり
最初の一手
連合軍の逆襲
しっぺ返し
グッバイ、キティホーク
5月の消耗戦
力と力の対決
ココダ
要塞という名の復讐者
ミルン湾の触手
最後の一手
彼らのその後
考察
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roatsu
13
昭和17年の台南空零戦隊の戦いを連合軍側の視点から検証できる一冊。有名な坂井三郎氏ほか歴戦搭乗員を擁し、敵機より性能優位だったと信じられている時期の零戦を以て、まだ勢いのあった日本軍の先鋒として繰り広げた戦いがどうだったか。連合軍に対し善戦敢闘するも8月以降に熾烈なガ島攻防戦が加わって11月時点で搭乗員の多数を喪失、内地帰還となる結末が全てを物語る。台南空の活躍は半ば伝説化したきらいがあるが、日本人が好きな身贔屓の伝説化を避け歴史を見誤らないためにも対戦者の記録もよく顧みることが重要と思う。高いけど良書。2016/02/12