内容説明
「クルスクの戦い」60周年を記念し、公式プロジェクトとしてロシア国内で出版された大著を、上・下2分冊で完全邦訳。上巻は会戦前夜、北部戦区の独ソ両空軍を詳述。赤軍航空部隊とルフトヴァッフェの活動を、第二次大戦で最大規模の戦車戦となったクルスク戦全体を背景に描き、航空部隊が演じた役割を浮き彫りにする。特筆すべきは著者がソ連肯定派、否定派双方からの感情的・政治的批判に屈することなく、独ソ双方のデータを最優先に取り上げ、先入観を極力排除して当時の様子を再現しようと試みていること。それ故、ロシア国内の記念出版物のなかでも異色の資料として特に興味深い著作である。
目次
第1章 会戦前夜(独ソ双方の計画;工業生産力と航空部隊の編制;航空司令部の企図;制空権をめぐる戦いと工業・輸送拠点への空襲 ほか)
第2章 轟々たる響き―『ツィタデレ』(上)(大会戦始まる;ソ連軍攻撃航空部隊の参戦;初日の結果;戦いは続く ほか)
著者等紹介
ハザーノフ,ドミートリー・ボリーソヴィチ[ハザーノフ,ドミートリーボリーソヴィチ][Хазанов,Дмитрий Борисович]
1954年生まれ。1977年モスクワ電子機械製作大学卒業。工学準博士(PhD)。現在はSNIIP(連邦機器製作科学研究所)広報担当副所長、同教授会教務主管。1991年に初めて航空分野の著作『東部戦線のドイツ軍エース』を新聞「ソヴェルシェンノ・セクレートノ(極秘)」紙に発表、以来27冊の書籍を含め、また、各種学術会議などでも発表し、航空史をテーマとするテレビ放送にも出演
ゴルバーチ,ヴィターリー・グリゴーリエヴィチ[ゴルバーチ,ヴィターリーグリゴーリエヴィチ][Горбач,Виталий Григорьевич]
1970年生まれ。1997年モスクワ無線・電子・自動化工科大学を卒業。現在は「エクスプレス・ガゼータ」紙の情報通信技術マネージャー。研究活動にもいそしみ、2000年に最初の記事を航空雑誌『アヴィアマーステル』に発表
小松徳仁[コマツノリヒト]
1966年福岡県生まれ。1991年九州大学法学部卒業後、製紙メーカーに勤務。学生時代から興味のあったロシアへの留学を志し、1994年に渡露。2000年にロシア科学アカデミー社会学・政治学研究所付属大学院を中退後、フリーランスのロシア語通訳・翻訳者として現在に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
-
- 和書
- キャラクター 小学館文庫