内容説明
ドイツ夜間戦闘機戦力は第二次世界大戦の大半の期間を通じて連合軍航空機、とりわけ英空軍爆撃機に対する確固たる攻撃手段であった。夜間戦闘に関わった多くのクルーの存在自体が、空襲を受け続けるドイツ空軍の苦境を意味するものであったが、ドイツ空軍の他の分科と同様に、夜間戦闘機戦力においても熟練パイロットが生まれた。夜間戦闘の初期、ドイツ夜間部隊はサーチライトや月明かりを頼りの戦闘を行っていたが、のちにレーダー迎撃システムを構築し、地上レーダー網から誘導を受けて邀撃に上った。さらに機上レーダーが開発されてBf110、Ju88などに搭載されると、英国はその妨害手段を採り、電子戦の様相を呈していった。しかし、ドイツ夜戦部隊はいささかもひるまず任務を遂行、消耗し疲弊し、ついには命脈が尽きるまで戦った。本書はドイツ領内に侵入する夜間爆撃機を迎撃して大きな損害を与え、本土防空に奮闘した夜間戦闘機戦力の作戦・戦闘技術の用法と、多くの優れたクルーの戦績をまとめ、元夜戦エースたちの証言を交えながら紹介するものである。
目次
1章 攻撃手段は光芒と機銃
2章 侵入者たち
3章 電波の目
4章 分水嶺ハンブルク
5章 「ヴィルデ・ザウ」とシュレーゲ・ムジーク
6章 敢闘の終焉
7章 夜間戦闘機の運用
著者等紹介
スカッツ,ジェリー[スカッツ,ジェリー][Scutts,Jerry]
1960年代末から軍用機に関する執筆活動を始める。第二次大戦の米陸軍航空隊とドイツ空軍が専門だが、ほかにも第二次大戦の米海軍水上機からヴェトナム戦争のファントム戦闘機まで、幅広いテーマで40冊以上の著作がある
渡辺洋二[ワタナベヨウジ]
1950年愛知県名古屋市生まれ。立教大学文学部卒業。雑誌編集者を経て、現在は航空史の研究・調査と執筆に携わる
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感想・レビュー
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