出版社内容情報
初恋のシーちゃんと再会した若妻・史子は家族を捨て、同棲を始める。だが、シーちゃんが事故で亡くなり、絶望した史子は、復讐を決意。ある人物に宛て覚悟の手紙を書き残すが……。(解説/斎藤美奈子)
内容説明
中学一年の史子は、生まれる前の記憶があると語る不思議な女の子シーちゃんと友達になる。彼女に恋をしたが、何も言えないまま転校。遠く離れたふたりが、十数年後、再び巡り会った時、史子は思いもよらぬ行動にでる…。昭和から平成を生きた女性を通して、同性、夫婦、親子の様々な愛を問う。愛のために全てを捨てた女が最後に選んだ道は、私憤か反権力か!驚愕の復讐劇。書き下ろし長編ミステリー。
著者等紹介
矢口敦子[ヤグチアツコ]
1953年北海道生まれ。病気のため小学校5年生で通学をやめ、通信教育で大学を卒業する。91年『かぐや姫連続殺人事件』(谷口敦子名義)でデビュー。97年『人形になる』で女流新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミーコ
63
久しぶりの矢口さん、初めからグイグイ惹き付けられました。史子に赤ちゃんが生まれ 愛しく掛け換えのない愛情を感じてる所には涙ぐみましたが・・・ その後が… そっちへ行くのか!と醒めて行ってしまう。無理くり原発問題へ持って行った感がしないでもない。途中まで夢中で読んだのに 何とも最後がしっくり来ませんでした。次作に期待したい作家さんです。2016/06/01
ミーコ
46
既読作なのに、表紙に全く記憶なくて再度、借りてしまいました。それも途中まで気付かず・・・ 今回は途中まで 全く面白いと思えず、変化が出始めてから 少し面白くなっては来ましたが史子に全く共感出来ず 大人になっても後先を考えず行動するって どうよ?って感じでした。盛り沢山過ぎて ボヤけてしまった感じがしました。2016/12/26
ちょん
28
重たかった。ある女性の一生。こんな生き方もあるんだろうな、とは思うけど...勿体ない。命と一生が勿体ないと感じてしまった。別れた娘から「既製品じゃない何か手作りのものを」と頼まれるシーンは素敵でした。2021/09/11
A
22
主人公史子の壮絶な人生だった。合間に入ってくる手紙が誰宛なのかが、分かった時にはそんな選択肢を選んでしまうのかと思いました。面白かった2020/10/28
JKD
18
不慮の事故に遭って以降の暗くて長い史子の物語が淡々と綴られていく。幼少の頃から頑固でワガママなのは死ぬまで治らないんかなと思いつつ、そのうち3.11の話題なるのは想定内だったけど、ここまで重厚に組み立てられているとは思いませんでした。ラストの執念ともいえる復讐劇はとても悲しく、やりきれない気持ちになりました。2016/03/08