出版社内容情報
旧ドイツ空軍戦闘機隊のエース自身がつづったロケット戦闘機Me163コメートの開発史、実戦部隊への配備、そしてその戦闘記録。写真76点。著者は同機に出会い、実験飛行隊を指揮することになった。その後、コメートは実用試験を繰り返し、戦争末期、ついに実戦部隊に配備され、出撃、みごと戦果を挙げた。その全過程を自ら体験した著者はその間の出来事を細大漏らさず、生き生きと描写している。
内容説明
99機撃墜のスコアを持つもとドイツ空軍パイロットが自らの体験をもとに克明に描いた、ドイツ空軍のロケット戦闘機「コメート彗星」の開発そして戦記。
目次
東部戦線からベルリンへ
試行錯誤を重ねた全翼機
メッサーシュミット工場
狼の要塞でヒトラーに会う
勝利に向かって車輪は回る
ヴァルター社との不協和音
極秘基地ペーネミュンデ
ロケット発進列車
ロシアン・ルーレット
時間との戦い
全翼機か否か
Me262
B型史上初のパワー発進
スプリットS
レヒリン飛行展示会
エネルギー卵と「ひよっこ」たち
新型エネルギー卵に試乗する
死を招いた垂直旋回
女性飛行士ハンナ・ライチュ
ロケット機の犠牲者
雪だるま
幻のファースト・キル
実戦
黄昏のルフトバッフェ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
中将(予備役)
1
ロケット戦闘機Me163の実験飛行隊指揮官だったシュペーテ少佐の回顧録(抄訳・再構成)。危険な新型機のテストや実戦、戦局悪化が、冷静ながらパイロットたちの人物像が際立つ筆致で書かれていて面白かった。『始まりと終わり』ではどこか事務的だったガランドの話し言葉らしい発言も載っている。戦闘機乗りの前にグライダーの経験もあったシュペーテがパイロットとしては技術に明るいことが、ゲーリングの技術音痴と対照的。本人もそれなりの撃墜数を誇るエースだが、数え間違いや嘘を含んだ撃墜数の内実も書かれていて興味深い。2021/12/27
Zen-zen
0
メッサーシュミットMe262は知ってたけど、Me163は存在を認識してる程度で、ジェット機ではなくロケット機であることさえ知らなかったので興味深く読んだ。しかし、ロケット機というのは航空機史上の観点から言うと貴重で珍しいのだけど、結局のところ戦闘機としての性能はジェット機であるMe262の方が段違いに優れていたというのだから、哀しいものがある。因みに、この本を読んでロケット機についてネットで調べ、水平飛行で音速を初めて突破したベルX-1もロケット機であったと今更ながら知った。自分の無知さにヤレヤレである。2013/12/13
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