出版社内容情報
ベトナム戦争中、実施された全航空作戦のノンフィクション。特殊心理作戦や電子船の全容も初公開。
内容説明
ベトナム航空戦は1964年のトンキン湾事件から1973年の停戦まで、およそ10年の長期にわたってインドシナでくりひろげられた制限戦争下の一大航空会戦であった。本書の執筆に際しては、新たに当時ベトナムで作戦した多くの空・海軍/海兵隊パイロット、ナビゲーター、整備兵およびレアード国防長官に直接インタビューし、また膨大な政府資料と取り組んで(多くは当時極秘扱いだった)、ベトナム航空戦を立体的に描き出している。本書はベトナムの空で戦った男たちの貴重な戦闘の記録である。
目次
ドロ沼への道
とどろく雷鳴
はてしなく続くトンネル
決め手なき戦い
失敗に終わるローリングサンダー
撤退を始める米地上軍
北爆停止
ターゲットはハノイ
エア・パワーの勝利
あっけない幕切れ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のぶのぶ
1
米政府の方針の迷走やあれやこれやの規則・制約に振り回された空軍の悲劇。相手が民兵≒一般市民ゆえに過度な報道、自縄自縛に陥ってしまった政府等の要因により敵戦力を叩くための有効な作戦を行えなかった。航空優勢も薄氷を踏むような危ういものであった。政治視点からは『ベスト&ブライテスト』、ベトナム戦争全体は『ベトナム戦争 兵器ハンドブック』、パイロット視点では『ベトナム空戦史』がお奨め。 類書は『エアー・コンバット ベトナム従軍パイロットの記録 』がある。訳者が元自衛官であるせいか訳が割りといい感じ。2015/04/02