出版社内容情報
《内容》 ◆本書は膨大な量の情報の中から,特に注目すべきトピックを選び,その分野の第一人者が内外の文献をふまえて最新の進歩を展望している.◆文献抄録ではなく,その内容,評価が理解できる.◆どのような重要な業績,文献があったかを確実にフォローできる.◆主要文献を網羅しているので,reference sourceとしても極めて便利である.序 いよいよ21世紀を迎えたこととなり,感慨深いものがある.人が勝手に定めた年号であり,人や地球の連続する流れの一点に過ぎず,何ら意味するところはないと主張するむきもあるが,それはそれとして,誕生日や暦,はたまた干支にしても,一つの流れの区切りとして用いられている以上,1000年に1度のミレニアムを超えたことを実感し,過去を振り返り,今後を予測することに意義を持たせてもよいと思われる. ちょうど一世紀前,すなわち1901年1月2日に報知新聞が「20世紀の予言」としていくつかの事項の予言を行っている.100年後の今,それを読みなおしてみると驚くほど当っているものがある.例えば,「無線電話は世界諸国に連絡して,東京に在るものが倫敦(ロンドン),紐育(ニューヨーク)にいる友人と自由に対話することを得べし」とあり,必ずしも無線ではないが既に実現している.また,「東京にいながら電気力によりて欧州の戦雲の状況を早取写真とすることを得べく,しかも天然色……」は,現在のTV上で現実のものとなっている.鉄道の速力では「東京神戸間は2時間半を要し,……」と予言されたが,ほぼそれに近くなっており,21世紀には目標を達成し,さらに短縮されていよう.交通面では,「少なくとも80日間を要した世界一周は,20世紀末には7日を要すれば足る」とあるが,現在のジェット機(当時は,まだチェッペリン式空中船の時代)では2日もかからず,予言以上に発達したものもある.「写真電話により遠距離にある品物を鑑定し,かつ売買の契約を整え……」とあるが,方法こそ違っても最近インターネット上で可能となっている. もっとも予言通りにはなっていないものもある.「気象上の観測術進歩して天災来たらんとすることは1ヶ月以前に予測するを得べく……」とあるが,台風の予測はできるようになったものの,地震についてはまだお手上げの状態である.「サハラの大砂漠は漸次沃野に化す」は残念ながら逆方向に進んでいる.一方,予言が実現しなくてよかったものもある.例えば「阿弗利加の原野に到るも獅子,虎,鰐魚等の野獣を見ることを能わず」がある.その方向に進みはしたものの,何とか人の力で抑止策がとられている.また「人の身体は6尺(180cm)以上に達する」とあるが,これも実現しなくてよかったように思われる. こうしてみると,100年たった今でも,かなり的をえた予言を当時行ったことに感心はするが,全く予想していなかったこともあげられる.即ち,原子力や宇宙開発,コンピューター社会などは予期されていなかった.医学・医療の現在の進歩もほとんど予測されていなかった分野といえる. さて,この間の医学の進歩には目覚しいものがあり,近年の進歩は過速度的でさえある.読者諸氏も21世紀の年頭にあたり今後100年を予測してみては如何であろう. 2001年1月 編集者一同 《目次》 目 次I.Basic Nephrology 1.糸球体血管形成の分子機構 <高橋孝宗 平野景太 高橋景子> 1 2.アミノ酸トランスポーター <金井好克> 13 3.Epithelial Na+channel(上皮型Na+チャネル) <河原克雅 竹村尚志> 21 4.レーザーマイクロダイセクション法によるin vivo遺伝子発現定量とその応用 <竹中 優 貝森淳哉 長澤康行 今井圓裕> 30 5.nephrinと蛋白尿発症の分子機構 <河内 裕> 34II.診断・画像診断 1.腎疾患の画像診断--最近の進歩 <田村和哉 本多正徳 古瀬 信> 40 2.ANCA測定の標準化 <有村義宏 長澤俊彦> 47 3.尿中肝臓型fatty acid binding protein(L-FABP)の意義 <上條敦子 木村健二郎> 53 4.膀胱腫瘍の尿中マーカー <西山博之 筧 善行 小川 修> 58III.腎炎・ネフローゼ 1.糸球体腎炎と接着因子--FAKを中心として-- <三村俊英> 62 2.わが国における急速進行性糸球体腎炎 <山縣邦弘 小山哲夫> 68 3.IgA腎症と扁桃 <鈴木 亨> 75 4.造血幹細胞移植後の腎障害 <今井裕一 小山雄太> 81IV.間質・尿細管 1.腎障害の進展とperitubular capillary <大橋隆治 山中宣昭> 88 2.蛋白尿による間質障害と補体制御因子 <和田健彦 南学正臣> 94 3.萎縮尿細管による間質線維化の誘導 <鈴木隆之> 100V.腎臓と血圧 1.腎カリクレイン・キニン系と血圧調節 <浦 信行> 106 2.腎障害時の降圧目標 <林 晃一 小澤裕理 藤原啓二> 111 3.高血圧の時間治療 <藤村昭夫> 116VI.腎不全 1.エンドヌクレアーゼによる急性尿細管障害の発症と進展機序 <上田典司> 122 2.急性腎不全に対する上皮細胞再生促進療法 <藤垣嘉秀 菱田 明> 130 3.腎不全の進行とインドキシル硫酸 <丹羽利充> 136 4.腎不全患者の妊娠管理 <阿部信一> 142VII.血液浄化法 1.透析効率の評価 <竹澤真吾> 147 2.新しい腹膜透析液 <中山昌明> 153 3.Vasculer accessに関する最近の進歩 <春口洋昭 太田和夫> 161 4.難治性ネフローゼ症候群に対する血液浄化療法 <服部元史 伊藤克己> 168VIII.移植 1.移植腎病理 <両角國男 武田朝美 竹内 意> 173 2.腎移植後の感染症 <松野 剛 田中紀章> 184IX.小児科領域 1.小児の多発性嚢胞腎 <中西浩一 William E. Sweeny Ellis D. Avner> 189 2.Alport症候群の最近の知見 <飯島一誠 吉川徳茂> 196 3.VURの内視鏡治療の現況 <柿崎秀宏 小柳知彦> 201X.泌尿器科領域 1.腎癌の動物モデル(Ekerラット)--ポストゲノム時代への視座: 遺伝子型,表現型,演出型-- <樋野興夫 福田智一> 207 2.シスチン尿症の原因遺伝子 <溝口研一> 214XI.電解質・酸塩基平衡 1.水,電解質輸送体遺伝子の発現制御について <井上秀樹 町田健治 野々口博史 冨田公夫> 219XII.治療法 1.腎における薬物相互作用の分子機構 <武田理夫 遠藤 仁> 229 2.無症候性腎結石の取り扱い <木下英親> 233 3.透析アミロイドーシスによる関節症の治療 <丸山弘樹 樋口 昇 下条文武> 240索 引 247
目次
1 Basic Nephrology
2 診断・画像診断
3 腎炎・ネフローゼ
4 間質・尿細管
5 腎臓と血圧
6 腎不全
7 血液浄化法
8 移植
9 小児科領域
10 泌尿器科領域
11 電解質・酸塩基平衡
12 治療法
著者等紹介
遠藤仁[エンドウヒトシ]
杏林大学教授
御手洗哲也[ミタライテツヤ]
埼玉医科大学総合医療センター助教授
伊藤克己[イトウカツミ]
東京女子医科大学教授
浅野泰[アサノヤスシ]
自治医科大学教授
東原英二[ヒガシハラエイジ]
杏林大学教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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