皮膚免疫ハンドブック

皮膚免疫ハンドブック

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  • サイズ B5判/ページ数 233p/高さ 28cm
  • 商品コード 9784498063167
  • Cコード C3047

出版社内容情報

《内容》 近年進歩著しい皮膚免疫の最新の治験を整理し,明快に解説したテキストブック.ケラチノサイト,ランゲルハンス細胞,メラノサイト,T細胞,肥満細胞,血管内皮細胞,サイトカインと接着分子など基礎編と,アトピー性皮膚炎,接触皮膚炎,角化症,血管炎,リンパ種,感染症など疾患別にまとめた臨床辺の二本立てにより,この領域の全体像が把握できるよう平明に解説されている. 序  「皮膚免疫ハンドブック」を上梓できることになりました.皮膚における免疫アレルギー現象についての理解は,免疫学,アレルギー学そして分子生物学の進歩と相侯って,この20年間に飛躍的な発展がみられました.  本書を「ハンドブック」としたのは,学生,研修医,皮膚科医など皮膚免疫に興味のある幅広い人に読んで頂きたいと思ったからです.でき上がったものを通読してみますと,所期の目的は充分達成されており,さらに皮膚免疫学の研究者にとっても知識の整理とともに,現在自分のいる位置を確認する上でも役立つものになっていると思います.また今回執筆頂いた全ての方が第一線で臨床と基礎研究とを続けておられますので,研究の面白さが伝わってくるような記述が随所にみられます.特に若い読者には,これらのことから刺激を受けて皮膚免疫に興味をもって頂ければ編者として,これ以上の喜びはありません.  約20年前に皮膚免疫の道を選んだときに,先輩から「皮膚科で免疫を一生やっていけるかどうか分からないが……」といわれたことが印象的な言葉として記憶に残っています.その頃はSociety for Investigative Dermatology(SID)の年次大会での皮膚免疫のセッションの演題数は少なく,日本からの発表はさらに少ないという状況でした.それを思うと昨年(1998年)ケルンで行われたInternational Investigative Dermatologyでの皮膚免疫に関する演題数の多さは日本からの発表数の増加とともに隔世の感があります.  この皮膚免疫の進歩を目のあたりにし,それに少しなりと参画できたことは大きな喜びでした.若い人々がそのような喜びを味わうための一助に本書がなれば,これまた大きな喜びであります.       平成11年(1999年)初秋 編者代表 玉置邦彦     《目次》 目 次    序説: 皮膚免疫について…〈玉置邦彦〉  1 A.基礎編     1.ケラチノサイト…〈近藤靖児〉  4      a.ケラチノサイトによるサイトカンの産生・放出…  4      b.MHCクラス II分子の発現…  8      c.細胞接着因子の発現と他細胞との相互作用…  9     2.Langerhans細胞…〈玉置邦彦〉 12      a.Langerhans細胞の形態とマーカー… 12        1)光学顕微鏡的所見… 12        2)電子顕微鏡的所見… 12        3)LCの培養による性状の変化… 13      b.Langerhans細胞の免疫応答… 14        1)f-LCとc-LCにみられる変化… 14        2)c-LCによるTh1クローンおよびTh2クローンの誘導… 14        3)LCに発現するFcεレセプター… 15        4)LCが発現するサイトカインとサイトカインレセプター… 15      c.LCの遊走… 16      d.LCのcell lineageについて… 17     3.メラノサイト…〈塚本克彦,島田眞路〉 19      a.色素細胞… 19      b.色素細胞の分化・遊走と遺伝性疾患… 20        1)SCF/c-kit,endothelin-B receptor(EDNRB)/EDN-3… 20        2)MITF… 21      c.メラノソーム関連蛋白と全身性白皮症… 21        1)メラノソーム関連蛋白… 21        2)全身性白皮症… 23      d.メラノサイト増殖因子と尋常性白斑… 24        1)メラノサイト増殖因子… 24        2)尋常性白斑… 25      e.メラノソーム関連蛋白とメラノーマ癌抗原… 26     4.T細胞…〈塩原哲夫〉 28      a.T細胞の分化… 28      b.T細胞による抗原認識… 29      c.T細胞の産生するサイトカイン… 30      d.T細胞の分布… 32      e.T細胞のホーミング… 33      f.表皮内T細胞… 34     5.好酸球…〈水谷 仁〉 37      a.好酸球の構造と機能… 37      b.好酸球とサイトカイン,ケモカイン… 38      c.好酸球とサイトカインレセプター… 39      d.好酸球とケモカインレセプター… 40      e.好酸球と接着分子… 40      f.好酸球の分化と維持… 40     6.肥満細胞…〈片山一朗〉 42      a.皮膚肥満細胞の分化増殖機構… 42      b.肥満細胞とアレルギー反応… 44      c.皮膚疾患と肥満細胞: 最近の知見… 45        1)アトピー性皮膚炎と肥満細胞… 45        2)全身性強皮症と肥満細胞… 46        3)皮膚腫瘍と肥満細胞… 47     7.血管内皮細胞…〈窪田泰夫〉 49      a.発 生… 49      b.形 態… 49      c.機 能… 50        1)バリアー… 50        2)生体内活性物質の合成分泌… 51        3)免疫・炎症機能分子… 51        4)血管新生… 53        5)血管トーヌスの調節… 54        6)抗血栓作用… 55     8.線維芽細胞…〈相場節也〉 57      a.線維芽細胞のheterogeneityに関して… 57      b.線維芽細胞の免疫学的機能… 58      c.新しく報告された線維芽細胞?… 59      d.皮膚stromal cells… 60     9.真皮マクロファージ…〈高橋 潔〉 62      a.形 態… 62      b.個体発生… 64      c.成熟個体での真皮マクロファージの分化と成熟… 65      d.単球由来のマクロファージ… 67      e.皮膚炎症とマクロファージ… 67    10.サイトカインと接着分子…〈古江増隆〉 70      a.接着分子とは… 70      b.接着分子の種類… 70      c.白血球と血管内皮細胞との接着およびケモカインの役割… 72      d.ケラチノサイトとサイトカイン… 74    11.紫外線と皮膚…〈荒金兆典〉 78      a.UVBによる細胞内シグナルの発生… 78      b.UVBによる転写の活性化のメカニズムとその生物学的解釈… 78      c.UVBによる転写の抑制のメカニズム… 80  B.臨床編    12.アトピー性皮膚炎…〈古江増隆〉 86      a.IgE産生調節とTh1・Th2細胞… 87      b.AD患者の末梢血におけるTh2様細胞… 88      c.AD皮膚病変部におけるTh2様細胞… 89      d.サイトカインの異常から推定されるアトピー性皮膚炎の臨床的特徴… 90      e.T細胞の浸潤とcutaneous lymphocyte-associated antigen… 90      f.抗原提示細胞… 92    13.接触皮膚炎…〈玉置邦彦〉 95      a.接触皮膚炎の感作相… 96        1)Langerhans細胞による抗原提示… 96        2)感作相におけるサイトカインプロフィル… 98        3)感作相のまとめ… 99      b.接触皮膚炎の惹起相… 99    14.金属アレルギー…〈相場節也〉 103      a.金属の免疫薬理作用… 103      b.金属のintrinsic adjuvanticity… 104      c.ハプテンとしての金属… 105      d.金属による自己免疫反応の誘発… 106    15.蕁麻疹…〈新見直正,秀 道広,山本昇壯〉 108      a.肥満細胞の活性化因子… 108        1)高親和性IgE受容体を介する反応… 108        2)神経ペプチドを介する反応… 111        3)補体を介する反応… 112        4)肥満細胞特異的ヒスタミン遊離活性… 112      b.蕁麻疹における細胞浸潤… 112        1)III型アレルギーの関与… 112        2)アラキドン酸代謝産物(特にLTB4)とI型アレルギー反応の遅発相… 113    16.光線過敏症…〈戸倉新樹〉 116      a.光線過敏症を起こす物質: 光毒性とアレルギー性… 117      b.光アレルギー性物質が抗原となるメカニズム: 光ハプテン… 118      c.光ハプテンの細胞への光結合: 光ハプテン修飾細胞… 119      d.光ハプテンとUVAによるLC上の光抗原形成とLCの抗原提示能促進… 120      e.光ハプテンに対するT細胞反応… 120      f.光接触皮膚炎と薬剤性光線過敏症の違い… 121      g.自己免疫性光線過敏症: 光抗原によらない光線過敏症の存在… 121    17.薬 疹…〈塩原哲夫〉 123      a.薬疹における疑問… 123      b.T細胞による抗原認識機構… 124      c.薬疹発症に関与する様々なfactor… 126      d.ウイルス感染と薬疹… 128      e.固定薬疹とtoxic epidermal necrolysis(TEN)… 128    18.乾 癬…〈水谷 仁〉 131      a.乾癬の特異的臨床症状からみた病因担当細胞… 131      b.血液細胞の役割… 132      c.顆粒球の役割… 132      d.マスト細胞の役割… 132      e.乾癬は自己免疫疾患?… 133      f.抗原提示細胞の役割… 133      g.単球の役割… 133      h.リンパ球の役割… 134      i.接着分子の役割… 134      j.サイトカインの役割… 135      k.ケモカイン… 136      l.病巣感染… 137      m.Ko〈新アクセントA348〉bner現象… 137      n.治療との関係… 137    19.角化症…〈米田耕造,出光俊郎,真鍋 求〉 140      a.ケラチン病… 140      b.ロリクリン角化症… 141      c.葉状魚鱗癬… 142      d.伴性遺伝性魚鱗癬… 142      e.Cole-Engman症候群(X-linked recessive dyskeratosis congenita)… 142      f.Refsum症候群… 143      g.Sjo〈新アクセントA348〉gren-Larsson症候群… 143      h.変動性紅斑角皮症… 143      i.Darier病… 144    20.天疱瘡…〈天谷雅行〉 145      a.天疱瘡はDsg1およびDsg3に対する自己免疫疾患である… 145      b.天疱瘡における水疱形成部位の論理的な説明… 147      c.疱疹状天疱瘡は古典的天疱瘡の亜型である… 148      d.腫瘍随伴性天疱瘡: 抗デスモグレイン,抗プラキン自己免疫疾患… 149      e.IgA天疱瘡の標的抗原は多様性がある… 150    21.類天疱瘡…〈玉井克人〉 152      a.類天疱瘡の臨床的特徴… 152      b.類天疱瘡の自己抗原解析… 153      c.類天疱瘡における病原自己抗体の決定… 154      d.類天疱瘡自己抗体による水疱形成機序… 155      e.類天疱瘡の自己抗体産生機序… 156    22.血管炎…〈狩野葉子〉 158      a.血管炎の皮膚症状… 159      b.免疫複合体と血管炎… 159      c.接着分子と顆粒球由来蛋白の役割… 161      d.自己抗体の関与… 161        1)抗好中球細胞質抗体(ANCA)… 161        2)ANCAと血管炎… 162      e.ウイルスと血管炎… 163    23.全身性エリテマトーデス…〈古川福実〉 165      a.モデルマウスに学ぶ… 165        1)New Zealand(NZ)マウス… 166        2)MRL/nマウス… 166        3)Fas欠損MRL/lprマウス… 166      b.ヒト紅斑に学ぶ… 167      c.表皮細胞と自己抗体の相互反応―光線過敏をモデルとして… 168        1)アポトーシスと自己抗原… 168        2)自己抗体の培養表皮細胞への結合… 169        3)antibody dependent cellular keratinocytes damages… 170      d.DLE vs SLE… 170    24.強皮症…〈菊池かな子〉 172      a.SScにおける自己抗体… 172      b.ANA以外の免疫学的異常… 174      c.サイトカインと線維化… 175    25.肉芽腫性炎症…〈伊崎誠一〉 178      a.炎症の役割分担… 178      b.単球/マクロファージ… 178      c.炎症組織における単球/マクロファージの分化と巨細胞… 179      d.樹枝状細胞系,線維組織球系… 179      e.単球/マクロファージ/組織球のマーカー… 180      f.急性炎症から慢性炎症へ… 180      g.単球/マクロファージの機能の二面性… 180      h.結核型の類上皮細胞肉芽腫… 182      i.反応の持続・動的維持… 182      j.肉芽腫性炎症のスペクトラム… 183      k.Hansen病(leprosy)の病変スペクトラムからわかること… 183      l.組織再構築… 184      m.慢性肉芽腫性炎症のゴール… 184      n.サルコイドーシスの問題点… 184      o.結合織の変性を取り囲む慢性炎症… 185      p.慢性肉芽腫性炎症による器質的組織傷害… 185    26.リンパ腫…〈瀧川雅浩〉 187      a.定 義… 187      b.分 類… 187      c.病 因… 188        1)非特異性炎症… 189        2)レトロウイルス… 189        3)EBウイルス… 189        4)染色体分析… 190        5)接着分子… 190        6)サイトカインプロフィール… 190        7)治療―ソラレン光化学治療の奏功機序… 191    27.悪性黒色腫…〈影下登志郎〉 193      a.メラノーマ細胞に発現している分子群とその機能… 193        1)細胞接着分子… 193        2)ガングリオシド… 195        3)HLA… 195        4)プロテアーゼ… 196        5)サイトカイン… 196      b.T細胞で認識されるメラノーマ関連抗原… 197    28.脱毛症…〈伊藤雅章〉 200      a.炎症疾患としての円形脱毛症… 200      b.円形脱毛症の病理組織と免疫学的所見… 201      c.円形脱毛症の免疫異常の背景… 204      d.治療からみた円形脱毛症の免疫異常… 204      e.膠原病に伴う脱毛症… 206    29.ウイルス感染症…〈渡邊孝宏〉 207      a.ヒト免疫不全ウイルス(HIV)… 207        1)Langerhans細胞のウイルスベクターとしての機能… 207        2)HIV感染におけるLangerhans細胞の機能… 208        3)樹状細胞におけるセカンドレセプターの発現… 208        4)HIV-1サブタイプの疫学的分布とLangerhans細胞の関係… 208      b.麻疹ウイルス(MV)… 209        1)麻疹の臨床的特徴… 209        2)麻疹における免疫反応の時間的推移… 209        3)MV感染とHIV-1感染との共通点… 209      c.単純ヘスペスウイルス(HSV)… 210        1)再活性化を規定するウイルス側の要因… 210        2)再活性化に関係している宿主側の要因… 210        3)HSV-1の再活性化における宿主の反応… 210      d.ヒトパルボウイルスB19(HPV-B19)… 211      e.伝染性軟属腫ウイルス(MCV)… 211        1)MCVに対する免疫反応… 211        2)MCVによるアポトーシス抑制作用… 212      f.ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)… 212        1)ウイルス性疣贅の臨床的特徴… 212        2)HPVによる発癌機構… 212    30.細菌感染症…〈戸倉新樹〉 214      a.皮膚での細菌感染防御機構とその破綻… 214      b.細菌性毒素とリンパ球刺激細菌成分… 214      c.スーパー抗原性外毒素… 216        1)スーパー抗原の概念… 216        2)スーパー抗原の種類… 216        3)皮膚でのスーパー抗原反応… 217        4)細菌性スーパー抗原と皮膚疾患… 218      d.皮膚細菌感染による全身性 免疫変調… 219    31.角化異常と炎症…〈小宮根真弓〉 221      a.ケラチンとは… 221      b.炎症性疾患におけるケラチン発現… 222      c.炎症性サイトカインによるケラチンの発現制御およびその仕組み… 223      d.ケラチン遺伝子発現に対するステロイドの効果… 226    索 引… 229

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