出版社内容情報
《内容》 心臓病の手術室,病棟,ICUなどで必要とされる生きた知識を簡潔に示したハンドブックである.救急救命処置,臨時外来処方,術前管理,術中管理,術後急性期管理,術後急性期合併症の対策,術後慢性期合併症の管理などに亘り,キメ細かで実際的な指針,対策,方法や各種の基準,数値が収載されている.知識の整理や備忘録として日頃ポケットに携帯しておけば安心できる便利な1冊である.出版にあたって この小冊子には心臓病患者の病棟から手術室,ICUそして外来診察室まで,今日ルチーンに(一定の方式として)行われている検査や診断の手順,治療方法の核心となる部分を箇条書きに列挙してある.心臓病の合併症を主体に,日常診療でよく遭遇する病状の見分け方,応急手当て法などを可能などかぎり網羅した. ポケットに入れて必要な時いつでも取り出せるように手帳サイズにした.そのため説明文は極力省いた.詳しい解説は他の成書に譲りたい.但し,どうしても見逃せないポイントは内容によって〔ひとくちメモ〕や〔コメント〕,〔注〕あるいは*印を付して強調した.使用した略語は巻頭にまとめた.また,薬品名の索引は一般事項索引と分けて載せた. 本書が心臓外科,循環器科にとどまらず,すべての診療科の医師や看護婦,医療技士の方逹に毎日の医療活動の備忘録として少しでも役立つことがあればと切望している.平成元年春 著者記す 《目次》 目次略語一覧 XII第1章 救命,救急処置 11 アナフィラキシーショック 22 心室細動・心臓停止 A,B,C法による心蘇生 33 成人の心蘇生に使用する薬剤 44 新生児,乳児の心蘇生に使用する薬剤 55 高熱に使用する薬剤 66 気道内異物の除去方法 87 喘息発作の治療 108 けいれんの応急処置 119 低血糖発作 1210 過換気症候群 12第2章 よく出る臨時外来処方薬 131 小児薬用量のきめ方 142 非症候性頭痛 143 感冒薬 164 鎮静,鎮痛,睡眠剤 175 胃腸薬 186 その他 19第3章 術前管理 211 臨床検査のための採血,採尿基準 222 手術前日の麻酔科オーダー 233 心臓手術に必要な新鮮血と保存血の量 244 輸血パック(CPD血)の組成 245 手術前日までに服用中止すべき外来処方薬 256 心血管薬の血中薬物濃度と特徴 267 抗喘息薬の血中薬物濃度と特徴 268 抗てんかん薬の血中薬物濃度と特徴 269 ジギトキシンとジゴキシンの特性比較 2710 ジゴキシンによるジギタリス急速飽和投与量 2711 ジゴキシン注の重量と容積の関係 2812 腎障害患者に対するジギタリス投与量の計算式 2813 ジキタリス血中濃度からみた有効治癒量と中毒量 2914 ジキタリス中毒を起しやすい要因 2915 ジキタリスの中毒状況 3016 ジキタリス不整脈の治療 30第4章 術中管理 311 循環血液量の計算 322 充填量(プライミング量) 323 目標とする希釈率 324 充填液の添加薬剤 335 体外循環時のステロイドの使い方 336 市販膜型人工肺の種類 347 至適灌流量 358 体外循環時の体内/体外の流量バランス 359 体外循環時の動脈圧 3510 無血体外循環の適用条件 3511 心筋保護液(GIK液)の組成 3612 心筋保護法の標準方式 3613 体外循環時ヘパリンの使用法 3714 硫酸プロタミンによるヘパリンの中和法 3715 フィブリン糊のつくり方 38第5章 術後急性期管理 391 ICU入室直後に行う基本的処置の優先順位 402 レスピレータの条件設定 403 抜管の基準(ABCD/PS法) 424 抜管直後の呼吸管理 435 ポータブル撮影機による胸部X線撮影の条件設定 436 X線フィルムサイズと身体撮影部位 447 単純胸部X線写真のチェックポイント 448 ICUにおけるルチーンの血液検査項目と正常値 459 循環機能パラメーター 4610 ICUから病棟帰室時のオーダー(I) 4711 ICUから病棟帰室時のオーダー(II) 48第6章 術後急性期合併症と対策 491 低心拍出量症候群(LOS)の定義と診断 502 LOSの治癒経過からみた重症度判定 513 血圧維持療法 524 カテコールアミン系薬剤のα,β受容体に対する作用の強弱 535 カテコールアミンと関連薬剤 546 非カテコールアミン系昇圧剤 557 infusion pumpによる微量点滴法 558 急性心筋梗塞症によるLVADの適用基準 569 DIC(広汎性血管内凝固症) 5710 複合臓器不全(MOF) 5811 止血再開胸を決断するとき 5912 止血剤一式 5913 尿検査所見の読み方 6014 急性腎不全の腎前性と腎性の鑑別 6115 利尿剤 6116 利尿カクテル 6217 腹膜透析 6218 日常生活と職業のエネルギー消費量 6419 心筋梗塞発作1時間以内の早期診断のポイント 6520 軽症高血圧の管理基準 6621 血管拡張剤/降圧剤の作用と投与法 6722 αブロッカー,βブロッカーと抗Ca剤 6823 急性心筋梗塞における心筋逸脱酵素の推移と血中正常値 6924 虚血性心疾患の危険因子 7025 アダムス ストークス発作(頻脈/徐脈による失神発作) 7126 心室細動/心停止に移行する危険のある不整脈 7327 心室性期外収縮の重症度(LOWN分類) 7328 抗不整脈剤の分類(VAUGHAN WILLIAMSの分類) 7429 静注用不整脈治療剤 7530 経口不整脈治療剤 7631 一時的ペースメーカーの各部の名称と使い方7732 永久的人工ペースメーカーの適応 7833 3文字方式によるペースメーカーモードの表記方法 7934 人工ペースメーカーの機能失調の原因 7935 潜血反応陽性の読み方 8036 溶血(ヘモグロビン尿)の原因疾患 8037 ヘモグロビン尿の鑑別法 8138 ヘモグロビン血症の治療法 8139 血尿の原因疾患 8240 低カリウム血症の鑑別 8341 カリウム補給用GIK液 8442 高カリウム血症に対する緊急処置 8443 ある日の水分バランスの計算方法 8544 年齢による不感蒸泄の概算 8545 酸塩基平衡障害の鑑別 8646 アチドーシスの補正 8747 市販補液の種類と主要成分 8848 感染性心内膜炎と敗血症 9049 CRP測定の診断価値 9150 CRP定性(毛細管法)と定量(ラテックス凝集比濁法)の対比 9251 抗生物質療法の一般的注意事項 9352 ドライシロップの使える抗生物質の年齢別投与量 9453 緑膿菌(Pseudomonas aeruginasa)に有効な抗生物質 9654 抗真菌剤 9955 肺機能の評価 10056 低酸素血症の呼吸管理手順 10357 換気障害(+)患者に対する呼吸管理上の要点 10458 気管チューブの適合サイズ 10559 動脈血酸素分圧からみた酸素吸入の必要性 10560 ARDS(急性肺不全) 10661 肺気腫の診断基準 10762 肺水腫の定義と病因 10863 消化管出血の処置 10964 腸管麻痺の治療 110第7章 術後慢性期合併症と管理 1111 ワーファリンの投与方法 1122 抗凝血薬の種類 1143 人工弁の機能不全の原因と診断 1154 脳塞栓症の診断基準 1165 一過性脳虚血発作(TIA)の診断基準 1166 血栓塞栓症の重症度分類 1177 四肢血栓塞血症の治療方針 1178 ウロキナーゼによる血栓溶解療法 1189 プロスタグランディンE1による血管拡張・側副血行路形成促進療法 11810 血栓症の予防/治療のためのヘパリン投与方法 11911 肝機能の評価 12012 肝臓血清酵素の変動と臨床的意義 12113 B型肝炎ウイルスマーカーの臨床的意義 12214 B型肝炎の予防対策 12315 慢性肝疾患の重症度 12316 肝機能改善剤 12417 劇症肝炎の治療法 12518 アルコール性肝疾患の特徴 12619 有痛性ケロイドの治療 12620 意識障害の3-3-9度方式による重症度分類 12721 グラスゴー方式による昏睡度分類 12822 昏睡患者の誤嚥を防ぐための体位 12923 脳死判定基準 13024 脳幹反射検査法 13125 眼球頭反射 132附1 計算式で求める臨床検査概算値 133附2 短絡率計算式 134附3 身長と体重から体表面積を求めるノモグラム 135事項索引 136治療薬索引 142