Annual Review神経〈2003〉

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  • サイズ B5判/ページ数 366p/高さ 26cm
  • 商品コード 9784498029767
  • Cコード C3047

出版社内容情報

《内容》 ◆本書は膨大な量の情報の中から,特に注目すべきトピックを選び,その分野の第一人者が内外の文献をふまえて最新の進歩を展望している.
◆文献抄録ではなく,その内容,評価が理解できる.
◆どのような重要な業績,文献があったかを確実にフォローできる.
◆主要文献を網羅しているので,reference sourceとしても極めて便利である.

 Annual Review神経2003をお届けする.本シリーズは1986年にスタートし,今回が第18巻目である.その発刊の趣旨は,いわゆる教科書的な解説や一般的な総説ではなく,Neuroscience各分野における最近の進歩のreviewと講評にある.そのため著者には,最近2~3年の主要な文献の分析を中心に,それぞれのトピックについて解説頂くよう依頼している.今回も,基礎的事項を始め,診断,治療,さらには神経分野の主要疾患について,42の話題を抽出した.著者はそれぞれの分野のエキスパートであり,各論文の冒頭の「動向」にはその話題の学問的,歴史的位置付けが凝縮している.
 現代は情報過多の時代といわれている.IT化が進み,職場にも家庭にもパソコンがある.学問の世界も例外ではなく,科学情報はインターネットから容易に検索することができる.一昔前は主要な文献から孫引きを繰り返していたことを思うと実に便利になったものである.しかし,索引項目を適切に用いないと膨大な数の文献が出てきたり,全く期待外れの論文しか得られないことがある.また,最初から明確な探索対象がある場合はよいが,ある分野に関して多数の文献リストが入手できてもどれが良質なものが判断できないことも少なくない.リストをプリントアウトし,重要そうと思える文献に印をつけ,文献を取り寄せる,といった今昔混然としたやり方をしている方も多いのではないかと想像する.レストランや地名の検索ならパソコン画面で充分であるが,学問的内容は最終的にハードコピーでないと納得できないこともまた事実である.これは世代的な限界なのか,個人的な適応能力の問題なのか判然とはしないが,おそらくその両者の要素によるものであろう.ただ,某社で逸早く冊子体購読者に電子情報もサービスしたが,驚くほど利用者が少なかったと聞いた.資源の問題や労力等を考えると,学内や院内の配布物等は極力印刷物を減らすべきであると思うが,学術論文はまだまだじっくりと頁を繰りたいものである.
 本書の目次をざっと眺めて頂くと,おそらく学会やそのプログラム等で一寸気がかりになりつつもそのままにしておいた話題が多いかと思う.編集者らもそのような観点から斬新でしかも示唆的なトピックを拾い出したつもりである.本書が読者の2003年の診療あるいは研究活動の少しでもお役に立てば編集者一同の望外の喜びである.
  2003年1月
    編集者一同    

《目次》
I.Basic Neuroscience
 1.神経回路の形成に関与する分子群  <小林裕明 村上富士夫>  1
 2.大脳皮質構築とリーリン  <仲嶋一範>  10
 3.カンナビノイド受容体  <少作隆子 前島隆司 狩野方伸>  18
II.検査法
 1.記憶検査法  <緑川 晶 河村 満>  25
 2.神経のMRS  <梅田雅宏 田中忠蔵>  32
 3.術中脳機能モニタリング  <山口文雄 寺本 明>  46
 4.3D-SSP  <松田博史>  52
III.診断基準
 痴呆の症候学的分類  <鉾石和彦 池田 学 田辺敬貴>  59
IV.治療法
 1.重症筋無力症と免疫抑制療法  <小西哲郎>  67
 2.頭痛治療の新しい展開  <荒木信夫>  76
 3.内頸動脈狭窄症―CEAかステントか  <臼井雅昭>  88
 4.サイバーナイフ  <齋藤研一 西崎隆文 鈴木倫保>  94
V.感染症
 1.BSEと変異型CJD  <村井弘之>  102
 2.Neuro-AIDSにおけるHAARTの意義  <岸田修二>  110
VI.脳血管障害
 1.急性期脳血管障害に対する脳保護について  <松居 徹>  126
 2.抗血小板薬と抗凝固薬  <郡山達男 松岡直輝 松本昌泰>  136
 3.apo Eと脳血管障害  <北川一夫>  150
VII.脳腫瘍
 1.我が国における遺伝子治療の現況  <藤井正純 水野正明 若林俊彦 吉田 純>  157
 2.脳腫瘍の温熱療法―最近の進歩  <田中隆一>  163
VIII.外傷
 重症頭部外傷のガイドライン  <重森 稔>  169
IX.変性疾患
 1.Alzheimer病とコレステロール  <道川 誠>  174
 2.Alzheimer病とネプリライシン  <岩田修永 西道隆臣>  183
 3.新しいポリグルタミン病―SCA17(TBP disease)  <中村浩一郎>  191
X.代謝性疾患
 Leigh症候群の分子病態  <桃井真里子>  203
XI.脱髄性疾患
 1.CIDPの治療  <前田哲也 馬場正之>  210
 2.多発性硬化症のprogressive form  <越智博文 吉良潤一>  221
XII.末梢神経疾患
 手根管症候群の内視鏡手術  <奥津一郎 喜多島出 吉田 綾>  234
XIII.脊髄疾患
 脊髄手術の術中モニタリング  <山本直也 伊藤達雄>  241
XIV.筋疾患
 1.Ullrich病とcollagen VI  <樋口逸郎>  248
 2.Muscle-eye-brain病とαジストログリカノパチー  <戸田達史 小林千浩>  255
 3.遺伝性封入体筋炎,rimmed vacuoleを伴う遠位型ミオパチーの分子病態
  <田中惠子 新井亜希>  262
 4.先天性筋無力症候群  <大野欽司 Andrew G. Engel 佐橋 功>  271
 5.核膜蛋白異常に伴うミオパチー  <永野 敦>  275
XV.自律神経疾患
 1.脳血管障害における自律神経障害  <浅野賀雄 島津邦男>  287
 2.神経疾患における123I-meta-iodobenzylguanidine(MIBG)心筋シンチグラフィー
  <山本光利>  299
XVI.機能性疾患
 概日リズム睡眠障害  <田ヶ谷浩 内山 真>  308
XVII.高次脳機能障害
 1.ワーキングメモリの神経機構  <辻本悟史 澤口俊之>  316
 2.高次脳機能研究とfMRI  <上野賢一 程 康 田中啓治>  326
 3.半側空間無視の神経機構  <武田克彦 今福一郎>  334
XVIII.小児神経疾患
 1.小児てんかんと成人のてんかん―脳波所見と治療方針の相違  <岡 次>  342
 2.小児科領域の脳卒中(もやもや病以外)  <杉森 宏 井林雪郎>  348
XIX.疫学,社会医学
 痴呆の疫学  <繁田雅弘 本間 昭>  355
索 引    361

内容説明

Neuroscience各分野における最近の進歩のreviewと講評の第18巻目。最近2~3年の主要な文献の分析を中心に、それぞれのトピックスについて解説。基礎的事項を始め、診断、治療、神経分野の主要疾患について、42の話題を抽出した。

目次

Basic Neuroscience
検査法
診断基準
治療法
感染症
脳血管障害
脳腫瘍
外傷
変性疾患
代謝性疾患〔ほか〕

著者等紹介

柳沢信夫[ヤナギサワノブオ]
関東労災病院院長

篠原幸人[シノハラユキト]
東海大学教授

岩田誠[イワタマコト]
東京女子医科大学教授

清水輝夫[シミズテルオ]
帝京大学教授

寺本明[テラモトアキラ]
日本医科大学教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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