図解血球 生理・病態・臨床<br> 血小板 - 止血・凝固・線溶

図解血球 生理・病態・臨床
血小板 - 止血・凝固・線溶

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  • サイズ B5判/ページ数 139p/高さ 26cm
  • 商品コード 9784498025585
  • Cコード C3047

出版社内容情報

《内容》 進歩著しい,血液学の基本と進展の方向の理解を図るため,まず生理,病態に重点を置いて解説した後,病態に結びつけて臨床を解説している.診断および治療はその最新の方針,概略を示し,また新しい用語,概念などの説明を織り込んだほか,理解を助けるシェーマやチャート,写真,表を数多く用いて今日の血液学を平明にまとめている. 序  近年,血液学領域の基礎的並びに臨床的研究の進歩はまことにめざましいものがある.造血におけるサイトカインの役割りや遺伝子レベルでの発癌機構の解析がすすむにつれ,さまざまな血液疾患の成因と病態生理の全貌が次第に明らかになろうとしている.このような基礎的研究の成果は,いち早く血液病の診療に取り入れられ,診断と治療のうえで新しい展開があいついでいる.  血液学に関心を抱く医学生と研修医,そして若手医師を対象に,血液疾患の成因や病態生理に関する日進月歩の知見がどのようにして臨床へ導入されていくのか,できるだけ図解的にわかり易く解説し,新しい血液学の基本と方向を理解していただこうというのが本シリーズの目的である.そして,ハンディな書とするため3冊に分け,「赤血球」「白血球」「血小板 止血・凝固・線溶」に整理した.各巻の流れを(1)生理,(2)病態生理,(3)臨床の順序とし,内科学や血液学の普通の教科書と異なり,(1)と(2)に重点を置き,(3)については診断と治療の概略を解説する程度にとどめた.  血球3系統の観点から血液疾患を3つのカテゴリーに分けて記述する方式は,以前から教科書でよく採用されてきた.しかし,赤血球の病気,白血球の病気といった分類は必ずしも当をえたものではない.たとえば再生不良性貧血では血球3系統のずべてが減少し,逆に,真性赤血球増加症ではすべてが増加する.今日の考えでは,どちらも造血幹細胞の異常に起因する疾患であるから,複数の血球系統に異常が発現するのは当然で,これをあえて赤血球の疾患と分類することには異論が出よう.見方によっては白血球や血小板のところで扱ってもよく,あるいは,造血幹細胞異常という項目を別に設けるべきかもしれない.本シリーズでは,3分冊への配分は慣習的な方式を踏襲したが,全体としてできるだけ重複を避け,書き落としがないよう配慮をしたつもりである.  執筆陣には,血液病の専門医であると同時に,血液学領域で最先端の研究に従事しておいでの方々をお願いした.ご多忙中,執筆のため快く貴重な時間をお割きいただいたことに深甚の謝意を表する.併せて,本書の制作に当たられた中外医学社の担当者にも厚くお礼を申し上げる. 1994年1月 編集者一同    《目次》 目次 1 止血機構とその異常 A.止血機構 〈長尾大〉1 1.全体像とその調節 1 a.血管・血管内皮細胞 2 b.血小板 4 c.凝固反応 6 d.線溶現象 9 2.出血傾向 10 3.血栓形成 12 B.血管 〈長尾 大〉13 1.構造と機能 13 2.血管性紫斑病 14 a.先天性疾患 14 b.後天性疾患 14 C.血小板 〈飯塚敦夫〉15 1.血小板の産生と破壊 15 2.形態と機能 15 3.血小板減少症 21 a.血小板産生障害 22 b.血小板の破壊亢進や消費の増加 22 1)特発性血小板減少性紫斑病(ITP)22 2)播種性血管内凝固症候群(DIC) 25 c.脾機能亢進症 29 d.血小板の喪失または希釈 30 4.血小板増多症 30 5.血小板機能異常症 31 a.先天性血小板機能異常症 31 1)血小板無力症 31 b.後天性血小板機能異常症 33 1)薬剤起因性の血小板機能異常症 33 D.血液凝固 〈吉岡 章〉34 1.凝固因子の種類とその機能 34 2.血液凝固機能 35 a.内因系凝固因子の活性化 36 1)接触反応相:F XIIの活性化 36 2)リン脂質活性化反応:F IXの活性化 37 b.外因系凝固因子の活性化:F VIIの活性化 37 c.共通凝固因子の活性化 38 1)プロトロンビン トロンビン転換反応 38 2)フィブリノゲン フィブリン転換反応 38 3)フィブリン安定化 38 3.生理的インヒビターと凝固(線溶)調節機構 39 a.プロテアーゼインヒビターによる凝固の制御 39 b.プロテアーゼおよびその補助因子による凝固の制御 (F V,F VIIIの失活) 41 c.プロテアーゼインヒビターによる線溶の制御 41 4.凝固因子欠乏~異常による出血傾向 42 a.先天性凝固異常症 42 1)血友病AおよびB 42 2)VON WILLEBRAND病 45 3)無フィブリノゲン血症 49 b.後天性凝固因子低下症 50 1)肝実質障害 50 2)ビタミンK欠乏症 50 3)DIC(播種性血管内凝固) 52 E.線溶系 〈白幡 聡〉53 1.線溶系に働く因子とその相互作用 53 a.線溶の生理的意義 53 b.線溶系因子のプロフィル 54 1)プラスミノゲンとプラスミン 54 2)組織プラスミノゲンアクチベーター 55 3)ウロキナーゼ 57 4)ストレプトキナーゼ 58 5)α2-プラスミンインヒビター 58 6)そのほかのプラスミンインヒビター 59 7)プラスミノゲンアクチベーターインヒビター 59 c.線溶系因子の相互作用 60 2.線溶系の異常 62 a.プラスミノゲン異常症 62 b.プラスミノゲンアクチベーター異常症 62 c.α2-プラスミンインヒビター欠損症 62 d.プラスミノゲンアクチベーターインヒビター過剰症 63 e.後天性線溶亢進症 63 F.血栓症 64 1.血液凝固と血栓症 〈木下忠俊〉64 2.血栓の形態 〈木下忠俊〉65 3.血栓症の要因 〈木下忠俊〉66 a.血管壁の傷害 66 b.血流の異常 67 c.血液の凝固亢進性 67 4.血栓傾向 〈木下忠俊〉67 a.アンチトロンビンIII欠乏症 68 b.プロテインC欠乏症 69 c.プロテインS欠乏症 70 d.フィブリノゲン異常症 70 e.プラスミノゲン異常症 70 f.ループスアンチコアグラント 70 5.川崎病 〈白幡 聡〉71 2 出血傾向・血栓症の臨床 A.診断 76 1.臨床所見 〈長尾大〉76 a.病歴と症状の要点 76 1)紫斑(出血斑)であることの確認 76 2)紫斑(出血斑)の部位 77 3)鼻出血 77 4)既往歴 77 5)家族歴 77 b.診察所見 77 2.検査所見 78 a.出血傾向のスクリーニング検査 〈長尾大〉78 1)A群 78 2)B群 80 3)C群 80 4)D群 80 5)E群 81 6)F群 81 7)G群 81 8)H群 82 b.血栓傾向の検査 〈木下忠俊〉82 1)血小板活性化の検査 83 2)凝固活性の検査 83 3)二次性線溶亢進の検査 84 B.治療 84 1.血小板輸血 〈飯塚敦夫〉84 a.血小板製剤 84 2.ビタミンKの投与 〈吉岡 章〉85 a.新生児一次性出血症 85 b.乳児ビタミンK欠乏性出血症 86 c.成人型ビタミンK欠乏症 86 3.血友病の補充療法 〈吉岡 章〉86 a.血友病A補充療法 86 1)補充療法剤 86 2)投与量および投与方法 87 3)DDAVP 89 b.血友病B補充療法 89 c.補充療法の副作用とその対策 89 1)輸血後肝炎 89 2)インヒビター(抑制物質)の発生 89 3)後天性免疫不全症候群 90 4.DICの治療 〈吉岡 章〉91 a.ヘパリン療法 91 b.AT III 91 c.合成プロテアーゼインヒビター 92 d.補充療法 92 e.抗線溶剤 92 5.抗線溶療法 〈白幡 聡〉92 6.血栓症の予防と治療 93 a.先天性血栓症〈木下忠俊〉95 b.心筋梗塞 〈木下忠俊〉95 c.心臓手術後の血栓予防 〈木下忠俊〉96 d.脳血栓症 〈木下忠俊〉96 e.川崎病 〈白幡 聡〉96 3 検査法 A.出血時間 〈飯塚敦夫〉98 a.DUKE法 98 b.IVY法 98 c.template法 98 d.simplate法 99 B.プロトロンビン時間 〈吉岡 章〉100 C.活性化部分トロンボプラスチン時間 〈吉岡 章〉100 D.凝固因子の単独測定法 〈吉岡 章〉102 1.フィブリノゲン 102 a.トロンビン時間法 102 b.一次元免疫拡散法(SRID法) 102 2.F II,F V,F VII,FX測定法 103 a.凝固一段法 103 b.LAURELL法(定量的免疫電気泳動法) 103 3.F XII,F XI,F IX,F VIII測定法 104 a.凝固一段法 105 b.発色性合成ペプチド基質を用いたamidolytic法 105 c.LAURELL法 106 d.ELISA 106 4.F VIII 107 E.トロンボテスト 〈吉岡 章〉108 F.ヘパプラスチンテスト(ノルモテスト) 〈吉岡 章〉109 G.FDP 〈白幡 聡〉110 H.AT III・TAT 〈白幡 聡〉112 a.一次元免疫拡散法 112 b.ラテックス凝集法 112 c.ロケット免疫電気泳動法 113 d.二次元交差免疫電気泳動法 113 e.合成基質法 113 I.血小板凝集能 〈飯塚敦夫〉115 J.血小板粘着能 〈飯塚敦夫〉118 K.特殊な検査 120 1.F VIII/VON WILLEBRAND factor 〈吉岡 章〉120 a.F VIII:C測定法 120 b.F VIII:Ag測定法 120 1)同種抗体を用いたIRMAによるF VIII:Ag測定法 120 2)モノクローナル抗体を用いたELISAによるF VIII:Ag測定法 121 c.RCof測定法 123 d.VON WILLEBRAND因子抗原定量法 123 e.SDS-アガロースゲル電気泳動/オートラジオグラフィーによる vWFマルチマーの解析 123 2.α2PI・t PA・PIVKA-II 〈白幡 聡〉125 a.α2-プラスミンインヒビター 125 b.α2-プラスミンインヒビタ-/プラスミン複合体 125 c.組織プラスミノゲンアクチベーター 125 d.PIVKA-II 126 3.血小板表面免疫グロブリン 〈飯塚敦夫〉128 略語一覧 131 索引 135

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