わかりやすい水電解質―病態とその治療 (2版)

わかりやすい水電解質―病態とその治療 (2版)

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  • サイズ A5判/ページ数 262p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784498023796
  • Cコード C3047

出版社内容情報

《内容》 著者は本領域の書をいくたびも執筆しているが,その経験をふまえて,読者に真に役立つ書をめざして,難しいといわれる水電解質代謝, 酸塩基平衡の基本的知識と,その異常,臨床の実際をなるべくわかり易く,簡明に解説した書である. 内容はまず懇切に基礎的知識を説き,次に検査,診断,その異常を平易に解説し,最後に各疾患,症候毎に,その原因,病態,治療,診断上の注意点をポイントがわかるようまとめている. 序  身体における水電解質バランスの保持は生命の維持にとって非常に重要なもので,臨床上,その充分な理解が大切である.しかもそれが単なる“理論的”理解にとどまらず“実際的”に把握し,その異常が生じた際に,直ちにどのように対処すべきかを会得することが必須となる.とくに近年,水電解質代謝およびその異常について新しい知見が多く得られるようになって,これらについての正しい理解と把握が一層必要になってきた.実際,水電解質に対する包括的な正しい理解による診療なしに,良い治療はできないといっても過言でない.  27年前に著者の一人により“図解水電解質”が中外医学社か出版された.本書は“図解”により容易に水電解質が理解できるようにしたもので,幸い多くの読者に好評を得て受け入れられ,現在改訂8版となっている.しかし,本書は入門書であったため,水電解質代謝およびその異常を主として記載し,治療に対しても一般的な治療を述べるのにとどまっていた.逆に言うと,各疾患における水電解質異常とその治療についてはあまり述べられていなかった.  そのようなわけで,本書では基本的な水電解質代謝とその異常,その際の病態,症候,治療についてはもちろん,とくに各種の疾患について,それぞれの病態,症状,所見を詳述し,その治療も実際的に述べるだけでなく,うっかり誤りやすい落とし穴についても述べて,日常臨床に直ちに役立つようにした.またむずかしい理論はできるだけ避けて,“わかりやすく”実際的な水電解質書としたつもりである.  水電解質の臨床あるいは輸液に関係する書物は現在,少なからず出版されている.しかし,水電解質の臨床をわかりやすく述べるだけでなく,それに基づいて各疾患別に病態,症状・所見やそれらに対する治療を具体的に詳述された書物はさほどなく,しかもこのようなアプローチは臨床上重要で,ベッドサイドにおいてしばしばこれの必要にせまられている.このような現状から本書が執筆された.その執筆方法は上に述べたとおりで,わかりやすく実践的な書物としてでき上がったと考えている.  本書が研修医や臨床医の方々,さらにコメディカルの方々の座右にあって,よりよく水電解質の臨床の理解がなされ,あるいは知識が整理されて,望ましい診療が行われ,良い治療結果が得られることを望んでやまない.また医学生諸兄にとっては水電解質の重要性についての興味と理解が深められ,臨床に進むための良き準備がなされることを願っている.  終わりに,本書ができ上がるまで終始,熱心に原稿の整理や校正をして下さった中外医学社の高橋衛氏,久保田恭史氏らに心から謝意を表する. 1996年4月 飯田喜俊 白井大    《目次》 目次 1章 水電解質および酸塩基平衡のあらまし 1 1.体液の区画 1 a.細胞内液 1 b.細胞外液 1 2.体液の組成 2 a.水分 2 b.溶質 2 3.水と溶質の移動 4 a.膜 4 b.輸送機序 4 c.体液の濃度 6 4.酸塩基平衡 7 2章 細胞外液量,細胞外液濃度および酸塩基平衡の調節 9 1.細胞外液量,とくに血管内液量の調節 9 a.交感神経系 10 b.レニン アンジオテンシン系 10 c.アルドステロン 11 d.心房性Na利尿因子(ANF) 11 e.抗利尿ホルモン(ADH)と口渇 12 2.細胞外液浸透圧の調節 12 a.抗利尿ホルモン(ADH) 12 b.口渇 13 3.酸塩基平衡の調節 14 a.血液pHとその変化 14 b.緩衝系の反応 14 c.肺による酸塩基平衡の調節 18 d.腎による酸塩基平衡の調節 19 e.代償作用 21 4.電解質異常と酸塩基平衡異常との関係 21 a.酸塩基平衡異常における電解質の異常 21 b.電解質異常における酸塩基平衡の異常 23 3章 水分の摂取と排泄 25 1.水分の摂取 25 a.経口水分摂取 25 b.固形食物 26 c.代謝水 26 2.水分の排泄 26 a.腎からの排泄 26 b.皮膚からの喪失 26 c.肺からの喪失 27 d.消化管からの喪失 27 e.その他の喪失 28 4章 水電解質と酸塩基平衡異常の検査 29 1.体液異常を評価する検査 29 a.血漿浸透圧 29 b.ヘマトクリット値 30 c.血液尿素窒素(BUN) 30 d.尿量 31 e.尿浸透圧 31 f.尿比重 32 g.尿Na値 32 2.電解質バランスを評価する検査 33 3.酸塩基平衡を評価する検査 33 a.動脈血ガス 33 b.尿pH 38 c.乳酸 38 4.関連する検査 39 a.クレアチニン 39 b.血清アルブミン 39 5章 水電解質異常の診断 40 1.病歴 40 2.身体所見 41 a.生命徴候 41 b.身体所見 47 3.臨床評価 49 a.毎日の体重測定 49 b.摂取と排泄 50 4.水電解質異常の判断で注意すべき点 50 a.検査成績判断の際の注意 50 b.検体の取り扱い上の注意 50 c.血行動態の監視 52 6章 水バランスの異常 53 1.体液欠乏 53 概説/脱水症の種類/水欠乏性脱水症(高張性脱水症)/混合性脱水症(等張性脱水症)/Na欠乏性脱水症(低張性脱水症)/治療 2.輸液療法 61 輸液の目的/通常用いられる輸液剤/輸液の副作用 3.体液過剰 68 概説/原因/症候・所見/検査所見/治療/診療上の注意点 4.浮腫 70 概説/症候・所見/治療 5.利尿療法 72 利尿薬と利尿効果/利尿療法の合併症 7章 Naバランスの異常 78 1.Naバランスと血清Naの調節 78 2.低Na血症 79 概説/原因,症状と検査所見/治療/診療上の注意点 3.高Na血症 85 概説/原因/症状/検査所見/治療/診療上の注意点 8章 Kバランスの異常 89 1.Kバランスと血清Kの調節 89 2.低K血症 90 概説/原因/症候・所見/検査所見/治療/診療上の注意点 3.高K血症 94 概説/原因/症候・所見/検査所見/治療/診療上の注意点 9章 Caバランスの異常 99 1.Caのバランスと血清Caの調節 99 2.低Ca血症 100 概説/原因/症候・所見/検査所見/治療/診療上の注意点 3.高Ca血症 103 概説/原因/症候・所見/検査所見/治療/診療上の注意点 10章 Mgバランスの異常 107 1.Mgのバランスと血清Mgの調節 107 2.低Mg血症 108 概説/原因/症候・所見/検査所見/治療/診療上の注意点 3.高Mg血症 110 概説/原因/症候・所見/検査所見/治療/診療上の注意点 11章 Pバランスの異常 113 1.Pのバランスと血清Pの調節 113 2.低P血症 114 概説/原因/症候・所見/検査所見/治療/診療上の注意点 3.高P血症 117 概説/原因/症候・所見/検査所見/治療/診療上の注意点 12章 代謝性アシドーシス 120 1.急性代謝性アシドーシス 120 概説/原因/症候・所見/検査所見/治療 2.慢性代謝性アシドーシス 122 概説/原因/症候・所見/検査所見/治療/診療上の注意点 13章 代謝性アルカローシス 125 1.急性代謝性アルカローシス 125 概説/原因/症候・所見/検査所見/治療/診療上の注意点 2.慢性代謝性アルカローシス 127 概説/原因/症候・所見/検査所見/治療/診療上の注意点 14章 呼吸性アシドーシス 131 1.急性呼吸性アシドーシス 131 概説/原因/症候・所見/検査所見/治療/診療上の注意点 2.慢性呼吸性アシドーシス 133 概説/原因/症候・所見/検査所見/治療/診療上の注意点 15章 呼吸性アルカローシス 136 1.急性呼吸性アルカローシス 136 概説/原因/症候・所見/検査所見/治療/診療上の注意点 2.慢性呼吸性アルカローシス 138 概説/原因/症候・所見/検査所見/治療 16章 混合性酸塩基平衡異常 140 1.混合性酸塩基平衡異常とその診断 140 2.Significance band 140 3.代償係数 142 17章 消化器疾患 143 唾液/胃液/膵液/胆汁/小腸液 1.嘔吐および胃管からの喪失 146 原因/病態/治療/診療上の注意点 2.下部消化管液の喪失 149 3.腸閉塞 149 病態/治療/診療上の注意点 4.下痢 151 病態/治療/診療上の注意点 5.急性膵炎 152 原因/病態/治療/診療上の注意点 18章 肝不全 156 原因/病態/治療/診療上の注意点 19章 内分泌疾患 164 1.糖尿病性ケトアシドーシス 164 原因/病態/治療/診療上の注意点 2.高浸透圧性非ケトン性糖尿病性昏睡 168 原因/病態/治療/診療上の注意点 3.尿崩症 173 原因/病態/治療/診療上の注意点 4.抗利尿ホルモン分泌異常症候群(SIADH) 176 原因/病態/治療/診療上の注意点 5.副腎皮質機能低下症 178 原因/病態/治療/診療上の注意点 6.その他の内分泌疾患 181 20章 心疾患 182 1.うっ血性心不全 182 原因/病態/治療/診療上の注意点 2.心原性ショック 185 原因/病態/治療/診療上の注意点 21章 腎疾患 190 1.急性腎不全 190 原因/病態/治療/診療上の注意点 2.慢性腎不全 196 原因/病態/治療/診療上の注意点 3.透析患者 201 病態/治療/診療上の注意点 4.腎尿細管性アシドーシス 204 原因/病態/治療/診療上の注意点 22章 高齢者 208 腎/心・血管系/呼吸器系/消化器系/内分泌系/中枢神経系/医原性の因子/診療上の注意点 23章 小児科疾患 212 小児の体液異常の特徴/嘔吐/下痢/診療上の注意点 24章 産科疾患 217 1.妊娠時の水電解質バランスの変化 217 2.妊娠中毒症における水電解質異常とその治療 218 病態/治療 3.妊娠および周産期の急性腎不全とその治療 220 25章 外科手術 221 1.手術時の水電解質異常 221 2.術前の水電解質異常 221 治療/診療上の注意点 3.術中の水電解質異常 223 病態/治療 4.術後の水電解質異常 225 治療/診療上の注意点 26章 火傷 229 火傷の面積/水電解質異常の病態/治療/診療上の注意点 27章 慢性呼吸不全・脳血管障害・乳酸性アシドーシス 239 1.慢性呼吸不全 239 原因/病態/治療/診療上の注意点 2.脳血管障害 242 治療/診療上の注意点 3.乳酸性アシドーシス 243 原因/病態/治療/診療上の注意点 参考書 247 索引 251

内容説明

著者は本領域の書をいくたびも執筆しているが、その経験をふまえて、読者に真に役立つ書をめざして、難しいといわれる水電解質代謝、酸塩基平衡の基本的知識と、その異常、臨床の実際をなるべくわかり易く、簡明に解説した書である。内容はまず懇切に基礎的知識を説き、次に検査、診断、その異常を平易に解説し、最後に各疾患、症候毎に、その原因、病態、治療、診断上の注意点をポイントがわかるようにまとめている。

目次

水電解質および酸塩基平衡のあらまし
細胞外液量、細胞外液濃度および酸塩基平衡の調節
水分の摂取と排泄
水電解質と酸塩基平衡異常の検査
水電解質異常の診断
水バランスの異常
Naバランスの異常
Kバランスの異常
Caバランスの異常
Mgバランスの異常〔ほか〕

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