出版社内容情報
《内容》 近年進歩の著しい,腫瘍マーカーの基礎的な理解を図るとともに,測定法・診断・治療における臨床的意義などの実際面を具体的に示したものである.測定法では材料の作製法や市販のキットの紹介,方法の問題点を述べ,臨床的意義では正常人や非癌疾患との対比,癌の病期別診断意義,偽陽性の問題,治療効果や予後判定の指標としての有用性などにわたって実際的に解説した.研究の現況と問題点,展望の理解に最適の書である. 《目次》 目次§1 腫瘍マーカーの現状と展望腫瘍マーカーの現状と展望 1腫瘍マーカー検査の現状 データ処理法での工夫腫瘍マーカーの新しい展開§2 腫瘍マーカーの分子生物学A ヒトAFP遺伝子の発現調節機構 〈玉置大器 中林秀和〉8AFP遺伝子の発現を増強するシス調節配列 AFP遺伝子の抑制機構 AFP遺伝子発現に対する癌遺伝子および成長促進因子の影響B CEA 19CEAファミリーのcDNAクローニングとその一次構造 CEA関連抗原と遺伝子との関係 CEAファミリーの遺伝子構造 発現調節機構 生理機能C Mn-Superoxide Dismutase: 卵巣癌の腫瘍マーカーとしての意義とその発現機構 34Mn-SODの一般的性質 Mn-SODのELISAによる定量法 ヒトMn-SODに対するモノクローナル抗体の作製 サンドイッチ法によるELISA 健常人血清のMn-SODのレベル 種々の婦人科疾患における血清Mn-SOD値 StageによるMn-SOD値の変動 妊婦における血清Mn-SOD CA-125とMn-SODとの腫瘍マーカーとしての比較 実験的卵巣癌におけるMn-SODの発現 上嘉皮卵巣癌におけるMn-SODの組織局在 卵巣癌培養細胞におけるMn-SODの発現とその調節 その他の癌組織,とくに肝臓癌におけるMn-SODの発現§3 遺伝子と遺伝子産物A erb B2 42erb B2遺伝子および同産物の特性 ヒト癌における発現 癌診断における有用性B p53 47癌抑制遺伝子とは 癌抑制遺伝子としてのp53 p53遺伝子変異と発癌 ヒト癌におけるp53遺伝子異常 腫瘍マーカーとしてのp53 特に大腸癌・大腸腺腫での異常 発現について §4 癌細胞の糖鎖抗原研究の現況癌細胞の糖鎖抗原研究の現況 58糖鎖抗原と単クローン抗体 分化発育抗原としての糖鎖抗原 胎児における肺の器官形成と2型糖鎖抗原 胎児における膵の器官形成と1型糖鎖抗原 血液細胞の分化と糖鎖抗原 胎児における糖鎖抗原の変化の概観 糖鎖を介した細胞間相互作用の分子機序§5 新しい腫瘍マーカーA hCG腫瘍マーカーとしての新しい展開 β-core fragment 77hCGに対する特異的抗体 hCGβ様免疫活性(IR-hCGβ)について IR-hCGβ complex IR-hCGβ各分子種の分別測定 絨毛性疾患におけるIR-hCGβ 非絨毛細胞性の癌による異所性IR-hCGβ産生 尿中β-CFの産生源 尿中β-CFの腫瘍マーカーとしての臨床的意義B CA54/61 CA602とのコンビネーションアッセイも含めて 92CA54/61の性状と測定系 CA54/61の臨床的検討 CA54/61の免疫組織化学的検討C ムチン抗原遺伝子とその産物 105主なムチンコア蛋白の構造 polymorphic epithelial mucin (PEM)§6 イムノターゲッティングイムノターゲッティング 113RI標識モノクローナル抗体を用いる画像診断の臨床的有用性 モノクローナル抗体の標識に用いる放射性同位元素(RI) モノクローナル抗体のRI標識方法の研究 新しいモノクローナル抗体の開発 RI標識モノクローナル抗体の臨床応用の指針§7 分泌物中の腫瘍マーカー 早期癌診断をめざして A 乳癌 125乳頭分泌液中の生化学的マーカー 乳頭分泌液中CEA測定法 乳癌CEAの生物学 乳腺嚢胞液中の腫瘍マーカーB 大腸癌 136糞便中の腫瘍マーカーの測定 なぜCEAがよいのか 糞便中CEA測定系の開発 糞便中CEAの存在様式の検討 糞便中CEA測定の大腸癌集団検診への応用C 神経芽細胞腫 149スクリーニングのシステム 測定法 偽陽性例について スクリーニング時陰性群からの発生例 超微形態 神経芽細胞腫の自然歴 マススクリーニングの成果索引 161